『文書だより』(3)公文書の年号
『文書だより』琉球政府総務局文書課((R00160267B)
『文書だより』から、琉球政府から沖縄県への移行にともなう文書事務の変化に関する記事を紹介します。
西暦から元号へ
元号使用の意義
『文書だより』第6号では、「文書事務を考える」のテーマとして「年号」が取り上げられています。
(「文書事務を考える」については、こちらをご覧ください。)
「元号使用の意義はなにか」という問いに対し、「時間を区切り、年に特別な名称を付して、理想、希望喜悦等を表わす考え方」は、中国で発生したもので、西欧にはみられない「東洋人の精神的活動のあらわれである」、日本では孝徳天皇のとき大化と定められたことがはじまりで、元号使用には「国民的統合に意義をおいたという説もある」などと記されています。
また、「参考 年代表記と元号の問題点」として、「新憲法の下において、元号は制度化または法制化されてなく、現在慣習法的に使用されているにすぎない」、「国内の公文書は、公式制度の形式で元号を使用し、対外国文書は西暦を使用している」などと、元号をめぐる状況が記されています。 |
元号・年代表記に関する資料
このように、復帰前の米国統治下で公文書に使用されていた西暦は、復帰までは引き続き使用され、復帰後に、元号使用へと切り替わりました。西暦から元号への年号表記の変化は、公文書の作成という面における日本復帰にともなう大きな変化といえるでしょう。
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