沖縄県公文書館 復帰50周年企画展

軍用地政策の変遷

軍用地関係法規9

米国民政府布令第91号「契約権」

一 米国政府の必要とする土地及び財産を所有並びに占有を有効ならしめることは、米国政府及び琉球列 島並びに米国国民及び琉球住民の保全上、望ましいことでもあり、且つ、機宜の策である。

二 米国政府は、右の目的で1950年7月1日以降占有してきた財産の民間所有者に対する補償金の支払い を考慮している。

三 琉球政府及び米国政府は、琉球政府の任務とこれに対する補償に関して、ここに契約書DA92-320- FEC-148の契約を締結する。その規定は、米国政府の取得すべき土地の法律上の所有者の決定、土地 賃借についての地主との交渉、地主と琉球政府間の借地契約書の作成とその実施、琉球列島米国民政府から受領する金額の受領証発行、琉球政府から米国政府への転貸する契約とその実施、及び以後の年間土地使用料の支払いをなすことである。
四 よって、琉球政府行政主席に対し、次の事務を遂行し、且つ、責任を負う権限を付与し、これを行うことを命ずる。

1 琉球政府の名義で米国と契約書DA92-320-FEC-148号の契約を締結し、その目的を達成するために必要 な次の各項及びその他の事項を遂行すること。
① 契約書DA92-320-FEC-148号及び別紙賃借契約書の書式によって、前記の主たる賃借契約を完遂する 上に必要な程度に、個々の地主と琉球政府間の賃借契約を作成し、交付し、及び琉球政府が堅くこれを守ること。
② 米国政府の代理をつとめる沖縄エンジニヤ地区の地区エンジニヤが要請する土地及び財産に関する琉球政府及び米国間の主たる賃借契約書を英文及び和文で作製し、実施し、交付すること。
② 契約書DA92-320-FEC-148号に基いて支払うべきもので支払期限の到達した土地使用料の申告書又は明細書を作成し、証明し、及び米国政府へ提出すること。

五 琉球政府行政主席は、本計画の実施に関する一切の事項について行政主席に対する責任を負う代行機 関としての権限を有し、且つ、全勤務時間を事務の遂行にあてる適当な係官を任命することができる。

六 琉球政府は、琉球列島米国民政府から予算額の前渡しを受ける前に、貸主に対して使用料の支払をしてはならない。

七 琉球政府は、この資金で本計画の実施のために見返り資金から立替払されるものであるため、米国政府から支払を受けたときは、これを琉球列島米国民政府資金係將校へ払戻されなければならない。この計画実行に要する諸経費については、琉球政府は、別個の会計を設けなければならない。

八 この布令は、1952年8月1日から施行する。
  
右民政府副長官の命により発布する。

                         民政官            
                         米国陸軍准将          
                          ゼイムス・エム・ルイス 

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