沖縄県公文書館 復帰50周年企画展

軍用地政策の変遷

深堀セクション2

軍用地関係事務所(2)

 

「軍用地関係事務の組織変遷」

1951年4月1日

米国軍政本部特別布告第36号「土地所有権証明」に基づき、「沖縄群島の土地に関する一切の資料を統括して編蒐し、且つ土地所有権を示す正確な地図を作成する」ため、沖縄群島政府に「中央土地事務所」を設置。

1952年7月2日

琉球政府が中央土地事務所組織規則を改正し、所掌事務に次の4項と5項を追加(6月1日適用)。

(所掌事務)

1.土地所有権の確認に関する資料の保管

2.土地測量並びに図面に関する事項

3.土地調査条例(1951年奄美群島条例第30号)及びその他法令に基づ

いてその権限とされている事項

4.軍使用土地に関する事項

5.所有者不明土地に関する事項

1952111

米民政府布令第91号「契約権」(8月1日施行)により、米国政府が使用する軍用地について、琉球政府の役割が示される。

  • 米国政府の取得すべき土地の法律上の所有者の決定
  • 土地賃借についての地主との交渉
  • 地主と琉球政府間の借地契約書の作成とその実施
  • 琉球列島米国民政府から受領する金額の受領証発行
  • 琉球政府から米國政府へ転貸する契約とその実施
  • 以後の年間土地使用料の支拂い

また、同布令により、米軍の工兵地区沖縄工兵隊が米国政府の代理機関となる。

1956年8月22

琉球政府は、軍用地関係業務の増加に伴い法務局組織規則を一部改正し、沖縄土地事務所から軍用地事務を独立させて「軍用地関係事務所」の所掌とした。

(所掌事務)

1.軍使用土地所有者の調査確認に関すること

2.軍使用土地の登記の嘱託に関すること

3.軍使用土地賃借料及び地上物件補償金の支払い準備に関すること4.軍使用土地の契約に関すること

5.軍使用土地訴願書類の取扱に関すること

6.その他法務局長の命ずること

 

沖縄工兵隊不動産部「DE不動産」

資料㉕ 法令及び例規に関する書類(DE関係)

軍用地に関する米国政府の代理機関であった米軍の工兵地区沖縄工兵隊不動産部(略称「DE不動産」)からの通達、指示関係文書の簿冊。

作成:琉球政府法務局軍用地関係事務所、1959

資料コード:R00032197B

 

 

「DE不動産からの業務費総額の通知」

関係所有者への軍用地料の支払いは、米国との業務契約に基づき、DE不動産の指示のもと軍用地管理事務所が行った。この業務契約において米国が支払う業務費は、「ここに示された業務量を満足に完遂した場合に支払う」とされ、指定された筆数の軍用地料の支払い完了による実績払いであった。

 

軍用地関係事務所の運営状況

資料㉖ 軍用地関係事務所の沿革書類

軍用地関係事務所がDE不動産の指示により作成した軍用地関係事務の開始から現在までの沿革(主として運営費、人員、給料)についてまとめた報告書。

作成:琉球政府法務局軍用地関係事務所、1958

資料コード:R00032172B

 

 

「軍用地関係事務所の年度別人員体制(1952年~58年)」

報告書には、「軍使用料支払い事務は1952年6月19日からはじまった」、当時は「この事務は琉球政府として全く始めてのことであり業務量及び必要人員の推定が困難であった」とある。

この表では、業務開始当初の1952年は人員が15人で、その6年後1958年には6倍以上の94人配置されている。軍用地の拡大とともに軍用地料の支払い業務も急増しているのが見て取れる。

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