沖縄県公文書館 復帰50周年企画展

軍用地政策の変遷

§1-3

今も続く「旧軍飛行場用地問題」

戦後しばらくして、国有地となった旧日本軍飛行場用地の旧地主や関係市町村は、米国民政府、琉球政府及び日本政府に対し、戦争のために手放した土地の所有権返還を求めて幾度となく陳情しました。

復帰後の新生沖縄県も、復帰前から続くこの問題を解決するために日本政府との折衝を重ねました。1976年には、全ての旧地主を対象にアンケートや聞き取り調査を実施し、その結果、旧日本軍の用地取得は「強制的命令」であったという見解を示しました。ところが、国も独自の調査を実施し、「私法上の売買契約」であったという沖縄県とは異なる見解を示しました。

この問題は、関係書類が戦禍で失われたこともあって正確な事実関係が把握できていないのが現状です。しかし、復帰30年目には未解決の戦後処理として沖縄振興計画に加えられ、そして復帰50年目を迎える現在も、その解決に向けた取組みが継続されています。

19441019日 沖縄北飛行場(読谷)

接収面積2,666千㎡(1,956筆)地主548

1945年3月27日 沖縄中飛行場(嘉手納)

接収面積474千㎡(224筆)地主125

 

国と県、それぞれの見解

資料④ 旧日本軍接収用地調査報告書

旧日本軍が飛行場用地として接収し、現在は国有地として国が管理している土地について、当時の接収の実態を把握するために、沖縄県が1976年から77年にかけて調査した報告書。

総括には「地域や施設によってそれぞれ状況が異なっており」とした上で、全般的には「旧日本軍による威圧的、強制的命令により接収した」という見解を示している。

作成:沖縄県総務部総務課、1978年3月

資料コード:G00000120B

資料⑤ 旧軍飛行場用地問題調査 ・ 検討報告書

沖縄県としてどのような解決策を国に提示するのが適当であるかを検討した報告書。この中の資料で、1978年4月大蔵省作成の「沖縄における旧軍買収地について」では、「国家総動員法によって強制収用されたとする証拠は全く見当たらず、すべて私法上の売買契約によって買収されたものと認められる」と結論付けている。

作成:()南西地域産業活性化センター(沖縄県知事公室基地対策室)、2004年3月

資料コード:0000044591

上に戻る