沖縄県公文書館 復帰50周年企画展

軍用地政策の変遷

軍用地関係法規8

沖縄群島条例第55号「沖縄群島割当土地に関する臨時処理条例」

第一条
この条例は、現在所有者以外の者が占有し、且つ所有者の法律上の承諾もなく保有しておる土地(以下割当土地という。)について、1951年4月16日付の米国民政府特別布告第四号第二条の規定に基いて、土地所有者と土地使用者との権利義務に関して臨時の調整を図ることを目的とする。

第二条
土地所有者と土地使用者とは、1951年4月1日をもって公共、住居又は農耕を目的とした割当土地の賃貸借の契約を締結したものとみなす。
2、 前項の規定は、土地所有者と土地利用者との間に別段の契約の設定があった場合はこの限りではない。

第三条
前条第一項の場合において賃貸借の期間は、左の各号に従わなければならない。
一、建物の所有を目的としているときは、3年
二、耕作その他を目的としているときは、1年6月
2、前項の期間を超える期間の設定は、土地所有者と土地使用者の意思に従う。
3、土地使用者において第一項に定める期間より短い期間の設定を欲するときは、解約しようとする日の3箇月以上前に土地所有者に通知しなければならない。

第四条
第二条第一項に基いて、建物の所有を目的とする土地の場合において建物が滅失したときは、賃貸借権は
消滅する。
但し、災害によるときはこの限りではない。

第五条
第二条第一項の場合における土地所有者の請求する賃貸料の額は、市町村賃貸料評定委員会(以下賃貸料評定委員という。)の定める額とする。
2、賃貸料評定委員会に関する規程は、別に府令を以って定める。

第六条
前条第一項に定める賃貸料について、土地所有者と土地使用者との間に協議が調和ないときは申立により、その土地の所有地を管轄する巡回裁判所が鑑定委員会の意見を聴き、その土地に関する一切の事情を斟酌
して、これを定める。

第七条
前条の規定による裁判は非訟事件手続法によりこれをする。

第八条
鑑定委員会は、3人以上の委員を以って、これを組織する。
2、鑑定委員は各事件について、左の者の中から巡回裁判所がこれを指定する。
一、巡回裁判所が、毎年予め特別の知識経験のある者、その他適当な者の中から選任した者。
二、当事者が、合意で選任した者。

第九条
鑑定委員会の決議は委員の過半数の意見による。

第十条
鑑定委員会の評議は秘密とす。

第十一条
鑑定委員会に要する費用は申立人の負担とし、その額は、民事訴訟費用法を準用する。

第十二条
第六条の規定による裁判は、裁判上の和解と同一の効力を有する。

第十三条
左に掲かげる事由があるときは、土地所有者はその土地を管轄する巡回裁判所に出訴して土地使用者に対し割当土地の明渡しを請求することができる。
一、土地使用者が土地所有者の承諾なしに、第三者に土地を賃貸し、又は土地の使用権を譲渡し、若くは与えたとき。
二、米国民政府副長官、又は市町村長によって割当てられた時に決められた使用目的を変更したとき。
三、土地使用者が現在占有している土地と同様に使用できる土地を他に有するにいたったとき。
四、土地使用者が割当てられた土地を乱用したとき。
        附 則
  この条例は1951年10月1日から施行する。

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