沖縄県公文書館 復帰50周年企画展

軍用地政策の変遷

軍用地関係法規1

米海軍軍政府布告第1号

米国軍占領下ノ南西諸島及其近海住民ニ告グ
日本帝国ノ侵略並ニ米国ニ対スル攻撃ノ為、米国ハ日本ニ対シ戦争ヲ遂行スル必要ヲ生ゼリ。且ツ是等諸 島ノ軍事的占領及軍政ノ施行ハ我ガ軍略ノ遂行上並ニ日本ノ侵略力破壊及日本帝国ヲ統轄スル軍閥ノ破滅 上必要ナル事実ナリ。
治安維持及米国軍並ニ居住民ノ安寧福祉確保上占領下ノ南西諸島中本島及他島並ニ其ノ近海ニ軍政府ノ設 立ヲ必要トス。
故ニ本官米国太平洋艦隊及太平洋区域司令長官兼米国軍占領下ノ南西諸島及其近海ノ軍政府総長、米国海 軍元シー・ダブリュー・ニミツハ茲ニ左ノ如ク布告ス。
南西諸島及其近海並ニ其住民ニ関スル総テノ政治及管轄権並ニ最高行政責任ハ占領軍司令長官兼政府総 長、米国海軍元帥タル本官ノ権能ニ帰属シ本官ノ監督下ニ部下指揮官ニヨリ行使サル。
1.日本帝国政府ノ総テノ行政権ノ行使ヲ停止ス。
2.各居住民ハ本官又ハ部下指揮官ノ公布スル総テノ命令ヲ敏速ニ遵守シ、本官麾下ノ米国軍ニ対シ敵対 行動又ハ何事ヲ問ハズ日本軍ニ有利ナル援助ヲ為サズ、且ツ不穏行為又ハ其ノ程度如何ヲ問ハズ治安 ニ妨害ヲ及ボス行動ニ出ズ可カラズ。
3.本官ノ職権行使上其必要ヲ生ゼザル限リ居住民ノ風習並ニ財産権ヲ尊重シ、現行法規ノ施行ヲ持続ス。
4.爾今総テノ日本裁判所ノ司法権ヲ停止ス。但シ追テノ命令アル迄、該地方ニ於ケル軽犯者ニ対シ該地 方警察官ニ依リテ行使サルル即決裁判権ハ之ヲ継続スルモノトス。
5.本官又ハ本官ノ命令ニ依リ解除サレタル者ヲ除ク総テノ官庁、支庁及町村又ハ他ノ公共事業関係者並 ニ雇傭人ハ本官又ハ特定サレタル米国軍士官ノ命令ノ下ニ其職務ニ従事ス可シ。
6.占領軍ノ命令ニ服従シ平穏ヲ保ツ限リ居住民ニ対シ戦時必要以上ノ干渉ヲ加ヘザルトス。
7.爾今、布告、規則並ニ命令ハ本官又ハ本官ヲ代理スル官憲ニ依リ逐次発表サレ、之ニ依リ居住民ニ対 スル我要求又ハ禁止事項ヲ明記シ、各警察署並ニ部落ニ掲示サル可シ。
8.本官又ハ本官ヲ代理スル官憲ニ依リ発布サレタル本布告、他ノ布告並ニ命令又ハ法規等ニ於テ英文ト 其他ノ訳文ノ間ニ矛盾又ハ不明ノ点生ジタル場合ハ英文ヲ以テ本体トス。
1945年 月 日


米国太平洋艦隊及太平洋区域司令官長兼
南西諸島及其近海軍政府総長
米国海軍元帥 ニミツ

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