沖縄県公文書館 復帰50周年企画展

軍用地政策の変遷

§3-2

布令109号 ~ 強制収用

布令91号による契約方式では、必要な土地を取得することが難しくなったことから、1953年4月3日、米国民政府は布令第109号「土地収用令」を公布し、契約に応じない所有者の土地を強制収用できるようにしました。

同布令では、協議によって取得できなかった土地の所有者に対して収用の告知が行われ、さらに、告知後30日が経過すると、正式な収用宣告書が登記所に提出され、沖縄工兵管区が「正当補償」として決定した土地の使用料を琉球銀行に供託するとしていました。この「正当補償」を不満とする者は訴願できますが、争点は「正当補償」の金額のみで、収用宣告そのものを阻止することはできませんでした。

同布令は、すでに接収していた土地の使用権原を確保する目的で制定されましたが、米軍基地の建設強化が進められていた当時、もっぱら新規接収に適用され、真和志村字安謝・銘苅、小禄村字具志、宜野湾村伊佐浜や伊江村などで「銃剣とブルドーザー」と呼ばれる強制収用が行なわれました。

19531220日 小禄村具志部落民とUSCAR土地課職員との座談会 19557月 軍用接収地 宜野湾伊佐浜 「金は一年土地は万年」の幟

 

布令109号(収用宣告書)

資料⑪ 収用宣告書 布令109

読谷村 コザ市 DT-005 地料支払 賠償裁決

作成:軍用地関係事務所業務課、19555

資料コード:R00048854B

Declaration of Taking No. 5

布令109号による収用宣告書(収用令)第5号(英文)

「収用令第5号」

布令109号による収用宣告書(収用令)第5号(和訳)。1955年4月19日付の収用告知書で予告したとおり、添書の不動産の「借地権即ち使用占有権」が、同年6月26日以降、米国に与えられるとしている。

「収用令第5号 添書A総括」

収用宣告書(収用令)第5号の添書A総括。対象エリアは、読谷村の7筆、1,484坪(1.21エーカー)で、土地の使用料は1954年7月1日から翌年6月30日までの1年間で15.40ドルと記されている。

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