輸血用の血液が足りない!~「血液事業」の経費増額を

『1971年 陳情等』厚生局薬務課作成(R00083137B)

厚生局薬務課の「陳情・要請に関する書類」から「血液事業」に関する文書を紹介します。

『1971年 陳情等』(R00083137B)には、沖縄赤十字社および沖縄血液センターによる「血液事業必要経費の増額について(陳情)」という1971823日付の文書が綴られています。

 

「沖縄に於ける昨今の血液事情は血液不足が慢性化し時として不慮の輸血に血液が無く尊い人命を失うおそれがあります」とはじまるこの陳情書では、沖縄の、特に北部地域において、輸血用の血液が不足している状況を訴えています。

「北部住民の中に生ずる不慮の出血傷害に対し保存血液が1本も名護以北に常備されてない」ことや、緊急時に中南部の血液機関から血液を運搬する際も、遠距離のため「時間的に間に合うか疑問であり運搬車及び運搬要員も不足」する事態を「まことに憂慮すべき事」とし、また、献血する場合も、「献血者自ら時間的経済的な負担をかけて中南部まで出向いて献血をしなければならず」、「必然的に制限され献血量の減少となつている」とも述べています。 

こうした事態を改善するため、「如何なる地域に対しても15分以内に血液を配する事が出来るよう各地に配給所を設置するか又は血液運搬車を配置して配給機構を拡充整備する事が急務」だとし、「血液事業推進の絶対必要経費の増額」を求めています。

 

沖縄血液センターの採血状況や人員構成もわかります。

採血実績は、69年度が3,056本、70年度が3,376本、71年度が4,049本と記されています。

 

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