正確な海図の作製を!

通産局海運課の「海運に関する書類」から、琉球列島の正確な海図の作製を求める文書を紹介します。

 

『航路標識に関する書類 雑書 1961年』(R00069997B)のなかに、1961年1月に工務交通局(通産局の前身)で作成された「琉球列島における水路の確立について」という文書があります。

この文書では、当時の琉球列島の海図が明治時代の測量に基づく古いものであり、外海に面するところでは大きな変化はないものの、「内港においては永年における土砂の堆積があり、又戦争に依る地形及び海底の変化が甚しい」として、「船舶の航行を安全ならしめるためには、正確な海図が要望される」と述べられています。

そして、必要な機械器具や設備、専門技術が琉球政府にはないことから、「施政権者である米国政府に依つてなすべきと思われる」として、この海図の作製を米国民政府(USCAR)に要望しています。

「水路調査及び海図作製をすべき港湾」には、那覇港から運天港まで14項目が列挙されています。

 

USCAR宛ての英文の要請書「Request for Drawning of Sea-Charts of the Ryukyu Islands」と、USCARからの回答もあります。回答には、「本件は頗ぶる優先的な計画であることに同意ではあるが細目を計画するには、かなりの期日を要するものと思われる」と記されています。

 

これらの文書からは、1960年代に入っても、明治時代に測量された海図を使い続けていたこと、土砂の堆積や戦争による変化などにより、古い海図では船舶の安全な航行が難しくなっていたことがわかります。

 

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