『文書だより』(2)文書事務の用語

『文書だより』から、公文書である琉球政府文書を理解するのに役立つ記事として、「文書事務を考える」を紹介します。

(『文書だより』の概要については、こちらをご覧ください)

 

「文書事務を考える」

「文書事務を考える」(第1号のみ「文書事務あれこれ」)は、『文書だより』のほぼ全号に掲載されており、以下のようなテーマが取り上げられています。

 第1号  敬称・「殿」か「様」か 第8号
 第2号  礼状・「公用」か「私用」か 第9号 看板・「文書」か「備品」か
 第3号  書式・「縦書き」か「横書き」か 第10号 文書・「取扱」か「管理」か
 第4号  法令・「法律」か「立法」か 第11号 報告・「情報」か「記録」か
 第5号  決裁・「回議」か「合議」か 第12号 起案・「伺い」か「立案」か
 第6号  年号・「元号」か「西暦」か 第13号 事務・「必要悪」か「必要善」か
 第7号  文体・「である」体か「ます体」か 第14号 創造性・「知能」か「開発」か

 

このなかから、公文書の理解にとくに重要な「起案」(第12号)と「決裁」(第5号)の回を紹介します。

 

起案とは

『文書だより』第12号の「起案・「伺い」か「立案」か」では、「文書の起案とはなにか」という問いに対して、次のように答えています。

 

「文書の起案とは、官公庁の意思を決定し、これを文書として具体化する基礎となる案文(起案文・原案)をつくることをいう。起案は、回答・許可その他の処分、供覧等の措置を必要とする受領文書の内容に従つてなされる場合と、これに関係なく通知等官公庁の発意に基づいて行われる場合がある。」

 

また、「起案の心がまえと留意事項」には、次のように記されています。

 

「文書の起案は、行政機関の意思決定の準備手段として行われるものであるから、事案処理の方針についてはもちろんであるが、起案すべき事項についての考え方・解釈・法令・例規の運用等については、起案者の私見、主観によることはできるだけ避け、前例・慣例・行政実例・判例等を参照するほか、上司の指示や同僚の意見を十分にきいて、客観的な考慮のもとに、処理するよう心がけなければならないのは当然である。」

このように、文書の起案は、「官公庁の意思を決定し、これを文書として具体化する基礎となる案文(起案文・原案)をつくること」であり、「行政機関の意思決定の準備手段として行われるものである」ことから、その内容については、前例や法令などをよく参照し、また上司や同僚の意見をよく聞いてから行うことが大切だとされています。

 

 

決裁~「回議」とは、「合議」とは

次に、『文書だより』第5号の「決裁・「回議」か「合議」か」をみてみます。決裁について、次のように説明されています。

 

「起案された文書は、主務部課長に回議し、または関係部課長に合議して、それぞれの決裁を経た後、最終決裁権者の決裁をまつて、その内容が施策として決定される。/「回議」または「合議」は、このように起案された後の文書について最終決裁権者の決裁に至るまでの全過程をいい、いずれも行政官庁としての完全な意思決定の手段である。」

 

また、回議と合議の違いについて、次のように説明しています。

 

(1)回議とは、起案者の直属系統の上司の承認を受けるためその順序を経て、決裁伺書をまわすことをいう。

(2)合議(あいぎ)とは、起案者と直接の権限関係にない他の部局の関係者から、順序を経て、決裁伺案の妥当適確性について承認を受けることをいう。

 

このように、「官公庁の意思を決定し、これを文書として具体化する基礎となる案文(起案文・原案)」である起案文は、最終決裁権者による決裁がなされることで、行政官庁の正式な意思決定となるのです。

「文書事務を考える」では、文書事務に関するさまざまなテーマについて平易に説明されており、公文書を読む際の参考になります。

 

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