那覇の桜坂で火災が発生する

 

1959年4月25日、那覇の桜坂で火災が発生しました。

 

琉球政府の広報誌『広報琉球』(1959年6月号)によると、この火災で、「14棟24軒の家屋を灰燼にし、16万5百ドルの莫大な損害」をこうむりました。

 

「出火時間が朝であつて、軍民の消防車も逸早く現場に駆けつけていた」にもかかわらず大火となってしまった原因について、人家の密集地域であること、道路の幅が狭いために消防車1台しか消火活動ができなかったこと、高台地区である桜坂への送水能力がぜい弱であったことが挙げられています。

 

また、「那覇消防隊の言い分」では、道路の狭さに加えて、「彌次馬」の存在が消火活動の妨げになったことが指摘されています。「群集心理というのか、ご本人たちは、火消しの仕事を手伝うという任侠からでた行為かも知れないが、実際には徹頭徹尾消防の邪魔をしている結果にしかならない。この意味で、一般住民の最大の協力は、手だしをしてくれないこと」と記されています。

 

『広報琉球』(1959年6月号)

 

 

 

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