USCARと沖縄のマスコミ~地元マスコミから好感を得る方法

『(0227-002) Miscellaneous Files. 雑書』米国民政府広報局

 

The Information Division, The Public Affairs Department(広報局情報部)「Information Publications Distribution Files and Opinion Survey, 1967-1970(出版物頒布及び世論調査に関する文書 1967-1970年)」から、USCARと沖縄のマスコミとの関係性を伝える文書を紹介します。

『(0227-002) Miscellaneous Files. 雑書』には、マスコミや復帰に関する様々な文書が含まれています。

このなかに、アイゼンシュタイン法務部長による1965年8月10日付の書簡「Methods of Obtaining a Favorable Local Press(地元マスコミから好感を得る方法)」があります。

時は1965年8月。佐藤栄作首相の沖縄訪問という一大イベントを控え、アイゼンシュタイン法務部長は、「Influencing the Ryukyuan Press(琉球マスコミの感化策)」について、USCARの副民政官からアドバイスを求められたのです。

このアイゼンシュタイン法務部長の書簡では、「検閲的なことをしない」「紙面に広告を出すことも含め、買収をにおわせる行為をしない」などと提言し、「マスコミがわれわれを信頼してくれる可能性がある唯一の方法は、USCARが真実かつ、価値のある情報を提供することだけだ」と述べています。

前後の一連の文書によると、USCARには、かって本国のワシントンポスト紙に「沖縄の民主主義」を酷評された苦い経験がありました。さらに、ワシントンポスト紙の報道を機に、日本の英字新聞であるジャパンタイムズも、USCARの対応を注視している現状がありました。

佐藤首相の訪沖をめぐる地元沖縄の報道に対して、「検閲的なことをしない」という姿勢が示されたのは、こうした背景があったようです。

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