八一会文書（琉球政府金融検査庁）から、高等弁務官が琉球政府金融検査部に贈った表彰状を紹介します。

『キャラウェイ高等弁務官より金融検査部へ贈られた表彰状』（0000033503）は、1964年7月31日、キャラウェイ高等弁務官から琉球政府金融検査部長の外間完和に送られた「表彰状 Certificate of Commendation」です。

「貴検査部は琉球政府の諸機関のうちで最も新しい機関でありますが、無私無欲な献身的公務の遂行上また琉球社会の福利の面において顕著な成績を収められた」とあります。 そして、 「貴検査部の監督によつて、会計上の不当行為が排除され、金融機関にとつて必要な経営陣の更迭が実現し琉球内の銀行や保険会社は生気を取り戻した」、「琉球住民は銀行預金や家族の安全のため払い込んだ保険金が適正に保護されていると自身の法的行為を確信することが出来る」といった賞賛の言葉が並べられています。

キャラウェイ高等弁務官は、1961年1月30日に高等弁務官布令第37号「銀行、銀行業務及び信用供与」を公布して、琉球政府の銀行監督権を強化しました。表彰状を送られた琉球政府金融検査部は同年8月、内政局理財課から内務局の外局である金融検査部に昇格しました。

キャラウェイ高等弁務官の金融機関に対する強権発動は「キャラウェイ旋風」とも呼ばれますが、この表彰状は、その立役者となった琉球政府金融検査部の功績を称えたものだといえるでしょう。

【関連記事】

歴史年表 ＞ 1961年2月：第3代高等弁務官にキャラウェイ中将が就任する

歴史年表 ＞ 1963年3月：キャラウェイ高等弁務官が沖縄の自治は神話であると演説する