「まず島産 郷土を興す合言葉」~ 島産品愛用運動
『島産品愛用運動週間関係』琉球政府経済局商工課(R00066454B)
通商産業局「商工業に関する書類」から、1962年の島産品愛用運動を紹介します。
琉球政府は「琉球経済の自立と生産意欲の向上」のため、1954年から島産品愛用運動を始めます。現在でも、「県産品奨励月間」として同様の取り組みが行われていますが、ここでは『島産品愛用運動週間関係』(R00066454B)から、第9回島産品愛用運動週間に関する文書を紹介します。 |
「島産に売り手買い手の良き理解」
第9回島産品愛用運動週間は、1962年10月18日から31日まで実施されました。
この運動を周知するため、琉球政府は沖縄タイムスと琉球新報に広告を掲載して、ポスターと標語を募集しました。審査の結果、ポスターの部では応募総数29点のなかから5点が、標語の部では442点のなかから8点が入選しました。選ばれたポスターや標語は、関係機関はもちろんのこと、小・中・高校にも配布されました。
運動週間の日程表には、「各学校における意識高揚の講話」、「生産工場の公開」、「主席ラジオ放送」、「映画幕合におけるスライド宣伝」、「展示即売会一般公開」、「街頭宣伝パレード」など、2週間分の予定が書かれています。 |
琉球政府が作成した「島産品愛用運動週間をかえりみて」という原稿に記された、入賞した島産品の数々です。いまでも親しまれている商品もあります。
デザイン賞 | 優良賞 |
1. 三洋釦工業所の貝細工(コンパクト)
2.株式会社紅房の漆器(重箱) 3.合名会社沖縄制帽のアダンバ帽子 4.小橋川製陶所の陶器(水盤) 5.アメリカン・ラッグカンパニーのジュウタン 6.(八重山)崎山製菓所のパイン・黒糖羊かんの意匠 |
1.オリオンビール株式会社のオリオンビール
2.国場ベニヤ株式会社のベニヤ板(台湾桧張柾板) 3.米須アルミニウム工業所のアルミ製品 4.佐川印刷所のシール 5.沖縄高分子株式会社のプラスチックボート 6.宮古農林高等学校の加工食品(ベーコン・その他) |
最後に街頭宣伝パレードの様子を紹介します。
楽隊車両、放送車などのほか、工業連合会・商工会議所・各業者の車両が、那覇市と中部地区をパレードしました。赤マルソウ味噌醤油、オキコ株式会社、琉球酒造組合連合会など、20の企業が参加しています。 |
現在でも県産品に対する県民の関心が高いのは、このような運動のおかげかもしれません。
【関連資料】沖縄県公文書館 > 資料検索 > 映像> 「TVウィークリー 第11回島産品愛用運動展示」