沖縄に国旗を送る運動~一戸一本で20万本

『沖縄に国旗を送る会関係資料』(0000096073)

 

吉田嗣延文書「南方同胞援護会_対米折衝関係資料」から、沖縄に国旗を送る運動に関する文書を紹介します。

 

沖縄に国旗を送る会関係資料』(0000096073)には、1958年7月1日付の「沖縄に国旗を送る会発起人会」の文書があります。

運動要綱(案)には、「平和条約の規定によつて日本は沖縄に潜在主権を認められているにすぎないが、沖縄は、明かに古来より日本領土であり、又沖縄県民は沖縄の日本復帰を心から希望している」とあります。

そして、「沖縄において日本国旗を自由に掲揚したいとの熱望が、最近とみに高まり来つたのは当然の動き」としたうえで、「われわれはこの熱望に応え、同時に沖縄が日本領土であることの自覚を一層高揚するために、沖縄の日本復帰運動の一環として沖縄にある八十五万同胞に国旗を送る運動を全国民的に展開しようとするものである」と記されています。

「声明」には、「日本国民のシンボルである国旗を本年中に一戸一本を目標に二十万、沖縄に送ることを決定した」とあり、「この国旗が沖縄県民の国民的矜持を更に強めて祖国復帰運動の精神的中核となり、常に沖縄全土にひるがえることと期待するものである」と結ばれています。

 

なお、1958年当時の沖縄では、政治的意味を伴わない限りにおいて、個人の家や個人的集会で国旗を使用することはできたものの、琉球政府庁舎や学校といった公共の場所での掲揚は認められていませんでした。

その後、1962年からは、祝祭日や正月に限って、公共建築でも国旗を掲揚することが認められ、さらに1970年からは、自由に掲揚できるようになりました。

 

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