南西航空の増便を~離島の往来は海路から空路へ

通産局海運課の「要請・陳情等に関する書類」から、南西航空の増便を要請する文書を紹介します。

航空事業関係 1966年以降』(R00069581B)のなかに、「南西航空の増便要請について」という陳情書があります。

先島市町村会による1967年6月17日付のこの陳情書は、来る7月1日に就航する南西航空の運航計画に苦言を呈し、その増便を訴えるものです。

まず、「旅客の往来は海路から空路へと大きく移行し、航空機はいまや一般大衆に欠くべからざる交通手段」と、航空路の重要性が指摘されます。

そのうえで、「近年の旅客の激増」によって、現行のエア・アメリカ航空は「乗れない航空機」となっており、「いつでも乗れる航空機」として南西航空の早期就航を求めてきたことが記されます。

 

しかし、発表された南西航空の運航スケジュールは、エア・アメリカと比べて「旅客輸送人員は60余人の減」となっていたことから、「旅客輸送力の増強のための増便」を強く求めています。

 

別表では、エア・アメリカの1週間の輸送人員が1,350人であるのに対し、南西航空は920人で、「430人少なく、一日平均61人の減となる」ことが示されています。

 

航空機の需要が急増するなか、先島諸島では「いつでも乗れる航空機」として南西航空の就航に大きな期待を寄せていたこと、それゆえに、運航スケジュールや輸送人員が少ないことへの失望も大きかったことが伝わってくる文書です。

なお、宮古・石垣の青年会議所や平良市議会からも、同様の趣旨の陳情書が出されています。

 

 

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