軍用土地等見舞金に10億円~日本政府の1956年度補正予算

『軍用地問題関係資料 軍用土地等見舞金処理委員会関係』(0000095053)

 

吉田嗣延文書「南方同胞援護会_対米折衝関係資料」から、軍用地所有者への見舞金に関する文書を紹介します。

 

『軍用地問題関係資料 軍用土地等見舞金処理委員会関係』(0000095053)に含まれている「沖縄関係特別措置費の支出について」は、日本政府の1956年度補正予算のなかの沖縄関係特別措置費をめぐる文書です。

 

沖縄関係特別措置費11億円のうち、「十億円は対日平和条約発効前における沖縄の米軍による土地等の接収等に基き損失を蒙つた者に対する見舞金」として支出するとあります。

 

また、同簿冊の「軍用土地等見舞金処理要綱」には、具体的な事務手続きについて、沖縄市町村長会長は、見舞金の受給該当者による申請書、委任状、市町村長による証明書を添えて、琉球政府の確認を経たうえで、南方同胞援護会会長を通じて内閣総理大臣に進達すること、などと記されています。

 

1956年夏の沖縄における軍用地問題に対する広範な反対運動は「島ぐるみ闘争」と呼ばれますが、その年の日本政府の補正予算において、10億円という巨費が軍用地問題への対応にあてられたことがわかります。

 

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