沖縄県公文書館 復帰50周年企画展

軍用地政策の変遷

§3-1

布令91号 ~ 頓挫した契約

1952年4月28日、講和条約の発効によって、日本は独立を回復しますが、同条約第3条によって、沖縄は引き続き米国統治下に留め置かれます。戦時から平時への移行にともない、米軍が沖縄の土地を使用するためには法的な根拠が必要となりました。

同年11月1日、米国民政府(USCAR)は布令第91号「契約権」を公布(施行は8月1日)し、米軍による土地や財産の占有を有効とします。同布令では、琉球政府が軍用地の所有者と交渉して賃貸借契約を結び、その土地を琉球政府から米国政府へ転貸すること、軍用地の使用料は米国政府の資金でまかないますが、所有者へは琉球政府を通じて支払うこととしていました。

しかし、契約期間が20年と長期にわたること、使用料が非常に低廉であったことから、布令91号にもとづいて契約を結んだ軍用地の所有者は、ごくわずかでした。

195241日 USCARの布告によって、住民側の自治機構である琉球政府が設立された。琉球大学での琉球政府創立式典 1952622日 瑞慶覧地区に新設される写真部ビルのための整地工事。陸軍施設の建設はすべて工兵隊の管理下で行われる

 

布令91号(賃貸借契約書)

資料⑩ 土地賃貸借契約書 那覇市リスト 042

布令91号にもとづく土地賃貸借契約書が綴られた簿冊。

作成:軍用地関係事務所業務課、1953

資料コード:R00049164B

「土地賃貸借契約書」

布令91号にもとづく土地賃貸借契約書。第二条には、琉球政府がこの土地を米国に転貸することを賃借人は承諾すること、第三条には、賃貸借の存続期間が195071日から20年間であることが記されている。

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