戦後初期会議録

組織名
沖縄群島議会
開催日
1951年01月18日 
(昭和26年)
会議名
第4回沖縄群島議会(臨時会) 1951年1月18日
議事録
第四回沖縄群島議会(臨時会)会議録

一九五一年一月十八日(木曜日)
午前十時
◎議長(知花高直君) 開会致します。
 出席十八名、欠席二名であります。
◎議長(知花高直君) 知事から議長宛公文が参って居りますので書記長をして朗読致させます。
  (書記長「新垣良正君」朗読)

沖総第五三号
 一九五一年一月十八日
   沖縄群島知事 平良 辰雄
沖縄群島議会議長 知花高直殿
  第四回群島議会提出議案について
第四回沖縄群島議会(臨時会)において議会の議決を得たく別紙の通り議案を送付致します。
  (別紙省略す)

○議長(知花高直君) 書記をして議案の配付を致させます。
  (書記議案配付)

◎議長(知花高直君) それでは本日の議事日程を報告致します。
  議事日程第二号
 第一、今期議会の会期を定めるの件
 第二、今期議会の会議録署名人選挙
 第三、沖縄群島政府職員定数条例改正について
   (知事提出議案第七号)

○本日の会議に付した事件
 日程第一、今期議会の会期を定めるの件
 日程第二、今期議会の会議録署名人選挙
 日程第三、沖縄群島政府職員定数条例改正について
   (知事提出議案第七号)

  午前十時十分開議
◎議長(知花高直君) これより本日の会議を開きます。

◎議長(知花高直君) 日程第一の今期議会の会期を定める件でありますが、御手元に配付致しました議案第七号だけの提案でありますので、これと照し合せて今期議会の会期を決定して戴きます。議案が極く簡単でありますので今期議会は今日一日間と決定したいのですが如何ですか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎仲里誠吉君 総合計画案は今までかなり詳しく審議されましたので此の議会でも比較的短時間に済むのでないかと思いますが、それにしても質問、それから質疑応答、当局の説明並びにそれに対する質疑応答だけでおよそ今日の午後四時迄はたっぷりかかるのぢゃないかと思います。
 ところがそれ以上にいろいろ質問したいこともありますし、中にはこれは主観的であるが、かなり重要であると思う事項も用意してありますので出来れば会期を二日として戴く様に希望します。
○議長(知花高直君) 今仲里議員から今期二日の動議が出ていますが御異議ありませんか。
◎宮城久栄君 会期と云うのは正式の会だけでありませうね。協議会は会期には入りませんね。それでは自立計画は協議会の形式でやったらいいでせう。会期は一日として自立経済は矢張り仲里議員の云うように協議会に移してそれで質問意見がつきなかったら翌日に延ばしてもよい。今期はあく迄も一日でよかろうと思います。
  (「賛成」と呼ぶ者あり)
◎議長(知花高直君) それでは今期議会の会期を本日一日間と決定することに御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎議長(知花高直君) 御異議なしと認めます。依って左様に決しました。

◎議長(知花高直君) 日程第二の今期議会の会議録署名人の選挙を致したいが如何に取計いませうか。
  (「議長指名」と呼ぶ者あり)
◎議長(知花高直君) それでは議長より指名することに御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎議長(知花高直君) 御異議なしと認めます。依って議長は平良議員と新里議員を指名致します。
 お二人にお願い致すことに御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎議長(知花高直君) 御異議なしと認めます。依って左様に決しました。

◎議長(知花高直君) 日程第三沖縄群島政府職員定数条例中改正条例案を議題と致します。
 書記長をして議案を朗読致させます。
  (書記長「新垣良正君」議案第七号朗読)

議案第七号
  沖縄群島政府職員定数条例改正について
沖縄群島政府職員定数条例の一部改正に関する条例を左記の通り制定したいので議決を得たく提案する。
 一九五一年一月十八日提出
   沖縄群島知事 平良 辰雄
    記
  沖縄群島政府職員定数条例中改正条例
沖縄群島政府職員定数条例中一部を左の通り改正する。
第一条中「六、三九三人」を「七、四九三人」に改める。
第三条中「六、〇四三人」を「七、一四三人」に改める。
   附 則
 この条例は公布の日から施行す。

○議長(知花高直君) 当局の御説明を御願い致します。
◎総務部長(幸地新蔵君) 本件は曩に定数条例をお願いしたのでありますがロスゲブ大佐から十一月十日付で知事宛通牒が参っております。それによりますというと沖縄群島政府職員は一九五〇年十一月一日から警察官一、一〇〇名を定員にすると明記した通牒があるのであります。従って又群島組織法によりまして新たに公安委員会が附設されましたので警察官の任免その他はすべて公安委員の手に於て行い、政府としましての定員、廨としての定員は条例の方には入らんものと思いまして先に定員条例を提案したがその後この一、一〇〇名も廨として定員に入れるという風に通牒が来ましたので茲に更めて訂正して定員の条例を提出した次第であります。どうか以上のことを御了承願いまして御審議を願いたいと存じます。
○議長(知花高直君) 質疑に入ります。
◎新里銀三君 予算面の関係はどうなっているか、それをお伺いしたいと思います。それからもう一つは群島組織法によりまして、我々住民に或る程度の自治を与える、軍政下でありながら或る程度の自治を与えられたものと思って知事の指示によりまして大体陣容を整えられているものと思いますが、強いて人員を軍の命令通りやらなければならないものであるか。出来るならば能率の如何によって増員したり、減員したりすることを知事に一任することを考えていないか。又知事はそれについて軍に折衝されたことがあるかどうかを伺いたい。
○知事(平良辰雄君) 今迄の警察官は一、五〇〇名になっておりますが、今度一、一〇〇名になったので相当縮減されております。これは半分は軍の負担であるということになりまして我々としては或る程度、もう少し縮小してもいいんぢゃないかという考ももっております。又時局から考えましても急にそういう風にすることはまだ早いだろうと考えまして軍の方で指示された通り、別にこれに対して、ああして貰いたい、こうして貰いたいという交渉も何もしていない。今一応はそれで行きたい、こう考えております。
○財政部長(宮里勝君) 予算は半額は軍負担、半額は民負担となっておりまして予算面は前議会で既に御承認を得ております。
◎宮城久栄君 職員の定数条例に関してでありますが、去る議会では本庁職員の定数、廨庁職員の定数を条例に現しましたが、群島組織法の八十条には廨庁職員の数は軍政府の認可を得て条例でこれを定める、本庁の定員は組織法に現れている、ここでは廨の職員定数を条例に現すというので法規に照らしてもそうだと思うのですが如何ですか。本庁職員定数は条例で現すべきものではない、この条例では政府本部の職員も廨の職員も定数を条例に織込んであるが如何なるものですか。
○行政課長(総務副部長カ)(稲嶺成珍君) 群島政府職員定数につきましては、第二十六条に群島職員の定数は条例で以てこれを定めるという風に規定されています。それから今の御質問の中に廨の定員については八十条によりまして軍政府の認可を得て条例で定めるということになっておりますので、条例としては本来ならば群島職員の定数条例と廨職員の定数条例の二本建になるべきだと思いますが、一つに纏めた方が二十六条の趣旨にも副うのぢゃないかと思いまして本庁職員、廨庁職員の定数を同一に定めた訳であります。
◎宮城久栄君 これは組織法が符合していないので非常に困るのだが、二十六条では只今番外の説明の通りであるが八十条では既に組織法で定数を定めている。これは組織法が一致しない点である。この点を明かにして貰いたいことを希望します。それからもう一つお尋ねしますのは、廨庁職員の定数は単に一括して先に六、〇四三名、今回は七、一四三名となっておりますが、これを厚生部の廨は何名、文教部の廨は何名、或は工務部の廨は何名という、部別に廨の定数を現すのが妥当ではないかと思うのですが、如何なものでせうか。
○行政課長(総務副部長カ)(稲嶺成珍君) 第二十六条には群島職員の定数は条例でこれを定めるとありまして、これは全般的な群島政府全体の職員数は条例で定めるということになっております。八十条には群島政府本庁職員の数だけいうております。二十六条によって条例をつくり、その中に本部の職員、廨庁の職員を織込むのが妥当ではないかと思って一つの条例で作っております。それから二番目の御質問の廨庁職員の数は廨庁別に作るべきではないかということであるが然し今回の人員整理によりまして急激に人員を減らしましたので実際上各廨の人員はどれだけが適当であるか、妥当であるか見当がつかなかったのであります。一応は大体の職務に対し知事の査定により整理しておりますが、更にもっと減らすべきでないか、重点的に職員の配置をやるべきでないかと思いますので一応はこれで区切っておいて更に内訳をしようと思っております。然し我々としては各廨の定数表は持っておりまして、例えば総務は免許一七、財政部は税務署七五、文教部は高等学校三九四、中等学校一、一四七、初等学校二、二七六という風になっております。厚生部は病院、薬品配給所、特別病院、保健所、屠場、沖縄厚生園という風に全部持っております。これは後で人事課の方から差上げようと思っております。本来ならば我々としては廨別にやるのが妥当だと思っておりますが更に諸般の事情を考慮して本当の廨庁職員数を決定して行こうと思います。
◎宮城久栄君 只今廨の定数を部別に表してもらいたいというのは予算には本部職員俸給、廨職員俸給という風に部□廨□がはっきり区分されていますから我々予算を審議するのに厚生部の廨の定員が何名、或は財政部の廨が何名ということがはっきり分らんと予算審議上支障を来たすと思いますから、これは急を要して一括して提案になったそうでありますが、機を見て各部別の廨の定数を表して貰いたい。予算とも関連しておりますからそれを希望します。
◎祖根宗春君 この定数改正条例は警察部が含んだのでこうなっているようですが、警察関係の本部と廨庁との人員の振分けを御説明願いたいと思います。
○行政課長(総務副部長カ)(稲嶺成珍君) 公安委員会の方は、即ち警察部であります。一、一〇〇名になっております。
 先に警察部に来ました軍からの書簡によって決めたのでありますが、警察本部が一四四名、那覇署一九四名、首里署七四名、与那原署六六名、糸満署八三名、前原署一二〇名、胡差署一五三名、石川署五九名、宜野座署三七名、名護署五三名、本部署七〇名、辺土名署三六名、大東一一名計一、一〇〇名になっております。
 而してこれは現在の状態でありますので或は公安委員会の重点配置による人事によって多少変るかも知れませんが現在は今申上げたような状態の人員配置になっております。
◎議長(知花高直君) 別に御質問はありませんか。御質問がないようでありますから討論に入ります。御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎議長(知花高直君) 御異議ないと認めまして第七号議案原案可決致します。
 本議会はこれで終了致します。
  (午前十時三十分議事終了)
           以 上

出席者は左の通り
 議員出席者氏名
  議 長   知花 高直君
  副議長   稲嶺 盛昌君
  議 員   仲村 栄春君
  〃     石原 昌淳君
  〃     普天間俊夫君
  〃     宮城 久栄君
  〃     平良 幸市君
  〃     玉城 泰一君
  〃     松本 恭典君
  〃     具志頭得助君
  〃     長浜 宗安君
  〃     山川 宗道君
  〃     祖根 宗春君
  〃     山城 興起君
  〃     新里 銀三君
  〃     野原 昌彦君
  〃     崎山 起松君
  〃     仲里 誠吉君
 政府側出席者官職氏名
  知   事 平良 辰雄君
  副 知 事 山城 篤男君
  経済部長  呉我 春信君
  厚生部長  宮城 普吉君
  工務部長  渡嘉敷真睦君
  総務部長  幸地 新蔵君
  事務局長(知事室事務局長カ) 宮城 寛雄君
  工務副部長 西銘 順治君
  経済副部長 知念忠太郎君
  財政部長  宮里  勝君
  財政副部長 久場 政彦君
  総務副部長 稲嶺 成珍君
  文教副部長 仲宗根政善君
  工業課長  山城 正幹君
  人事課長  比嘉 幸安君
  商務課長  石川 世秀君
  労務課長  比嘉 準栄君
  法務部長  知念 朝功君

一九五一年四月十三日
 沖縄群島議会議長
        知花 高直(印)
 八番議員   平良 幸市(印)
 十六番議員  新里 銀三(印)
上へ戻る