戦後初期会議録

組織名
沖縄民政府
開催日
1948年12月01日 
(昭和23年)
会議名
軍民連絡会議 1948年12月1日 目録詳細 画像を見る
議事録
軍民連絡会議〔日本在凍結資金・自由貿易・特別売店〕

  十二月一日(水)午前十時
  出 席 志喜屋知事、又吉部長、島袋官房長、比嘉局長(通)、富名腰課長。
  軍政府 マーテン中佐。
諮詢事項
 軍政府
  東京に行った要件。
  貿易庁設立の件(近日中許可なるだらう)。
  日本政府から此の費用を出すことを申請した。
  宮里氏(貿易庁長)の上京は暫く待たなければならない。
  当分は屋宜氏や玉得氏がやることになって居る(両氏共在京)。
 ◎日本に在る凍結資金を取って沖縄復興資材を送ることに申請したが、マック司令部でも日本の経済に関することであるとのことだが、同司令部で立案し、円貨の価値も見合はせ研究した上で返事をすると。
 ◎果してマック司令部が許可するや否やは判らない。
 ◎自由経済の指令に対し如何な感がするか。
 志喜屋知事
  一時は物価が上ると思って居たが案外平穏である。
 軍政府
  私も不安に思って居たが物価が上らなければよい。
  一般住民は良く了解して居るか。
 志喜屋知事
  了解して居る様です。
 軍政府
  軍労務・民政府職員には特別売店を設立するか、或は其賃金を自由にして職員も一般と同一にするか。
 志喜屋知事
  若し賃金の統制を廃するなら、輸入物資の数量を多くしなければならないと思ひますが。
  本島生産物の値段の50%を上げるなら増俸も相当上げねばならない。然うするには財政が困難である。暫定的に特別売店を設置されたい。
 軍政府
  九月の経済会議で俸給も三倍上げ得る。政府の収入もあるからとのことであったが。
  特別売店は技術的に難しいことである。
  軍で協議をして決定するが、結局は俸給を三倍に上げ輸入物資も財政収入を見込んで一般に値上げをやりたい。
 志喜屋知事
  研究してから回答します。
 軍政府
  グリーン大佐及私は特別売店を考へて居るが、技術面から見ると輸送関係もある。アクトン様(財政)の意見としては俸給者も一般並にやりたいと。
  其代り増俸させる。
  但軍労務者の賃金は今の通り釘付にして特別売店を持ちたい。軍労務者は団体で居るから技術的にもやりやすい。
 比嘉局長
  税務署が不完全のため徴税が困難であり、又職員も生活のため雇はれないで困って居る。軍で予め税金を取って民政府に補助されたい。
 軍政府
  イーグルス少将は軍労務者は特別売店を設置するが、民政府職員は増俸して一般並にしたいとの意見である。
  重要物資を提出することになって居るが如何なって居るか(先島・大島に輸出しない物資のこと)。
 島袋官房長
  沖縄では重要物資は成るべく少くしたい。沖縄から出るものは少いと思ふ。そして可成大島・先島から輸入したい考である。
 志喜屋知事
  補給部では一月35%配給するとのことであるが、一月から三、四月迄でが食糧難であるから、現在通り50%の配給を願ひます。
 軍政府
  私はやはり50%の配給と思って居るが。
 志喜屋知事
  自由経済になったが一般住民の賃金は如何なって居るか。
 軍政府
  輸入物資の価格及特別売店の設立までは当分民賃金も統制されて居る。
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