戦後初期会議録

組織名
沖縄諮詢会
開催日
1945年08月29日 
(昭和20年)
会議名
第1回沖縄諮詢委員会 1945年8月29日
議事録
第一回沖縄諮詢委員会 〔委員長、部長選出〕

一、日時 一九四五年八月廿九日
      自午後二時至午後五時
二、出席者 軍政府側 モードック中佐外六名
      委員側  志喜屋委員長外十四名
三、会議事項
 (1) 開会の挨拶
 志喜屋氏仮議長席に着き「諮詢大会に於て議長を勤めた関係から命により仮議長として議事に望む」旨挨拶しモードック中佐の挨拶を求む。
 モードック中佐立ちて本日の会議に於て委員長と幹事を互選し、更に専門部門を決定して各部長の互選迄終了する様挨拶し更に軍政府より設置を希望する部門は公衆衛生、法務、教育、社会事業、商工、農務、保安、労務、財務、逓信、水産の十一部門なるも委員会の意見によりては部門を増しても差支へなき旨説明せらる。
 (2) 委員長及び幹事の選挙
 議長 「ただ今より委員長選挙に移る」旨を宣しその方法を諮れば護得久氏発言を求め「委員長に志喜屋孝信氏を推したい。」旨を以て一同に賛意を求むれば賛成の声多し。
 議長 「護得久委員の動議に賛成の方は起立すべし。」と宣すれば満場起立す。志喜屋氏立ちて新沖縄建設のため最善を尽すべき旨を述べ一同に協力を求む、議長これから幹事の互選に移るべき旨を以て一同に諮れば、護得久氏立ちた幹事に松岡政保氏を推挙すれば之亦賛成の声多し。
 議長 「ただ今の動議に一人の異議もないものと認めますから、松岡政保氏に幹事をお願いすることに決定します。」と宣言す。
 (3) 部門の設置と部長の互選
 議長 「部門の設置については大いに研究の余地がありますから、休会をして各委員の意見を聴し、更に軍政府当局とも隔意なき接渉をして決定し、然る後、部長互選をなしたき旨を以て一同に諮れば一同賛成す。
 仍りて議長「休会」を宣し、休会中にモードック中佐より軍政府当局より設置を必要とする十一部門に就き要望事項の説明を拝聴し更に研究討議の結果
 政治機構の構成よりこれが指導監督上総務部を設け更に人心の安定を期し生活の更新と趣味の向上を図る必要上、文化部設置の急務なることを認め、軍政府当局より指示の十一部門に右総務部、文化部の二門を加えて十三部門を設くることに意見の一致を認め、モードック中佐より然るべく十三部門を設置する旨命ぜられたり、斯くて各部長互選の結果左の如し。
    総 務 部 長  又 吉 康 和
    公衆衛生部 長  大宜見 朝 計
    法 務 部 長  前上門   昇
    教 育 部 長  山 城 篤 男
    文 化 部 長  當 山 正 堅
    社会事業部 長  仲宗根 源 和
    商 工 部 長  安谷屋 正 量
    農 務 部 長  比 嘉 永 元
    保 安 部 長  仲 村 兼 信
    労 務 部 長  知 花 高 直
    財 務 部 長  護得久 朝 章
    逓 信 部 長  平 田 嗣 一
    水 産 部 長  糸 数 昌 保
 再会、以上和やかの間に十三部の設置決定と各部長の内選を終りしを以て、議長「再会」を宣し、部門の設置と部長互選について一同に諮れば當山委員発言を求め休会中に軍政府当局と委員一同との間に内定したる十三部門の設置を主張し更に各部長の氏名も内選の通りに指名して一同に賛意を求むれば賛成の声多し。
 議長「ただ今の発表の通り異議なきや」を問いしに満場異議なしと称う。議長これで部門の設置と部長の互選を終了せる旨宣す。
 (4) 部員の選定と書記の設置
 モードック中佐より各部員と書記の数に就いては各部門担任の軍部長と打合して決定しその人選の結果も軍部長に報告して出来るだけ早く会合の機会を作るようにすべき旨指示せられ更に各委員へ会見を求むる軍人ありたる時は受付書記に於て軍政治部よりの許可を得たる者なるやを確めて、許可ある者に限り会見すべきよう注意せられ更に各専門部員会のため石川市外より来りたる者は石川ホテルに宿泊せしむるよう語られたり。
四、閉会
 議長「本日の議事はこれで予定通り終了致しましたから、之を以て閉会致します。次回はモードック中佐殿よりの命により土曜の九時から致します。」と宣して閉会せり。
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