戦後初期会議録

組織名
琉球臨時中央政府立法院
開催日
1951年11月08日 
(昭和26年)
会議名
第1回立法院本会議 1951年11月8日
議事録
第一回立法院本会議会議録
        第六十六日目

 一九五一年十一月八日(木曜日)
 午後二時六分開議

議事日程
 一、琉球臨時中央政府主席室統計局設置法について(主席メッセージ第二十一号)
 二、統計法について(主席メッセージ第二十二号)
 三、改正民事訴訟用印紙法について
○議長(泉 有平君) これから本会議を開きます。
 御案内の日程に多少変更させていただきたいと思います。と申しますのは係官が見えておりませんので順序を変えさしていただきたいと思います。
 この間ちょっと御意見を聴きました例の改正民事訴訟用印紙法について旧法規との関係或はニミッツ布告との関係というようなことを一応明かにして貰いたいというような御意見がありましたので、その面につきまして上訴裁判所と打合せをした訳でありますが、その経過、結果を調査員に述べていただきましてからこの取扱についての審議に入って行きたいと、こう思っております。
○調査員(平良惠仁君) 民事訴訟用印紙法改正の立法方について上訴裁判所が政府の収入でもあるし、財政局との打合せも済んでいるかどうかということを向うの書記長の富山さんに問合せをした訳なんでありますが、これは正式な公文による取決めはまだやっていないそうであります。ところが、これについてはずっと以前から口頭の話合がありまして、事前に打合せは済んでいると申しております。あと一つは上訴裁判所から立法院に、立法要請といいますか、立法案を作成して発議して、これを立法として制定して貰いたいと来ておりますけれども、これが果して公法的な立法事項であるか、取り上げて立法院で立法すべき事項であるかということに対して、研究するようにいわれておりましたのですが、これについてはニミッツ布告と特別布告第三十八号及び民政府布告第三号、民政府指令第五号、この三つの連関によって研究致して参りました。この布告第三号と指令第五号によって、この立法院の規則制定権というものがどの範囲まで認められているかということによりまして、これが立法事項であるかどうかということを研究した訳であります。布告第三号によりますというと、第三条で「立法院は一般租税、関税、分担金、消費税の賦課徴収及び群島その他琉球列島内の行政団体に対する補助金、交付金を含む臨時中央政府の権限を行使する必要適切なすべての法規の制定権を有する」という風に規定されております。指令第五号の第二項によりますと、「立法院は一九五一年四月一日附民政府布告第三号「臨時中央政府の設立」第三条所定及び民政副長官が今後付与する臨時中央政府の権限を実施するために必要適切なすべての法規の制定権を有する」こういう二つの法規に拠って立法院の立法権の権限が限定されている訳であります。この結果と致しまして、今度上訴裁判所から要求して来た民事訴訟用印紙法の立法が、この二つに入るかどうかを研究した訳であります。それからもう一つの根拠と致しまして、この印紙法を提案する根拠となったのが特別布告第三十八号第五条によって提出されたという風な上訴裁判所の解釈を考察してみた訳でありますが、特別布告第三十八号に於きましては、各管轄区域の諸裁判所の判事は会同して合同会議を催して立法的裁可を必要としないところの裁判所の手続規程はこれを上訴裁判所に提出して、そしてその認可を経て効力を発生し施行する、というようになっておりますし、立法的裁可を必要とする手続規程に関しての立法行為を勧告する場合には軍政長官--布告第三十八号は一九五〇年七月三十一日附でありまして、軍政長官と申しますのは、今の軍政副長官と解釈される訳であります。--に直接提出するというようになっておりまして、直ちに立法院に提出出来るような規定にはなっていないのであります。これから致しまして立法要請を軍政長官に出しまして、それから布告で出すか、指令で出すか、或は又メッセージとして立法院に来るか、の二つの方法があるのじゃないかと考えます。民政府指令第五号による権能にも「民政副長官が今後付与する臨時中央政府の権限を実施するに必要適切なすべての法規の制定権を有する」と時宜によって民政副長官から与えられるところの権限に基いて制定するという風になっておりますし、それが時宜による権限の付与がメッセージとして来るものと考えますと、メッセージが来てから当然立法院としては立法に着手すべきではないかと考えている訳であります。
○議長(泉 有平君) 今の交渉経過、考察経過について御説明がありましたが、それについて御質問がありましたら…。
○松田賀哲君 今の平良調査員のお話は至極要領を掴み難いのですが、もう一ぺんこっちからどういう質問をした、それに対してどう答えたと、それを簡単にいって貰えませんか。
○調査員(平良惠仁君) 上訴裁判所に行っての質問なり或は聴いたことなりについての話でありますか。
○大濱國浩君 案を作って提出するまでに軍とどういう交渉をしてそれが出て来たかということです。向うの方としても口頭でいわれたのであって正式な公文による文書は手交しておらんというているのだから…。
○松田賀哲君 それはそうですが、つまり我々としてもこれは簡単には取扱えんという話であったのでせう。それで向うにきいて貰いたいと希望した訳ですが、それに対する返事は、向うもはっきりしないというのですか。
○大濱國浩君 口頭で軍から話があっただけであって正式な文書による交渉はしていないというのですか。
○調査員(平良惠仁君) その点については電話で打合せたのではっきりはしておりません。
○松田賀哲君 そうすると向うも確たる根拠に立ってこの文書を提出した訳じゃないのだから、我々としても相手にしなくていい訳ですね。
○調査員(平良惠仁君) 特別布告第三十八号第五条第二項によって立法的事項であるところの訴訟手続、これは立法の勧告をすることが出来る、それを根拠としてやった訳です。ここに参りました公文の中にはそれが書いてある訳です。
○冨名腰尚武君 立法的裁可を必要とする場合は立法行為を勧告することが出来る、その勧告は立法のために軍政長官に差出される。だから中央政府の場合は主席を通して副長官に出さなければいかんのでせう。立法してよろしいということであってはじめて主席のメッセージとして出なければいかんでせうね。
○議長(泉 有平君) 我々は結局副長官の方から、よかろうということになれば、この問題についての審議は考えられる。要するに今のところ諒解事項として一応受取って、本当の取扱は結局副長官から来なければ取上げることは穏当を欠くのじゃないかという見方でいいんじゃないかと思う。
○松田賀哲君 それより向うの根拠となっているのは立法を勧告することが出来るという抽象的な文句でせう。それは財政局長だって誰だって出来ますよ。その程度に過ぎない訳ですから、これを預って行くという段階にもいかんだろうと思う。
○議長(泉 有平君) 預っていていいと思うのですが。
○松田賀哲君 これを預るとなると、もう立法院に廻しているからという観念になります。軍からあれはどうなったかといったら、立法院に廻してあるがまだやっていないということになりますよ。
○冨名腰尚武君 何かの裁可があるまでにぼつぼつ目を通しておいて下さいという程度の軽い気持での向うから参考として送付された参考書類という程度ならばいいのですが、それによって裁判所が立法手続の第一歩を踏み出したという考えなら、これは手続が違うからといって返した方がよいと思う。
○議長(泉 有平君) この文章からは如何にも向う側の手続は完了したという風に解釈される文章である。だから今いったように副長官から主席を通じて来るということは全然考えていない。その意味に於て一応は返した方がいいという説が出ているのですが、今いった意味を含めて一応これはお返ししませう。
○與儀達敏君 もう一つ旧法の改正でありますので、これはニミッツ布告で、こういった場合には布告で改正しなければならない。新しい立法は布告第三号でも出来ますが、旧法の改正というものは布告で以て改正しなければいかんと思う。立法院の権限外じゃないかと思う。その点が今の裁判所の立脚する第三十八号の第五条それにもない訳です。新しく臨時中央政府に与えられた権限の範囲内ならいいのですが、旧法の改正というものが、布告でなければ出来ない。この建前が現在たてられている方針じゃないかと思うのですが、それが一つでありますが、若しこれが歳入面から現実に必要な立法であるならば新しく旧法を離れて新しくやる、改正という形をとらずに出来るのじゃないかと思います。メッセージも出ていないし、第三十八号の第五条によっての勧告ならば副長官の立法してよろしいというサインを貰って、そして主席のメッセージを出していただきたい。そういうのがないのですから、これはお返しした方がよいと思う。
○調査員(平良惠仁君) 與儀参議がおっしゃった旧法を改正するためには布告でなければいけないというものに対しては非常に説が多いのであります。これはニミッツ布告と今の特別布告第三十八号との関連に於て考察されなければならないと考えますが、ニミッツ布告の第四条に「本官の職権行使上その他必要を生ぜざる限り居住民の風習並に財産権を尊重し現行法規の施行を持続する」という風に規定されております。それで当時に於て、現在日本の法規が施行されておりました当時、これを廃止して新しい法規によって占領下の沖縄を統治するかどうかということは当時大きな問題じゃなかったかと考えられます。その時にニミッツ布告が出まして、こういう方針だということが示され、この第四条というものが出されたと解釈されます。これは布告第三十八号第五条の一と関連いたしますけれども「軍政府布告、命令、指令又はここに定める手続法により廃止、代替又は修正されたものを除く、アメリカ琉球占領の当時施行の日本民事及び刑事訴訟法が琉球の諸地域に於て効力を保持する」これで修正されたり、代替されたり、廃止されたりしない。現行の日本法規はそのまま効力を持続すると謳われている訳ですが、而も効力を持続するということは、これに対して修正したりする場合に於て必ずしも布告でなければならないという解釈は出て来ないと思います。占領目的に対してその修正が支障を来すとかいうような場合は勿論布告なり指令なりで変更されることはあっても、これで以て布告に拠らねばならないという解釈は出て来ないと解釈される訳です。
○與儀達敏君 旧日本法を実施する而も占領目的に反しない限り実施するということは布告でやっておりますから、その布告を立法院の立法で改正することが出来るかどうかですよ。布告、所謂日本法規の改正が布告で出ておりますから、その布告に対して立法院の立法で修正出来るか疑問ですよ。
○議長(泉 有平君) 旧日本法はニミッツ布告によって持続するということは結局布告によって保障されたということになる。その保障された法が立法院の立法によって改正出来るかということですね。
○調査員(平良惠仁君) それについては現在施行することによって生きているのでそれが果して持続することによって運営されているかといえば、必ずしも法規の殆が法的効力で現在運営されているという訳にはいかない訳でありまして、その時手当り次第にここにこういう法規があったと突然採用されたり、適用されたりするということになり、所謂琉球の現在までの法規を体系づけ或は秩序づけるということにも馴れていない訳であります。それで思いつきでこういう法規に照らしてやっているのだ。これはニミッツ布告によって効力を持続しているが故に、これでやるのだという法規があり、一方現在廃止ではないが廃止の状態として全然施行していない法が沢山ある訳でありまして、ニミッツ布告などにいう施行の持続や効力の保持ということについては、かかる観点からも亦解釈されなければならないと考えられる訳であります。斯様に法体系が混乱致しまして税法の問題にしても滞納処分というような、体系が立っていない昔のままの法規をそのまま放ったらかしている。それに類似したことが相当あるのではないかと考えられます。ニミッツ布告によって施行を持続し効力を有するとはいうもののその後の琉球に於ける行政機構及び法制には大きな変動が生じて来ているのです。そのためには廃止するか、或は全然これは施行しないとか、効力の停止とか、或は廃止とか、修正とかというようなものは自発的に沖縄の議会或はそういうような機関によって整理されねばならなかった訳でありますが、それがそのままになって来たというところに混乱が生じていると思う。
○與儀達敏君 群島政府或は立法院が改正する権限があるかどうかの問題です。
○議長(泉 有平君) 色々の御意見からこういう点が予測されますが、ニミッツ布告によって謳われた日本法の改正というものは近き将来相当出て来ると思います。それの魁でありますので、はっきりした解釈によって前例を作るという行き方が将来の混乱を避ける上からもよいと思いますので、一応この問題は先に松田参議からもお話がありましたように副長官から出して、向うでの解釈の結果としてニミッツ布告によって裏付けられたようなものの改正も、当然立法院がやるんだという解釈でもあってメッセージを伴うような形に出て来た場合には、はっきりした見解を下されたと見てやるべきものと思いますので、この問題は、手続に附随して解決されるだろうと思います。従って立法院としては矢張り主席のメッセージを伴って受けたいということで、その旨不採択にして上訴裁の方に一応お返しするという風な処置をとりたいと思います。どんなもんですか。
  (「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(泉 有平君) じゃその問題はそういう風にしていただきます。
 次は日程を変更いたしまして統計法並に統計局の設置法に関するメッセージが出ておりますので、それを次の議題に致したいと思います。先ず主席からのメッセージを朗読致させます。
  (事務局長比嘉良男君「主席メッセージ第二十一号、同第二十二号」朗読)
○議長(泉 有平君) この両メッセージに関する法案でありますが、両法案の立法措置というようなことを取上げたいと思います。別に御異議ございませんですね。
○松田賀哲君 今統計法と統計局設置法と二つ出ておりますが、この番号は統計局設置法の方が先になっておりますが、大体法が出てから設置法は出ると思うのですが、その辺どうでせうかね。
○議長(泉 有平君) 私も同様の感じを持っております。
○冨名腰尚武君 それは今事務局から誰か呼んで簡単につけたのか、或は考えた上でつけたのか、そこのところをはっきりさした方がいいんじゃないのですか。
○議長(泉 有平君) 暫時休憩致します。
  (午後二時四十分休憩)
  (午後二時四十六分再開)
  (主席事務局長嶺一郎君出席)
○議長(泉 有平君) 再開致します。
 今日出ましたメッセージ第二十一号の主席室統計局設置法、第二十二号の統計法の制定という二つのメッセージの番号の問題ですが、主席室から出たものに対しては、その番号の付け方についてですね、設置法の方を第二十一号にし、統計法を第二十二号にするというその番号の付け方について何か考えられた点があって、こう付けられたのか、順序としてこうあるべきものだという考の下にこの番号を打たれたのか、その点について…。
○主席事務局(長嶺一郎君) 別にどうという理由があってつけた訳ではありません。
○議長(泉 有平君) 質問の起ったのはですね、こういう解釈を一応取られないものかというようなことで、御説明を願うことにした訳ですが、統計法が出来てその法を運営する機関として統計局が出来る。そうすると番号はむしろ反対でなければ成らないというのが普通の解釈ではなかろうかと考えている訳ですが、その点どういう工合にお考えですか。
○主席事務局(長嶺一郎君) 番号はどっちが先になっても結局は実施の問題になって来るのじゃないかと思います。統計法だけ出来ましてもその機構がなければ実施出来ませんし、局だけ出来たところで統計法がなければ運営は出来ませんし、その実施の期日を同じようにするように、そこのところは技術的な取扱の問題になって来ると思います。
○冨名腰尚武君 僕らの不審に思うのはね、統計法と局の設置法の先後優先の問題だけれども、統計法を先に考えて、その統計法の実施運営に必要な局を作るという場合にはその結果に基いてそれに合致するような局の設置法を考えなければいかん、逆に局の設置を先にした場合には、将来あらゆる起り得べき事務に対してそれが出来るような局を考える。この統計局がこの統計法を実施する点を考えて、実施出来なければその統計法を変えて行かなければならない。そこに僕らの審議上は大きな差が出て来る訳ですが、その際主席事務局としては、どれを先にやってもらいたいかということを知りたい訳ですが、単純に番号を打ったというが、第二十一号の統計局設置法から先にすると場合によっては統計法が左右されるかも知れない。どっちの方が主席事務局としては望むところであるか、相関連したものであるけれども後になるものは、前に審議されたものに規制されるだろうと思う。両方一緒に審議する訳にはいかんし、別々に審議するのだから…。
○松田賀哲君 今の冨名腰参議の御意見の通りですが、これは常識的に考えてもそれが当り前だと思う。
○議長(泉 有平君) この立案については、今のような理念を織込まれてそれぞれ統計法が立案され、或は設置法を立案されたと思いますが、今の冨名腰参議の御意見--後先になることによって、後になるものが規制される--これに対して案に織込まれた理念は…。
○仮行政主席室統計局長(糸數正雄君) 現在布告第四十四号によって裏打ちはされているのですが、既に統計局が、仮行政主席室統計局として現存している訳ですが、その暫定的な機構を中央政府に正式に移して、統計局が技術的に参考案として局の機構が設立されてから統計法案を作るのが普通の方法じゃないかなと思っておりますが。
○議長(泉 有平君) そういう方針で立案された訳ですね。局を作ってその運営をする拠りどころとしてここに出ている統計法を立案するというのですね。結局設置法を優先するということになるのですね。
○仮行政主席室統計局長(糸數正雄君) 設置法を第二十一号に統計法が第二十二号でいいと思います。
○松田賀哲君 今局長さんのお話によると先ず統計局は設置してからどういう仕事をやるかということを決めるのは後の問題である、それならば例えば財政局を設置して財政局の事務細則、事務分掌、これがこの統計法に当ると思うのですが、そうなればこの統計法は要らんのじゃないかと思います。法律として出すほどのことはないと思います。
○議長(泉 有平君) 今の松田参議の御意見に対して局長はどういう解釈を持っておられますか。
○仮行政主席室統計局長(糸數正雄君) 布令第四十四号の第一条の第一項に統計組織の集中化の方向を目指して確立完成及びその実施の任に当る統計局の設置を規定する適当なる統計法を考慮可決し得るまで、この布令第四十四号は有効である。そうすると統計局が先に設置されても統計法が立法院をパスするまでは布令第四十四号は生きる訳なんです。
○松田賀哲君 そうすればいよいよ統計法は出すべきものじゃないのですよ。
○冨名腰尚武君 これからすれば寧ろ統計法が先じゃないのですか。統計法の中に統計局の設置法も入っている。だから我々は統計局の設置法は「統計法の規定によりここに何々統計局を設置する」というだけで結構じゃないのですか。要するに布令第四十四号に代るべき立法が必要になって来る訳ですね。
○仮行政主席室統計局長(糸數正雄君) 布令第四十四号自体が仮統計局の設置と統計法をごっちゃにしているのです。
○冨名腰尚武君 布令第四十四号は立法院が「統計組織の集中化の方向を目指して確立完成及びその実施の任に当る統計局の設置を規定する適当なる統計法を考慮可決し得るまで」とありますから、立法院としては寧ろ統計法を考慮しなければならない。然もその統計法は同時に統計局の設置規定まで含まれた統計規定である、こういうことになりますね。
○仮行政主席室統計局長(糸數正雄君) 自分が考えるのは実質的に仮統計局が新しい設置条例でその「仮」という言葉がとれて恒久的な局になってもですね、軍布令第四十四号はそのバックボーンになり得る訳です。その次に統計法がパスすれば死にますが…。
○冨名腰尚武君 質問の趣旨はそれではなくて、布令第四十四号の第一項の解釈ですよ。統計局の設置を規定する適切なる統計法というのはどういう訳かというのですよ。統計法なるものには当然設置法も含まれたものと見なければいかんでせう。
○仮行政主席室統計局長(糸數正雄君) 法文としては別個になる訳です。
○冨名腰尚武君 別個にしたいというのですね。その点については軍との諒解も済んでおりますか、別々にやるという。
○仮行政主席室統計局長(糸數正雄君) はい。
○松田賀哲君 これによると統計法が出来れば当然解消になるのですね、布令第四十四号は。ところが統計法さえ出さなければ今までの状態がずっと続く訳でせう。
○仮行政主席室統計局長(糸數正雄君) だから中央政府の局が布令でコントロールされ得るかなと思うのですが、私も布令自体については説明する位置にない訳ですが…。
○松田賀哲君 それは布告、布令が上じゃないかな。
○仮行政主席室統計局長(糸數正雄君) 自分が聴いたところでは、統計法がパスすれば、当然布令第四十四号が消滅すると説明しておりますが、それ以上は追求しておりません。
○松田賀哲君 それは消滅しますよ。布令自身が謳っているから。
○冨名腰尚武君 統計法を立法院が可決すれば同時に無効になる訳です。別に声明しなくても、これははっきりしている訳ですが、然し統計局を設置したってこの布令はなくならないのです。
○松田賀哲君 それは先、事務局の方がはじめに御答えになった通り別にこの番号については深く考えなかったという御返事を採用して番号をなおしてもらったらどうですか。
○議長(泉 有平君) 今までどっちが優先するかというような問題について、色々意見を闘わして見ますと、矢張り統計法を先にして、そしてそれの運営機関として、執行機関としての統計局の設置法を後にするというようなのが納得の出来る行き方のように考えますので、従って事務局で打たれた番号は統計法を第二十一号にし、設置法を第二十二号にするという風にして変更して貰ったら取扱上非常に都合がいいように考えますが、その点どうですか。
○行政主席事務局(長嶺一郎君) 逆にした場合、実施の期日だけは少くとも同じ日にしていただかなければ、統計法が先に成立した場合には布令第四十四号は消滅する訳ですから、そうなった場合に次の設置法の施行の期日迄の間は統計局というものはなくなる訳です。その点さえ手続の点で注意していただければ番号の入替は別に差支えないと思います。
○冨名腰尚武君 こっちとしては当然考慮しますよ。
○議長(泉 有平君) ではそういう風に訂正しますか。
○仮行政主席室統計局長(糸數正雄君) その点を考慮していただければ別に番号には拘わらない。
○冨名腰尚武君 それとも別に先に統計局設置法を一日も速に通過させてくれという積極的な意図がないから番号の変更はしないで、ただこっちの取上げる順序は院で勝手にやってはいけないのですかね。
○與儀達敏君 番号にこだわらんでいいでせう。
○議長(泉 有平君) 特別の要望がなかったから院としての考でやっていいと思います。
○吉元榮光君 手続を関連づけるという点から直した方がいいと思う。
○大濱國浩君 文教局でも権限というものを付与して局が設置されたのでせう。この統計法も統計局の権限に相当するものと解釈されると思います。
○議長(泉 有平君) 変更があなたの一存で出来なかったら主席にお話をして、その変更の諒解を求めたらどうですか。
○仮行政主席室統計局長(糸數正雄君) そういう諒解があればいいでせう。同一日附けで実施するということにして。
○議長(泉 有平君) 統計法について主席からの返事をいただいてから審議に入ることにして、本日はこれで散会いたします。
  (午後三時九分散会)

  出席者
   議 長  泉  有平君
   参 議  松田 賀哲君
    〃   與儀 達敏君
    〃   冨名腰尚武君
    〃   大濱 國浩君
    〃   吉元 榮光君
    〃   田畑 守雄君
仮行政主席室統計局長
        糸數 正雄君
行政主席事務局
        長嶺 一郎君
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