戦後初期会議録

組織名
八重山郡会
開催日
1947年02月20日 
(昭和22年)
会議名
昭和22年2月20日八重山郡会
議事録
昭和二十二年二月二十日八重山郡会会議録

諮問案第一号
 ハイスクール設置ノ件
 ハイスクール設立ニ関シ軍政官ノ認可アリタルニ依リ八重山ハイスクールヲ設立スルモノトス
  昭和二十二年二月二十日提出
 八重山仮支庁長
諮問案第二号
 八重山公立中学校女学校廃止ノ件
 八重山ハイスクール設立ニ伴ヒ八重山公立中学校並八重山高等女学校ハ之ヲ廃止スルモノトス
  昭和二十二年二月二十日提出
 八重山仮支庁長
諮問案第三号
 八重山仮支庁一・二・三・四・五・六月予算ノ件
 昭和二十二年度八重山仮支庁一・二・三・四・五・六月予算認可ノ為別冊ノ通リ軍政官へ提出スルモノトス
  昭和二十二年二月二十日提出
 八重山仮支庁長

  八重山郡会会議録
 昭和二十二年二月二十日午後二時支庁会議室に於いて
 出席議員
  喜舎場永珣  宮良 長義
  上間 貞俊  成底眞嘉良
  山城 興常  大山 眞整
 欠席議員
  松田 長茂  宮城 信範
  幾乃  伸

  開会二月二十日午後二時
◎支庁長 今回郡会を招集しましたのは本郡で最も重要であり緊急を要する事件に付き郡会に諮問の必要があると思ひ招集したのであります。郡会議員の定員は将来十八名の認可を受けて居ますが未だ任命になって居ませんから従来の通りであります。
 与那国村長は遠隔の地で船の都合電報で欠席を届出て居り幾乃議員は旅行中、吉野は辞任であります。
 本郡会の案は第一、第二、第三案であります。その中予算関係でありますが昨年十二月末に至急に一月から六月迄の予算を提出する事でありましたが、一月に又一月から三月までの予算提出と云ふ事で提出しましたが更に行政費は自分持ちと云ふことになり電報で知らして来たので更につくり変へて提出したのであります。
 四、五、六月の予算は十七日午後七時に電報が来てすぐ提出せとの全く日数のない様な有様であったから昨夜までかかってつくった次第であります。短時日で予算をつくって出さなければならないのでその点御了承を願ひます。
 本予算は今日船があればその船で送ると云ふ様なことであり又二十日頃軍政官が来るから提出せなければならないので僅かな時間のことでありますが以上の事を御考へ下さって立派に本会の目的を達して下さる様お願ひします。
 以上開会に当り挨拶と致します。
◎議長 支庁機構が変り機構早見表に郡会は(早見表を読む)となり諮問機関となって居ます。諮問機関であっても行政は本会の持ち方に依るのでないかと思ひます。又総務部長の所には(早見表を読む)総務部長が議長となりとあります。それで総務部長が本会を進めて行きたいと思ひます。
◎山城議員 希望、本会の記録を取るようにしているかどうか。
◎議長 記録は取る様にしている。尚軍政府に報告致します。
  (総務課長諮問案第一号、第二号、第三号を読む。)
○議長 会の持ち方は座談会の様なゆっくりした気持で進めて貰ひたいと思ひますが意見を述べるときは議長に申出許可を得て下さい。
◎宮良(長義)議員 本予算は船が出ればすぐその船からでも送るとの事であるが訂正する所があったら訂正して出す積りか又はどうしてもこのままで出す積りか。
◎議長 皆さんの総意によりどうしても訂正しなければならないとなれば訂正して提出しても良いと思ふ。又しなくても予算の運用技術の面でもその点は考へられると思ふ。では第一案から進めて行きます。
◎教育厚生部長 ハイスクール設立に関しては昨年ラブレス氏からハイスクールを設立し男女共学にしたが良いだらうとの話合がありました。昨年十二月に軍政府よりハイスクールの設立権を有すると云ふ知らせが支庁に入りました。
 ハイスクール設立するなら現在の中学校、女学校は認められない。ハイスクールを現在の中学校女学校とすれば二〇〇名の同種の二つのハイスクールが出来ると云ふことになる。それを一つのハイスクールにすれば、教育上より学校経営上より経費上より能率的であり効果的である。
 学校経営面に於いて同一校長の方針により同一の教官により訓育教授され、教育の機会均等を得ることが出来る。それと共に教員組織がよくなる。又職員の教授の研究に都合が良く実験・実習・教具其他学校の内容を充実させる為にも都合が良い。更に人件費についても一校とすれば一ヶ月二、三三〇円の節約が出来一年二七、九六〇円の節約が出来る。又経費の面にも節約がなり、物品面からも七割五分節約されるのである。以上の見地より同種の学校を二つおくよりは一つにした方が良い。一つにして都合が悪いと云ふ点は現在東西の校舎使用の事で教授の職員が行ったり来たりする煩雑があるが、それは時間割の都合で煩雑を防ぐ事が出来る。
 実際の面に於いては東にも男女、西にも男女の学校をなすと云ふことである。
◎山城議員 従来五〇名だったのをこれからは一〇〇名になるのか。
○議長 否、五〇名。同種の学校を二つおくことよりは今部長からも説明あった様に一つおくことが最も良い。又男女共学は命によりなすのである。
○議長 同種の学校を一つとするのですが、現在校舎が二つあるがそれを一校一校舎にするとすれば、今中学校、女学校は保護者奉仕により校舎が建てられようとして居るから、ハイスクールを二校舎にし将来は男女共学のハイスクールは一校舎にし、今一つの校舎は将来総合実業学校とでも要望される様になればそれにしたいと思って居る。
○山城議員 賛成。将来はどうしても総合実業学校の様なものが必要になると思ふから是非当局の計画の様にして欲しい。
○全議員 賛意をなす。
  (第一案は終了、第二案は第一案終了と共に同じく終了となす。)
◎宮良議員(長義) 第三案に入る前に沖縄本島には二月十四日に青年学校が出来たが、これを設立する意思はないか。
○教育厚生部長 初等八ヶ年教育を終へた青年を教育することは現在最も大事な事と思ふ。四月から設立したいと思ったが現在の予算では難しい。歳入予算の見すかしが出来たら早速予算化したいと思ふ。すくなくとも九月から開校したいと思って居る。
○議長 教育厚生部から案がありましたが財源の関係で出来ず、郡会に諮り、確実な財源が見出せる様になれば実現したい。
 又従来の青年学校は軍関係のものばかりで生徒も出たり入ったりしてしつかりして居なかった点があった。そんなものでなく学校としてしっかりしたものを確実な財源を見つけたら何時からでも是非開校したいと思ふ。
◎宮良議員(長義) 本島も発足しているし民主主義的大衆青年の教育は大切な事だから是非何んとかしてやってもらひたい。
○議長 御意見に対し賛成であり同感である。歳入が減っている。それで財源がありしだい是非したい。
○教育課長 最初から完全なものとは難しいから初めは準備機関をつくり次第に完成して行きたいと思っている。
○山城議員 課長さんのお話は全く賛成。財源をつくり何とかして実現してもらひたい。
◎宮良議員(長義) 国民学校に併置しても良いと思ふ。何とかして青年学校に重点をおき慎重に早目にして貰ひたい。
○議長 宮古は今年は青年学校の開始を思ひとどまった様ですが八重山は是非今年開校したいと思っている。
◎宮良議員(長義) 青年の側も反省して自分等のみでもしたいと思っている様な有様だから是非実現じて貰ひたい。町村でも掘立小屋でつくられて設立されたらどうか。
  (青年学校につき町村長と議員間に意見交換あり)
○財務会計部長 青年学校は現在どの見地から見ても最も必要であり大切な事である。財源の都合で教育厚生部と校舎の件、職員の件で話して見た。
 現在諸種目に於て収入額を増すことの出来ない状態である。いづれ税収入を増すことなどを考へ次の郡会にも諮り青年学校にあてたいと思っている。今度で出来なければ七月更に九月と財源を見つけ是非財源をつくり出したいと思ひます。
◎議長 一月、二月、三月は支庁長より話がありました通り作りかへて出してありますが御意見ないと思ひますがいかがですか。
◎上間議員 学校の復旧費のことですが、石垣町には交付する様になって居る様ですが、残りの金額は大濱村、竹富村、与那国村もすでに手をつけて居ますがその分配はどうされますか。
○学務課長 まだ軍政府の認可を受けていないが残りの金額を三等分する積りです。
◎上間議員 金額全部を石垣町と共に分配して貰へないか。
○学務課長 すでに石垣町には指令を出してあります。
◎大山議員 借金して学校に手をつけている所もあるから支庁でも考へて貰ひたい。
○議長 その件については又改めて町村長で話合って貰ひたい。
◎山城議員 六、四〇〇円は繰越金の中に各学校に交付する金が入っているのではないか。
○議長 分割予算の為にくくられて、どうも出来なかつた。
○議長 十二月迄に町村財政交付金は一五〇、〇〇〇円出してある。又一月から六月までに初等学校復旧費をくんである。
  (復旧費について各員座談的の話合あり、出来るだ(け脱カ)復旧費を何とかして得て貰ひたい。)
○総務課長 一月から三月までの財務会計の最後の計に誤りが一三三-だが一〇〇が落ちているから御訂正をして下さい。
  (予算書の書きおとし)
◎上間議員 四月から六月までの総務の経費に町村交付金がないがどうしたか。
○神村 今度は入れてないが次の予算に入れる積りで考へています。
◎宮良議員(長義) 支庁の予算方針をききたい。一年分を予定して分割したのか又何々に重点をおいてつくられたか。
○神村 四回と分割した場合は歳入が多いときと少ないときがあるから一年の予定はつくってない。
◎山城議員 一月から三月までの歳出歳入がきちんととれているのに繰越金五〇〇、〇〇〇円としてあるがどうしたのか。
○予算係長 一月から三月までの予算は軍政府から中頃に出す様に来たから月半ば過ぎている為に実行予算と食ひ込みがある。
 此の繰越金は即ちそれの推定額である。
◎山城議員 税率を上げ又は新税を課し郡会にも諮ると云はれたが四月、五月、六月を見ても従来の国税の相続税があったがそれをなぜとらないか。不動産収得税等もあるが、どうしてとらないか。
○財務会計部長 七月以降に課す予定です。それを課すには期間を設ける予定です。
◎山城議員 新税でもない従来あったものだから財源として取った方が良いだらう。
◎上間議員 道路に就いて。
○土木建築課長 道路維持費として三万を入れたが復旧費の中に入れた方が良いとのことで、それに入れてある……これには種(ママ)目程度に入れてある。復旧予算が取れれば十分に道路のことも出来ると思ふ。
◎山城議員 一月-三月の予算は提出して、まだ認可がないだけである。又此の予算はまだ使へない所もあらうと云ふ事ですから将来の四月-六月の分を各係から聞いて一月-三月分はそれまでにして四月-六月予算をお互話合ったらどうですか。
◎大山議員 学校復旧費を石垣町に出して後を配分すれば後の三村は少なくなり現在村でも二〇、〇〇〇円は貰へると思ひそれに依って借金をしてやっている所もあるから後四〇、〇〇〇円を何とか財源を見出して貰へないか。
◎山城議員 それは復旧予算にあるからそれを生かす様にしたら良くはないか。
○大山議員 小浜、西表はすでに二〇、〇〇〇円あるものと思ひやっているから是非二〇、〇〇〇を出す様にして貰ひたい。
◎山城議員 復旧予算によるのでなければ学校の復旧と云ふことは全面的に復旧は難しいのではないか。
◎山城議員 警察部の交際費の用途について承りたい。
○神村 機密費の誤りで、印刷の間違ひです。訂正を願ひます。
◎山城議員 衛生費の癩療養所の費とあるがそれの用途を聞かして貰ひたい。こちらにも設置する予定ですか。
○議長 向の方から其話がありましたから入れておいてあるが皆さんのお話によります。
○神村 一月から三月までに入れない。軍政府からどうして入れてないかと聞かれたら困ると思ひ組んであるが四月-六月には入れなくても良いとの衛生部からのことで除いた。
○衛生部長 癩療養所部落の設置と軍政府から来た故一月-三月には計上した。四月-六月までには実行できるかどうかと思ひその間にはマラリア防遏に重点を置き其執行は見合せてある。
◎山城議員 軍政府が重点をおいてある事故計上した方がよくはないか。出来るだけ種目でも入れたら支庁としても後で軍政府から云はれた場合は答へるにもよくはないか。
 軍が指示した場合は計上しなければやらないとなれば、軍から後で云はれたら困るのではないか。
○商工経理部長 宮古に療養所があるから良くはないか。
◎議長 復旧費に入れたら良くはないか。
◎山城議員 こちらから費用を出し軍と宮古と相談して宮古の療養所へ送る様にした方が良いと思ふ。
◎宮良議員(長義) 造船課の収入減は。
○議長 事業拡張する為に今度は減っている。
◎宮良議員 それでは次からは収入は増すか。
◎議長 そうする積りである。
◎宮良議員 電灯料の値上されたのは。
○財務会計部長 前は軍払下品があったから安い料金で出来たが現在は難しい。宮古に比し高いとは思はれない。
◎宮良議員 電球がない為に高い電球を燭光の大きいのを買ひ高い料金を払はなければならないのだが。
○財務会計部長 電球の件は種々と本土に行く測候所に来る船に頼み交渉したが電球が悪いとの事であった。いづれ良い解決がつくだらうと思ふ。大濱村へも送電の関係上値上しなければならないのです。
○議長 先にマクラム中佐来島の際灯電時を延長しても良いとのことで延長したが、予算をここで賄へとのことで困り又大濱送電も考へているし更に予備機械の設置もせねばならぬ関係で値上げしなければならない様になった。
◎山城議員 四月-六月を各責任者で説明を願ひ項を追ふて行きたい。
○総務課長 四月-六月分は各責任者で説明することにして総務部から説明します。
  (課長予算説明)
◎山城議員 賞与八、七〇〇円計上してあるが支庁は三ヶ月毎にやるのか。
○総務課長 賞与は積立であり最後に賞与はやるのである。
◎山城議員 懇談会費が各部に於いて大分ありますがそんなに入(要カ)るのか。
○議長 各部に関係する重要案件協議懇談する為の費である。
◎山城議員 もっと節減した方がよくはないか。商工経理部の費はよくわかるが他の方が余りわからない。そんなに入(要カ)るものかどうか。
○財務会計部長 各係が出かけて各種団体等と懇談するのでそれだけ入(要カ)ります。
◎山城議員 費目の流用関係はどうなっていますか。
○会計課(長重) 流用してよいことになっています。
◎山城議員 それでは流用して使へますね。
○宮良議員(長義) 支庁の予算と八重山通貨との関係はどうかと思ふ。
○議長 自分が調べたもので、銀行郵便預金が四、三〇〇、〇〇〇円、民間にも其同額はあると思ふ。
  (民間には現金はその半分だらう。山城氏等との間に座談的に話合い二、〇〇〇、〇〇〇円以内と思ふ。)
○予算課長 財務会計予算案説明
 (読上げる程度に止める)
○山城議員 資産税とは今度新税であるか。
○会計課(長重) 滞納金である。
○山城議員 家屋税の率は。
○会計課(長重) 現在の賃貸価格で課しています。
◎山城議員 経理課の納付金三〇〇、〇〇〇円とあるが現在の通り米国から食料を受けて感謝しているが品物にかんずめ、肉等敗戦国民としてとって良いか考へる問題である。郡として通貨を取り入れる所はないし配給品に通貨はとられる。
 郡民最低生活をする為に物資で何々が必要であるとよく軍政府に相談しておく必要があると思ふ。よく軍政府と相談して今から考慮するのでなければならないと思ふから食糧の配給を唯軍政府から持ってくるものを取るかどうか一つ聞かして貰ひたい。
○商工経理部長 軍政府も考へていると思ひます。又こちらからもその点相談して見たいと思ふ。
◎山城議員 通貨を得る方法を考へる。又当地の食料もよく見て食料品をどれがどうであると調査し軍政府に諮って貰ひたい。
◎宮良議員(長義) 食料品を出来るだけ安くして貰ひたい。支庁収入をとらずに貧乏人に安くしてやり、金持からその分はとる様にして貰ひたい。
◎山城議員 前もって配給物は何々はここで出来る、どの位出来る、又何々は必要であると軍政府に話して配給物はなして貰ひたい。唯配給されるなりにここではそれを取ると云ふことがない様にして貰ひたい。
○商工経理部長 貧乏人への配給は厚生課がありそれを拡大してもよい。又配給物の代は命令であるからここで勝手には出来ないと思ふ。
◎教育厚生部学務課長 案説明
◎宮良議員(長義) 教員俸給額はどうなっているか。
○予算課長 平均給の説明をなす。事務官、警察官の俸給もなす。
◎議長 上を減らし、下を上げてある。
  (宮古と比して説明を予算課長よりなす。)
◎山城議員 救護費について。
○厚生課(譜久村) 孤児現在十四名最も多くなる時二十名予想して一人一日七円九日間のものである。
 戦災者漂流救護者を予想して計上してある。
◎山城議員 教員の優遇問題について参考にして貰ひたい。現在の平均給では食へない。自分の考へでは支庁では多くの土地を管理しているからそれを各学校にあてがひ畜力にかへてトラクターを軍政府から借り入れて開墾して耕作し或は生徒をして援助せしめて教員を遇したい。支庁を中心にして民間も協力してこの方面に力を入れてもらったら教員も救済されると思ふ。
○財務会計部長 授業料の件について学校嘱託の給料を学校後援会から出すことは面白くないから支庁支給にし、それで授業料を八円に上げたいと思ひます。父兄の負担は同じです。
◎山城議員 農林学校の売上高はないか。
○教育厚生部長 あり、案を示す。
◎商工経理部(佐久本) (案説明)
◎山城議員 水産業は、本郡の大事な産業である。それでその方で事務の方面にも実際の方面にも本郡水産業の為にその局に当る人を得て貰ひたい。係を唯二人おくと云ふだけではつけたりの様である。もっと実際方面にも詳しい人を得てやったらどうか。
  (西銘氏を嘱託にしたらと山城氏座談的に話あり)
◎土木農林部土木建築課長 案説明す。
◎山城議員 主要農作物奨励費、稲作改善奨励費、家畜改良費等を具体的に其用途を知らして貰ひたい。
○農務課(黒島) 説明す。
◎山城議員 稲の種子はどこから取られたか。
○土木農林部長 台湾から四斗取り入れ、現在篤農一六戸に配付し、収穫後は籾を買上げ来年からそれを配付しようと思ってしている。
◎山城議員 米作奨励について当局も期待しているし沖縄本島も更に期待している様だが、自給肥料の奨励費もあるが、軍政府に話して硫安を買入れる方法はないか。
○土木農林部長 さきに支庁長にお願ひしてあったが、帰られたお話によれば沖縄には肥料が来ているそうで、近く宮古軍政府にお願ひしてこちらにも是非送って貰ふ様にしています。
◎山城議員 肥料の件は何とかして貰ひたい。甘蔗の苗は一本一円だから中農以下には買へない。それを何とかして貰ひたい。本郡では稲作と糖業に重点をおき考慮して貰ひたい。
○商工経理部長 肥料は軍政府に話しましたら今間に合はないが追肥には間に合ふだらうと話していた。
◎宮良議員 川平への橋を何とかしてもらいたい。
○小波津 三〇、〇〇〇円を使ひ、つくっても六ヶ月の僅かしか保たない。いづれ神田あたりからまはしてつくる予定です。
◎警察部長 (予算案説明)
◎山城議員 警察部費の交際費として三〇、〇〇〇円を計上されているが其用途はどうか。
○部長(ママ) それは機密費の誤です。警察官の給与は多種に渡りますが現在ではそれだけのことは出来ない故最小限度に甘んじています。
◎山城議員 歳入の罰金は僅かですから消したらどうか。
  (それに就いて話合ひあり)
○議長 実際ありますからその通りしませう。
◎衛生部(黒島) (案の説明)
○部長(ママ) 歳入が少いから予防注射費をとったらと云ふ話もあるが公衆衛生の為にとっていません。
 歳出でマラリア撲滅をせなくても良い様になっているが本郡で重要な事であるからこの程度に計上してあります。
◎喜舎場議員 機構関係とマラリア撲滅との関係は。
○衛生部長 軍政府からマラリア撲滅と云ふことがないから此の程度にしている。
○議員(皆) 是非マラリア撲滅が大事な事だからその点を軍政官に話して貰ひたい。
◎逓信部長 (案説明)
○議長 総括的に皆さんの御意見を述べて下さい。
◎宮良議員 分割予算でだいたい此の程度は使へるだらうとのことですか。
○議長 使へないと思ひます。五〇〇、〇〇〇円位がいつも回っていることになりませう。軍政府で復旧費を持って貰へば将来は支庁は人件費と事務費位になるだらうと思ひます。
◎議長 本日は有難ふございました。予算執行については御意見を尊重し有効に使って行きたいと思ひます。有難ふございました。
◎支庁長 本日は慎重に色々と御話合ひ下さって有難ふございました。御意見を尊重し軍政府と交渉し実現して行きたいと思ひます。短い期間でのことですが、事情がこんなですからその点御了承を願ひます。
 有難ふございました。これで閉会いたします。(午後六時二十五分)
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