戦後初期会議録

組織名
琉球臨時中央政府立法院
開催日
1951年10月12日 
(昭和26年)
会議名
第1回立法院本会議 1951年10月12日
議事録
第一回立法院本会議会議録
        第五十五日目

 一九五一年十月十二日(金曜日)
 午前十時四十二分開議

議事日程
 一、立法院委員会の構成について
 二、琉球臨時中央政府文教局設置法について
 三、立法院弘報発行規程について

○仮議長(松田賀哲君) これから本会議を開きます。
 その前に御報告申上げます。それは従来立法院には六つの委員会がありましたのですが、色々な都合からこれを三つに合同することになりました。即ち、行政法務文教厚生委員会、資源運輸通信委員会、財政金融商工委員会と、この三つに決定致しました。それで各委員の割当は行政法務文教厚生委員会は城間、與儀、大濱、吉元、祷の各参議、資源運輸通信委員会は吉元、大濱、田畑、冨名腰の各参議、財政金融商工委員会は與儀、田畑、冨名腰、祷の各参議と決定してあります。
○冨名腰尚武君 財政商工委員会で城間参議が抜けていたように思いましたが。
○仮議長(松田賀哲君) 今のは取消します。財政金融商工委員会の委員に與儀、田畑、冨名腰、祷参議と申上げましたが、それに城間参議を加えることに致します。
○城間盛善君 今の委員会の合同するのは臨時的措置であるということをはっきりおっしゃっていただきたいと思います。
○仮議長(松田賀哲君) それで今の委員会を合同します理由は参議間に色々事情がありまして、と申しますのは祷さんがまだ御健康を十分回復しておりませんし、それから嘉陽参議が渡米しておられる関係でそうなったのであります。従ってこれは臨時的な措置でありまして全参議が出揃うようになりましたら、又元にかえるものと御了承を願います。従って各委員会の委員長でありますが、これは例えば行政法務文教厚生委員会というものは仕事の性質が大体二つに分れておる訳でありますからその委員長については誰と決めずにその仕事仕事によって各委員会に於て随時決定することに致したいと思っております。
○與儀達敏君 随時決定するのでなくして従前の委員長がこれに当るのじゃないのですか。
○仮議長(松田賀哲君) そういう風に致しますか。従前の委員長が当るということになると、商工委員長はいいが、財政委員長は祷さんが委員長になっておられた訳なんだが…。
○大濱國浩君 財政金融委員会は三名で互選して貰ったらどうですか。三名出揃っておりますから、三名で委員長を推薦して貰えば、臨時的な措置のものは決っているのですから…。
○祷清二君 私は健康がまだ十分に回復しておりませんし、委員長の任に堪えないと思いますので財政委員長を辞任させて頂きたいと思います。
○仮議長(松田賀哲君) 財政委員会の委員長は祷さんになっている訳でありますが、それが只今祷さんの御話がありますので、この財政方面の仕事の場合の委員長は代って貰わなければならんのじゃないかと思いますが、それはこの委員会の互選--財政方面の委員会--で決めることにして従来の各委員会の委員長がそれぞれの仕事によって委員長になる、とこういう風に致しますか。
  (「賛成」と呼ぶ者あり)
○仮議長(松田賀哲君) ではその通り決定致します。
○與儀達敏君 財政商工の統合した委員会は何名ですか。
○仮議長(松田賀哲君) 五名です。
○與儀達敏君 仮議長はここに一ヶ所だけは委員として入って六名になるのではないか。
○冨名腰尚武君 議長として列席するのであって委員としては抜けなければいかん訳です。
○田畑守雄君 出席は出来るが、仮議長は地域の代表であるということは依然変りないということになっているので、自ら一委員は勤めなければならないと思うのです。どうしても一委員会には入って、形式的にどっちかに一つは入って貰わなければいけないのじゃないかと思う。
○冨名腰尚武君 仮議長であっても参議であるから表決権はもっていなければいけないという訳ですね。
○城間盛善君 本会議でも参議としてやる。それと同じように前からの所属の委員会にはその委員として評決に加わる。今度の場合には商工委員会にはその委員長は臨時に代っていただいて矢張り商工委員会の委員として、その委員会では発言をしなければならない。又議長としてはどの委員会にも出席出来る訳です。
○仮議長(松田賀哲君) 財政商工委員会だけは仮議長が委員となることにして差支えありませんか。皆さんが御承認になれば結構だと思いますが。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○仮議長(松田賀哲君) それではそういう風に致します。
次は琉球臨時中央政府文教局設置法の第三読会に移りたいと思います。
 この設置法案は十月十一日の午後二時からの本会議で第二読会を終えたのでありますが、修正意見としてこの第二条の第一項の「初等学校」第二項の「中等学校」というのがそれぞれ「小学校」「中学校」にしたいという修正意見が出まして第二読会を終えた訳であります。これで本日第三読会に移っている訳でありますが、御意見はございませんか。
○城間盛善君 第三読会の形式ということになるかも知れませんが、第二条の第一項第二項に出ている修正は第二読会で委員会から出て来ているのでその修正案とみなされると思うのですがどうですか。
○仮議長(松田賀哲君) 修正案としてみなすかというのですか。
○城間盛善君 そうなれば第三読会にはこの修正の決をとって、それから全体の決を取るという風になるのではないか。
○吉元榮光君 それは一読会で委員会に研究を委ねられ我々は一読会で慎重審議し、あらゆる方面とも折衝し、世論も調査した結果、委員会として修正して原案として出した訳ですから、そのようにお認め願いたいと思います。
○與儀達敏君 第一読会にいう原案は発議の原案でありまして、発議したものを委員会に付託をして委員会で検討するように付託したのですから、委員会は慎重に研究をしてこの案が出来た訳ですから、この案を第二読会の原案として出した訳です--委員会の結論として--それを委員会が又修正をして出してということは矛盾だと思いますが、それを原案として御審議をお願いしたらと思いますが。
○仮議長(松田賀哲君) このことについては昨日の第二読会で既に修正が承認されております。
○冨名腰尚武君 第二条の第一項二項の原案の「中等学校」「初等学校」が委員会で「小学校」「中学校」に改められたことに関して第二読会で委員長の御説明の中に国際情勢の推移に鑑み教育なども日本と直結するような風になるので、というような言葉がおありだったのですが、それが果してそうであるかどうかということは今もって未だ確定的なものではないしそういうことを理由にすることは少しく当を失するものではないかと思われますので私としては「初等学校」「中等学校」を「小学校」「中学校」に変えた根拠は沖縄以外の他の三群島は既に小学校、中学校で通しているので沖縄群島のみが初等学校、中等学校という名称をしているので、これは一律に同じ名称にして、尚日本の例にも倣って小学校、中学校という風な呼び方にした方が将来のためにも妥当であるといった風な見解を持っていただきたい。それからもう一つ、この文教局の事務に関して群島政府の所管事項に相関連するように一般から解釈され勝ちな面もあるように思われますので行政主席並に文教局長に於ては各群島政府並に琉球住民に対してその趣旨がはっきり分るように努めていただきたいということを希望して原案に賛成するものであります。
○與儀達敏君 委員長報告に賛成するものでありますが、御希望しておきたい点を申上げておきたいと思います。
 行政官庁の慣行としまして、局長不在中の事務を取扱うところのいわば局長代理を庶務課に扱わすのが大体の慣例のようでありますが、この文教局に於きましては局の職能の関係上、庶務課でなしに学校教育課、所謂専門の課にそういったような局長代理とかいうようなことを指名する場合にはやった方が円滑を期せられるのではないかという感じがしますので、この点を御考慮願いたいと思います。尚、本案のはじめに於きまして現在の文教局の使命が軍の回答でもはっきりしておりますので、そういう点を御考慮に入れ琉球全体の教育が群島組織法に背反しないように、背馳しないように意を用いられて来るべき琉球の一元的な教育の在り方、或は施設の研究もされて時到らば全琉の教育が一元的に運営できるようなところ迄、これは申すに及ばないことでありますが、希望を申上げて委員長報告案に賛成するものであります。
○仮議長(松田賀哲君) 外に御意見はありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○仮議長(松田賀哲君) それでは委員会の案通り確定致します。これで第三読会を終了致します。次の議題は立法院弘報発行規程についてであります。
 この件に関しまして城間参議から十月十五日附で決議案の発議がありました。その原案はお手元に刷物として差上げてあります。
 先ず発議者の城間参議から御説明をお願いしたいと思います。
○城間盛善君 発議者として最初に発議理由を御説明申上げます。民政府指令第五号立法院手続の第八条によりますと、立法院は会議録を保持し、更に時宜によりすべての議案及び議事事項を記載してこれを発行する、とこういう規定がありますので何かの方法で会議の内容を一般に周知させたいものだとこう考えておりましたが、偶々八月二十九日附の民政府からの書翰で首題は臨時中央政府及びその他公務上必要事項の公布、こういう書翰が参ったのであります。これによりますと未制定の重要法案の情報の公布は立法院の責任であるという趣旨であるということで、その具体的指示もありましたのでこの二つに基きまして指令第五号と八月二十九日附の民政官書翰の二つに基きまして、これを発議した訳であります。なお弘報発行に予算見積書も添付してお手元に差上げてあります。これも御審議をお願いしたいと思うのでありますが、予算見積額としては総計二十六万三千五百六十二円とこうなっております。
 以上によりまして発議理由を終りたいと思いますが、尚民政府としまして情報発行の手続方法を発議してそれを報告するようにという要求もございますので御審議の上御決定下さるようにお願い致します。尚この決議案の内容につきましてはかねて全員協議会に於て色々御説明申上げ、それから御審議をお願い致しましたので、大体意見の一致を見たのでありますが、その際残された問題といいますか、私の方からはっきりした解釈を民政府から聞いてくれという要求がありましたところ、その点を申上げます。それは第三条第一項の第二に関するものであります。未制定の重要立法に関する情報、この情報というものの範囲がただ単に重要立法の条項の説明だけでいいものか、或はこの立法案の審議中の審議の要点といったものも含むかという点について打合せましたが、連絡官のセイファン博士の説明によりますと、これは単に立法案の条項に関する説明、情報だけでなくて、これを立法院に於て審議中審議の大略に関する情報も含む、こういう風に返答を得たのであります。それから第一項の最後のdにあります、議事の記録こういうのがありますが、この議事の記録は議事の進んで行った情況を記録すればいいので必ずしも参議の発言された一言一句に至るまでの速記の公表まで必要はないということがはっきりしました。
○仮議長(松田賀哲君) これはどう致しますか。全員協議会でも既に済んでいるのでありますが、逐条審議致しますか。
○冨名腰尚武君 一括審議をして異議なければ決をお採りになったらどうですか。
○仮議長(松田賀哲君) ではそういうことに致します。
○城間盛善君 もう一つ申上げたいのは第三条の第一項にありますのは、指令第五号の第八項にあるのをそのまま取ってあるのであります。この訳につきまして私が以上御報告致しました。二つの点について確めている間にはっきりした訳でありますが、日本文の意味をはっきりさせておきたいと思います。〓の立法案及び決議案の主題、これはただ主題だけでなしに立法案の主題、決議案の内容に関するものを含む、英文から見るとそういう風に考えられます。ただ決議案の主題だけでなしに、決議案の内容に関するもの、これは公報に載っている訳文でありますので訂正する訳にはいきませんが、英文と照し合わせると立法案の主題、決議案の場合には内容も含む、こういう風に原文を見ると解釈出来るということが分りました。
○大濱國浩君 議事の記録というのは会議の日程みたいなもんですか。
○城間盛善君 会議の要綱と考えていいと思います。
○仮議長(松田賀哲君) これを一括して審議致したいと思います。
○冨名腰尚武君 立法案の場合はSOPが必要で軍との折衝を俟ってはじめて採決しなければならないような行き方でありますが、立法の場合と決議の場合がその点が違うのでこれが採決された場合に軍から修正を求められたり或は拒否されたりする可能性の有無について城間さんとしては何か…。
○城間盛善君 この点については連絡官のセイファン博士に聞いたのですが、こう言っております。
 この議題は八月二十九日附書翰の第四項の「第三節に示したような」と申しますのは、先程申上げた、これは各部に宛てたものでありますが、各部で弘報を発行する手続のことをいっているのですが、「手続を設定して同写三部を参考資料及び保存記録用として本府に提出して貰いたい」とこうなっておりますから、ただここで手続を決めてそれの写三部を出せばいいということが明示されておりますので、この決議案を出してこれに修正を加えるとか拒否するとかいうことはないのであります。
○仮議長(松田賀哲君) 外に御意見はありませんか。
○冨名腰尚武君 実施期日については発議者の方では大体いつからの予想をしておられますか。
○城間盛善君 決議の日或はその翌日からでどうですか。
○事務局長(比嘉良男君) これは財政局を通じて追加予算を出すことになっておりますが、その予算の承認があったら始めていいんじゃないかという大体の話合ですがこの予算の承認がなければいけないと思います。
○冨名腰尚武君 これは軍からの要請だから、或は減るかもしれないが貰えることは貰えると思いますので明日からでもいいのじゃないか。
○仮議長(松田賀哲君) 予算の審議権がないということになれば、この予算に対しては事務局でやって貰って…。
○冨名腰尚武君 これは単に研究に対する参考資料ということで、これまで決議したということにはならんのじゃないかな。
○事務局長(比嘉良男君) 裁判の方では十五日頃ということでありました。
○冨名腰尚武君 十月十五日から実施するということにしたいと思います。
○仮議長(松田賀哲君) 如何ですか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○吉元榮光君 予算が通ればこの人件費は立法院の事務局設置法とは抵触しませんか。
○城間盛善君 予算の決定は民政府に権限があるので予算が決定してから設置法の改正という風にしたらどうですか。
○仮議長(松田賀哲君) 順序としてはそうなるでせうね。この原案通り決定してよろしうございますか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議ないようですからその通り決定致します。
 これで会議を終ります。
  (十二時五分散会)

  出席者
   仮議長  松田 賀哲君
   参 議  與儀 達敏君
    〃   城間 盛善君
    〃   冨名腰尚武君
    〃   大濱 國浩君
    〃   祷  清二君
    〃   吉元 榮光君
    〃   田畑 守雄君
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