戦後初期会議録

組織名
宮古群島議会
開催日
1951年06月23日 
(昭和26年)
会議名
第5回宮古群島議会(臨時会)[3] 合同研究会、本会議
議事録
 一九五一年六月二十三日
 (土曜日)(午前十時五十分)
◎議長(玉城玄教君) これから合同研究を始めることにしませう。臨時部の歳出の方を見て下さい。俸給は二割増俸を見積って計上してあるわけですね。
  (財政部長「そうです」と返事する。)
 水高の便所は早急に実施して農高便所は移転してから起工した方がよいですね。
  (工務部長「そうしませう」と返事す。)
◎渡久山知照君 中ユニ橋道路改修費の一五、〇〇〇円では少ないから何とか来間島桟橋改修費からでも分けていただきたい。
◎砂川玄仁君 来間島の桟橋工事及び中ユニ橋の改修を説明して下さい。
○工務部長(高良憲松君) (軍政府の指示を読む。)参考、伊良部と下地島を結ぶ道路は一米五〇の見当でやってあります。
◎渡久山知照君 護岸工事だから「セメント」を下さい。
◎下地敏之君 今迄の工事のセメントで支給済をやって余った場合はどうなるか。
○工務部長(高良憲松君) 返して居ります。
◎下地敏之君 或る所では余ったものを流しているということを聞いているがその点はどうですか。
○工務部長(高良憲松君) そういうことはないと思いますが、若しあるとすれば警察部と連絡して捜査させます。
◎下地敏之君 警察部で捜査するということは、既に手遅れで既に何百袋か流れていると聞いている。
○工務部長(高良憲松君) 竣工検査の結果からして設計数量、一、五〇九袋の中一、四〇〇袋しか支給してないから、それから何百袋か流されると云うことは結局工事をしていないと云う結果になり、そういうことは全然考えられない。
◎砂川玄仁君 伊良部のセメント問題であるが、そういうことについては私も調べて見たが、少々はあるらしい。然し数百袋とかいうことはないと思います。兎に角そういうことは注意して下さい。
◎嵩原惠典君 とにかくそういう話があるとすれば実態を突かねばならない。何百袋となれば調査を進めなければならないでせう。
◎平良金一君 大体そういう工事の時は現場監督はつけているのかどうか。
○工務部長(高良憲松君) つけて居ります。
◎渡久山知照君 若し出来なければ農林高校便所建築費を伊良部の護岸工事にまわしてもらいたいと思いますがどうですか。
○議長(玉城玄教君) 一体どの位の経費がいるのか。
○工務部長(高良憲松君) 渡久山さんの話による舗装工事としてセメントを利用すれば工事費として六十万はいるでせう。
◎渡久山知照君 是非御願いして価値ある設備をしたいですが。
○議長(玉城玄教君) とにかく民政官府もおっしゃっているように、たよることなく部落民の熱意を表現して貰いたいですね。
◎議長(玉城玄教君) それはその位にして、次に漲水港埋立地舗装地に移りませう。
◎砂川玄仁君 漲水港埋立地の工事は前の工事が悪いという意味ですか。
○工務部長(高良憲松君) そういう意味ではありません。幅三、四米のものを長さ百六十米で今迄はうはぬりしなかったので今度追加予算として組んであります。
◎議長(玉城玄教君) 次の気象報知所建築ですが、どこにやるつもりですか。
○工務部長(高良憲松君) 警察の西側に作る予定にしてあります。
◎嵩原惠典君 話によると寄附してやるとも聞いていたがどうしたのか。
○工務部長(高良憲松君) 平良市にも既にこの問題は議決されて重複しているらしくどうもおかしい。若しそうであるとすればよく確かめてからやりませう。
○議長(玉城玄教君) これは群島政府のものにするつもりですか。
○工務部長(高良憲松君) そうらしい。
◎下地敏之君 次の議会に寄附をなすことにして追加議案として出せば良いでせう。
○副知事(東風平惠令君) それでは次の議会に寄附として取扱うよう提出しませう。
◎砂川玄仁君 次に平良市市場建築費について当局に御尋ね致しますが、市場としての「収益金は積立て修繕費にやれ」ということを聞いているが、政府としてはそれについての利用を考えたことがあるか。
○副知事(東風平惠令君) 条件付でやれということは軍より指示されてあるから、その点は考慮して居ります。
◎議長(玉城玄教君) この予算で見ると政府のものにするように見えるが、それとも市にやるのか、即ち寄附するのかどうか。
○副知事(東風平惠令君) この予算の組方はまずいね。項目を作って寄附金として作りなさい。
  (財政部長各項目の訂正をなす。)
◎議長(玉城玄教君) 形式的なものはどうでもよいではないか。要するに群島としてこれをどういう方法に運営して行くかどうか、又どういう条件をつけるかどうか、はっきりして下さい。そうでないと誰が何と言っても通過しない。
○副知事(東風平惠令君) この点についてはホールカム軍政官から市場はきたないというので、市場は玄関である以上、復興費で作ってやらうとの話がありました。そして市長さんも各市町村の立派な市場に品物を出して売るという意味で一生懸命努めて居りますし、又軍政府の指示もありますので積立金から充当するということになって居ります。
◎議長(玉城玄教君) 補助金として出すならばどうどういう計画が必要であるという計画書もなければならない。大体仕事は事業主体が平良市にあるのだから、それだけの大金を補助してもらうには、いくらいくらして欲しいというような予算が組まれるべきである。
○砂川玄仁君 復興費でやらうという事であったでせう。
○福里芳夫君 話がごたついているので予備費に廻してどうしてもやらねばならぬ軍の意志ならこの次までに検討したらどうでせうか。
○議長(玉城玄教君) 大体補助するということは幾分かを出すことが補助であって、全額やるということは補助にはならないでせう。
○工務部長(高良憲松君) 計画書ですが災害復旧費を認めて貰いたいということを出したわけです。
○砂川玄仁君 予算化する前に議員を非公式にでもよいから一応呼んで話してから予算化するのが当局として取るべきである。それにも拘らず何も知らさないので予算化するのはよくない。
○議長(玉城玄教君) 兎に角手続きをしてきなさい。群島政府として大きな仕事をするのにそのままでは絶対通過しません。
○副知事(東風平惠令君) 知事が出発するちょっと前にポーター軍政官から呼ばれて突然に起きた問題ですから相談する機会がなかったわけですから悪しからず御了承下さい。
○議長(玉城玄教君) 市長さんは軍政府から言うて来ているから出来ると思うかも分りませんがそう簡単にはいかんでせう。
◎砂川玄仁君 それでは十五万円を平良市に負担させて設計通りに作ったらどうです。
○議長(玉城玄教君) これで休会致します。(午後零時三十五分)
○議長(玉城玄教君) 開会致します。(午後二時三十五分)
◎砂川玄仁君 慈善病院費を見ますと、分院長に差があるのはどういうわけですか。最初から俸給のよいものは最後まで成績の如何に拘らずよいという様に見えますがどうですか。
○厚生部長(宮國泰誠君) 本院の方はそのままにして分院の方は地均しをしようと思って居ります。
◎砂川玄仁君 分院の方はむしろ最低に一率にして、その分は本院の医官を優遇するのが当り前ではないかと思う。
◎議長(玉城玄教君) 慈善病院の方はそれ位にして、次は先刻の市場の問題はどうしますか。
◎下地敏之君 原案通りにしませう。
○議長(玉城玄教君) それではその通りにして、訂正しないで即ち補助金としないで条件をつけてやることにするわけですね。
◎下地敏之君 今後、議会の意志を尊重してもらいたい。
◎議長(玉城玄教君) 研究会はこれで終ります。(午後三時)

◎議長(玉城玄教君) 開会致します。(午後三時十一分)
 出席七名、欠席二名であります。
 議案第七十五号、七十六号、諮問案第一号をひっくるめて上程第二読会を開きます。
◎砂川玄仁君 提出議案に触れる前に希望を申し上げます。
 桟橋埋立工事についてですが、その埋立工事の所有権は群島政府にあるのか、又市役所にあるのか、民政官府に於ては一市町村の為でなく、全住民の幸福と福利を図って、これは云わずもがな群島政府にあるのだと思っているが、民政官府の公平、至誠な態度に対し敬服するものである。従来のように群島政府の軍のすべての費用は一般会計に任し使用するようになりましたが、議会人として議会の意志を尊重するものだと感激しています。就きましては、今回の議会に於ても百四十七万余も一般会計に入れて支出されることになり、それについて本会が招集されているのであって、つまり民意の総意ある真意をくみとってやれという意味だと思います。
 民政官府の書翰を見ても今迄のものが軍の直接の命令でなく、民意をよくくみとってのものと解釈します。これまでが群島政府は議会の意志を見ないで、先に民政官府と図って居ったものだと思いますから、今後は復興費とか或は予期しない金が入った場合には非公式にでも集めてもらって、議会の意志を尊重するようにして戴きたいと思います。そこに議会の運営のスムースな点が産み出されるわけです。以上の点を申し上げて希望とし、次に提出された議案について触れて見たいと思います。議案第七十五号、第七十六号は結局本会(ママ)郡民の働きによって民政官府が認可した百四十七万の支出について計上したものだと思い郡民の幸福な点であると考えます。どうぞ群島全住民の利益を図り当局は執行にあたっては遺漏なきようにしてもらいたいと思います。それから諮問案第一号も時代の進運に伴って是非こうでなくてはならないという指導機関の一部改正の結果であり、当局の努力、研究の賜と思い討論を抜きにして確定議に致したい。
◎議長(玉城玄教君) 只今九番から議案第七十五号、第七十六号、諮問案第一号を読会省略して確定議に附したいという意見がありますがどうですか。
 (「賛成」の声あり)
 全員賛成のようですから確定議に附します。
○砂川玄仁君 いい残しましたが施行案第七十六号、第七十五号は本日の月日に致したいと思いますが。
 (「異議なし」と叫ぶ)
○議長(玉城玄教君) 只今より知事の挨拶があります。
◎副知事(東風平惠令君) 本会議におきましては百四十七万の没収船の代金、物資の代金が急に参りまして私達としては色々とその文書について打合せをしなかったこと、又は月日が短くて打合せが出来なかったことについてお詫び致します。議案の執行については、議会の意志を尊重し充分研究致します。
 誠に有難う御座いました。
◎議長(玉城玄教君) これをもって本議会を閉会致します。(午後三時二十分)

 一九五一年六月二十三日
宮古群島議会議長 玉城 玄教(印)
    二番議員 福里 芳夫(印)
    五番議員 下地 敏之サイン
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