戦後初期会議録

組織名
沖縄諮詢会
開催日
1945年09月21日 
(昭和20年)
会議名
軍民協議会 1945年9月21日 目録詳細 画像を見る
議事録
軍民協議会 〔政務研究会〕

 九月二十一日(金)午后二時開会。
 出席 志喜屋、又吉、松岡、前門、知花、糸数、安谷屋、仲宗根、仲村、比嘉の諸委員。
 公用他出 當山、大宜見、山城、護得久、平田の諸委員。
協議事項
 政務研究会
  又吉委員、昨日の研究会報告。
   1、一人の知事制度の説。
   2、委員制度の説。
   3、委員制度の方有力であった。
   4、気を付くべきは経済と米沖のトラブル問題が起った場合。
   5、権力問題と生活安定の問題。
   6、知事を選ぶ方法、二度に分けて複選で行ひたい。
   7、如何なる人が選挙するか。
  仲宗根委員
   知事は五人の委員にする方がよからう。
  又吉委員
   知事一人にするか委員制度とするか又は補助者を置くか。
  比嘉委員
   1、米国が如何程財政を援助するか、殊に農耕地及移動問題を控へてゐる。
   2、一人の知事よりは五人の委員制が一層力強い事が行はれるんではないか。
  糸数委員
   1、財政問題は起る予想である。
   2、知事に沖縄を統治する権限を拡大して欲しい。
   3、之に伴ふものは外交問題である。
   4、委員制にする時は五人の中に一人の知事が起ることになるから委員制にしたい。
  松岡委員
   布哇は平等になり比島は属国より下になって保護国と属国の中間に在る。比島は立法議決機関は別にある。
   外交は一大使の様なものが米国に置かれ米国との交渉をやってゐる。
   布哇は領土なる故知事が居て比島の如く大使の様なものは置いてない。
   沖縄の経済関係は米国の与論で動くから宗教団体及其他の団が入国の時沖縄の事情を報告するから経済上は懸念する必要はないと思ふ。
  仲宗根委員
   人民の有する権限を大きく獲得して知事の執行権限とは別にしたい。
  委員長
   米国から総督の様なものが来ると一人の知事よりも委員制が力ある感があるから委員制がよからう。
  比嘉委員
   1、沖縄に一つの憲法が米国と関連して出来ると思ふからそれによって知事の権限が現れる。
   2、秀でた人が知事になると事務上捗ると思ふ。
    外の部課長は多過ぎて事務が迅速でない。故に大きく分割して大きな人に部課長を据えたら如何。
  糸数委員
   戦前は部課長の権限が狹かったから事務渋滞になったの説がある。
  仲宗根委員
   事務的に急速にするよりも機構的を早急にやる方が得策である。
   委員長の勝れた場合は却而外の援助を受けて益々積極的に進んで行く。故に委員制の方がよいと思ふ。
   執行機関は執行のみになるのみならず却而発案者にもなる。
  當山委員
   委員制にすると却而有閑委員になるのではないか。
  安谷屋委員
   委員制にすると却而事務的に忙しくなって来ると思ふが如何。
  仲宗根委員
   委員は事務的に煩わさず最とも大きな事を考へさせる様にしたい。
  又吉委員
   昔の沖縄の摂政参司官は事務的でなく却而外交等をやって居た。
  前門委員
   部課長の権限を広くする。
  委員長
   司法立法にも委員を置かなければならないと思ふが。
  仲宗根委員
   此の委員の下に司法、行政、立法を置く。
  又吉委員
   沖縄も憲法を持たないといけないと思ふ。
 代議員機関について(各地区を代表する国会)。
  前門委員
   下院上院制にしたい。下院は一般民意の機関と。
   上院は下院機関に対して是正を与へ、一般民意の機関でなく学識経験ある者を以て議決機関としたい。
  仲宗根委員
   1、一院制にすると学識経験のある人物を取残す恐れがある。
   2、一院制にすると華か式になって悠々と議することが出来ないと。之を補充する点に於て二院にしたいと。
  前門委員
   学識経験ある者又は党派が出来る時之を超越して上院は議したい。
 下院の選び方。
  仲宗根委員
   小選挙区にして人口割に五〇〇〇人に一人を地域代表の如くし五〇〇〇未満の地区は一人を選出す。上院は先に話した通り市長、代議員、正副議長、市議の正副議長と後半分は一般人民の人口率により選したら如何。
   下院を代議院 約六五人。
   上院を議政院 約代議員の半数。
   議政院は一般の投票にはせず。

午后五時閉会。
市議の略歴、年齢、出身地を調べおく事。
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