戦後初期会議録

組織名
宮古群島議会
開催日
1951年03月25日 
(昭和26年)
会議名
第3回宮古群島議会(定例会)[7] 合同研究会
議事録
 一九五一年三月二十五日
◎議長(玉城玄教君) これより研究会を始めます。(午前十一時七分)
 全員出席して居ります。
 議案第三十二号一九五一年度宮古群島政府特別会計復興事業局歳出の部を見ませう。
○事業局長(小禄良雄君) 予算第十一項減償売却費(ママ)五〇、〇〇〇円計上してありますが、第四目移動費三五〇、〇〇〇円を削って四〇、〇〇〇円に訂正をお願いします。(山神祭を削る)
 (桟橋に移動する予定)
◎福嶺紀仁君 援護費は治療費から出すか、又これで間に合うか。
◎下地敏之君 対岸に行って集積すればトラック賃は幾位か安くなるのでないか。
○事業部長(小禄良雄君) トラック賃は距離には然程関係がなく一定であるからトラック賃は高くはない。
◎議長(玉城玄教君) 船浮現場を視察し度いと云ふ希望はありませんか。(行くことに決定、時日未定)時期を見て行くことにする。撤収したレールは置いてあります。第十項資源調査費
○事業局長(小禄良雄君) 事務所前に積んであります。
○知事(西原雅一君) 資源調査費が足りなかったら需要費から支出するそうだ。歳出には質問はありませんか。
◎福里芳夫君 二割増俸は編成してあるか。
○事業局長(小禄良雄君) 全部入れてあります。
○議長(玉城玄教君) 歳入の方に行きませう。
○渡久山知照君 説明して下さい。
  (事業局長別紙予算書により説明をなす。)
◎議長(玉城玄教君) よいですか。直営農場の歳出の方を見て下さい。
◎池城朝清君 種苗費で毎年種子を購入しますか。
○農場長(大城喜助君) 大豆、麦、米の貯蔵困難の為、倉庫が雨漏りで困って居ります。
◎議長(玉城玄教君) 農場長が直接夜警をして泥棒と取っ組んだと云う事を聞いて居りますが、優遇方法はないものですか。
○知事(西原雅一君)農場長は沖縄でも認識して居ります。
◎下地敏之君 農場長の俸給を四、六〇〇円位に上げて下さい。
○福嶺紀仁君 自他共に認めて居りますから。
○知事(西原雅一君) 四、六〇〇円に増やしたらよいでせう。
  (「賛成」の声あり)
◎議長(玉城玄教君) 歳入を検討して見て下さい。
○農場長(大城喜助君) 歳出の予備費の二万円を取ってバランスを取ったらどんなものでせうか。
◎下地敏之君 大城君の表によると、貸地の賃貸料はどんなものか。大野山の方です。
○農場長(大城喜助君) 五七、八畝を貸してありますが。
◎下地敏之君 大野山地区は市の方が関係があるではないか。
○農場長(大城喜助君) 一九五〇年度を一九五一年度に御訂正を願います。(第一表、第三表)
◎下地敏之君 集団農場でも事業局も食糧会社に移譲する考えはありませんか、よく研究なされて知らせて下さい。吾々も研究しますから。
○副知事(東風平惠令君) 事業局でも償還して行って居りますので別に考えはありませんか。船浮を民間にしようと云う話はありました。
○農場長(大城喜助君) 市当局からも調査に見えて居りました。
◎議長(玉城玄教君) 次は、公益質屋、歳出の方を見て下さい。
◎下地敏之君 一般会計は二〇万円は返さないが、返した上に増やさなければなりません。
◎砂川玄仁君 之は一九四九年度の陸軍記念日だと思うが。与儀さんが四九年度の年度が越せないから、公益質屋から二〇万円借り受け、時の財政部長垣花惠用氏、会計課長平岡さんとの話合ひで一九四九年九月に一五万円一九五〇年度に五万円返すことになって居る五月三十一日限りまでに払えない項目がないから入れられない。
○議長(玉城玄教君) 一般会計の繰出金一〇〇万円が八〇万円になった。
○知事(西原雅一君) 一般会計が借受けた以上、不正の金ではない。公益質屋資金が八〇万円となるんだ。
◎議長(玉城玄教君) 議案第四〇号を見て行かう。予算内支出をするため一時借入をするについて、銀行から借りられるようになって居りますね。政府として借受けが出来るかどうか。
○財政部長(島田文雄君) 借受けられます。
○副知事(東風平惠令君) 軍政府が認められたら借受けは出来ます。
○議長(玉城玄教君) 市町村もあるようですよ。
○知事(西原雅一君) 三〇〇万円を超過したら出来ません。三〇〇万円は理事会で出来ます。
◎議長(玉城玄教君) 諮問案第一号営業税の廃止について。
○財政部長(島田文雄君) 沖縄でも廃止されて居ります。
◎議長(玉城玄教君) 追加議案を見て下さい。事業部の移転(図面参照)茲にと云うことですね。(赤線の所)
○知事(西原雅一君) これにつきまして、平良市のものであるか、群島政府のものか、宮古群島の一部にくれたものでない。宮古群島にくれたものである。平良市に貸付けると云うことになる。宮古群島政府のものであると解釈してよろしいと思って居ります。
◎下地敏之君 図面が直線になって居るが、海岸線は突出して居る所もある。埋めた所は必ず自分のものでない。字有地にもなって居りますから実測をしなければなりません。
○知事(西原雅一君) 実測によって埋めてある。多良間の護岸工事も群島政府のものです。
◎議長(玉城玄教君) 旅費の審議を致します。第十四条に書いてあります。本島内は宿泊は認めない。公務の都合又は天災事変の場合は其の限りでない。
○警察本部長(砂川武俊君) 赴任旅費がないようですが、警察、文教部あたりは何とか考えて貰い度い。規定を作って置きますと、実費でも貰いますが。
◎下地敏之君 三月 日より施行する。
 一九五〇年十一月十八日特別職就任の日に遡及して之を適用する。
○議長(玉城玄教君) 表は適当に作って下さい。
 休会致します。(午後零時五十分)
○議長(玉城玄教君) これより始めることに致します。(午後二時十六分)
○財政部長(島田文雄君) 議会議員 郡外日当 一五〇円、宿泊 三五〇円、食卓料 一五〇円、知事も同額、副知事 日当一二〇円、宿泊 三五〇円、以下副知事に準ず(部長級)、以下二号表の通り。
○副知事(東風平惠令君) 食糧会社等とも御協力なさいまして、食糧も順調に行って居ります。そう云ったような事態を考慮しまして食糧対策準備としまして一時借入をし度いと思いまして提案しました次第であります。
◎副知事(東風平惠令君) 前総務部長與儀達敏さんに退職慰労金を差上げたいと思いますが如何でせうか。
○下地敏之君 将来のことがあるから条例化して置く必要があるから作ったらどうか。
○議長(玉城玄教君) 退職慰労金として上げたいが。前知事にも上げたから差上げ度い。
○福嶺紀仁君 将来退職給与金条例を作らねばなりません。
○砂川玄仁君 当局は財源はありますか。
○下地敏之君 私は反対する。
○副知事(東風平惠令君) 研究致しませう。
○議長(玉城玄教君) 条例は皆お読みになった筈ですがどうですか。
○副知事(東風平惠令君) 知事の権限で採用が出来るようにしてあります。
◎農場長(大城喜助君) 生産物取扱でお願いし度いのですが、農場収入に於て一万円以上の生産品売却について、相場変動がありますので第十六条の五項を活かして貰ったらと思います。
 今まで公入札をして来ました、市町村農業組合長さんにも通知しまして入札をしました。私の事務所前で説明しまして入札がどうも談合して居るように見られましたので随意契約をして居ります。生産物は随意契約をしてもよいとのことでやって居ります。
○下地敏之君 五項を活かしたら第十六条は駄目になります。
○福里芳夫君 農産物にして知事に於てと入れて下さい。
◎議長(玉城玄教君) 船舶検査手数料及漁船、貨物運搬船並に賃客運搬船、一五噸以下 五百円、一六噸以上三〇噸以下 七百円、三一噸以上五〇噸以下 八百円、五〇噸以上 一千円、漁船、一五噸以下 四百円、一六噸以上三〇噸以下 六百円、三一噸以上五〇噸以下 七百円、五〇噸以上 九百円。
○福里芳夫君 要救護者は別でせうね。
○議長(玉城玄教君) 往診がある場合は自動車賃はどこが負担しますか。
○財政部長(島田文雄君) 慈善病院から支出します。
◎議長(玉城玄教君) 使用料徴収条例はお医者さんに附託しませう。お二人に御願いします。
○福嶺紀仁君 議案第二十六号税賦課徴収条例改正の提案の言葉がない。
◎議長(玉城玄教君) 公営バスを免除すること。(但し市町村経営バス)次は議案第二十七号について、群島組織法第一六七条の規定にもあります通りで提案して居ります。
◎砂川玄仁君 特殊の技術とあります。電気、水道も入るのですか。
◎福嶺紀仁君 この条例が出来て入札の結果、談合入札をして居る風評がある。工事の入札には警戒を要します。委員も居られますので、皆さん協力して貰いたい。
◎議長(玉城玄教君) これで大体終りましたが、決算認定はどうしますか。一九四九年度で監査は全部済んで居ります。議員附託が出来る。三人で議員附託にしませう。玉城、嵩原、玄仁、本会議で委員附託にしませう。
○財政部長(島田文雄君) 復興予算歳入七一、二九五、六四〇円、歳出七一、二九五、六四〇円、之は一般会計、寄附金、補助金等を入れてあります。
○工務部長(高良憲松君) 総工事費八%出してあります。
○副知事(東風平惠令君) 予算の総額内で支給するようにします。
○工務部長(高良憲松君) 実際の補助金の説明及建築費の説明を為す。
◎池城朝清君 今先復興事業関係は時間ベースで行くと云う事ですか。
○財政部長(島田文雄君) 賃銀ベースに行けと指令があります。
◎福嶺紀仁君 下地盛寿さんの前の排水路が不完全であるから早急に改修出来ないものかね。
○工務部長(高良憲松君) よく調査しまして早急にする考えです。今年度は少し減って来て居りますが、学校の方を早く復旧する計画で土木の方を減らしてあります。桟橋工事費だけ四五〇万円程でした。桟橋は削られて居ります。
◎議長(玉城玄教君) 明日は午前中茲でお集りしまして午後から本会議に臨みたいと思いますが。
  (「賛成」の声あり)
 之で本日は散会致します。(午後四時六分)
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