戦後初期会議録

組織名
宮古群島議会
開催日
1950年12月21日 
(昭和25年)
会議名
第1回宮古群島議会(臨時会)[2]
議事録
一九五〇年十二月二十一日(木)
◎議長(玉城玄教君) 只今から開会致します。(午前十時二十五分)
  (書記をして出欠議員の報告をなさしむ。)
   出席議員
     議長  玉城 玄教
     一番  平良 金一
     二番  福里 芳夫
     三番  嵩原 惠典
     四番  渡久山知照
     五番  下地 敏之
     七番  池城 朝清
     八番  福嶺 紀仁
     九番  砂川 玄仁
   欠席議員なし
◎議長(玉城玄教君) 本日の日程を御知らせ致します。
 本日は議案第四、五、六、七号を一括上程しお諮り致します。
 議案を朗読して下さい。
◎番外第一番(総務部長) 議案第四号を朗読しつつ御説明申し上げます。
 本条例は群島組織法第二十六条に基づいて定められた提案であります。
  (第四号議案の朗読)
○議長(玉城玄教君) 第四条の但書は読まないでもよいでせう。
○番外第一番(総務部長) 続いて臨時職員設置条例について朗読致します。
◎二番(福里芳夫君) 工務部長一名は次の臨時職員設置条例の工務部長一名と重複しないか。
○番外第一番(総務部長) 臨時職員条例の工務部長一名は復興費支弁でない。只名義上に記したものである。序に申し上げますがこの臨時職員と云うのは復興費は来年までであるようですから職務遂行上割当てたものである。第三項の中には農林省か(からカ)知事の移管になって居りますので職員も入って居り、何れも実際は軍の管轄下にあるのですが、群島組織法に基づいて組んだ人員となって合計八十八名となって居ります。
○議長(玉城玄教君) 第五号、第六号議案も朗読して下さい。
◎番外第一番(総務部長) 議案第六号も説明にかへて朗読致します。
○議長(玉城玄教君) これで議案第四、五、六号の説明を終わりました。丁度定時となりましたから休会致します。(午前十一時一分)
○議長(玉城玄教君) 休会中に議案第四、五、六号について話合いをお願い致します。
○議長(玉城玄教君) 開会致します。(午後零時三分)
○三番(嵩原惠典君) 休会しまして昼食にして貰い度いと思いますが如何ですか。
  (「賛成」の声あり)
◎五番(下地敏之君) 只今の第四、五、六号について修正案の通として施行月日を一九五〇年十二月十八日と記入して下さい。
◎議長(玉城玄教君) 議案第四、五、六号の修正されたものを確定議に致し度いと思いますがどうですか。
  (「賛成」の声あり)
 其れでは確定議と致します。
○議長(玉城玄教君) 只今三番議員から動議がありましたが、昼食と致しまして午後一時三十分から会議を続行致します。(午後零時二十分)
◎議長(玉城玄教君) 開会致します。(午後一時四十五分)
 午後の日程は第七号議案を審議致します。
 第七号議案について質問なり話合いを御願い致します。
◎五番(下地敏之君) 議案について伺い度いのでありますが、集農のこと、船浮事業全部も当時の経費は借金によって運営されたと思います。而し(然カ)当時の当不当は問題にしなく当時借り受けたのは何位あったか其の支払は何位か、現在何位残って居るかを一応伺いします。若し其の借金を何等かの方法で支払はなければ其の利子は年々増加となるが、支払の方法については政府としてどう考えているか、又現在復興費予算によっての年貢(賦カ)払いと云うのも恐らく不可能であるから何等かの方法をとらねばいけないであらう。のみならず特別会計と云うのは自給自足の方針に充てるべきものでなければならない。若しこの予算案にも見えている通り一般会計から引張るとしたなら私は其れをどうかと思う。そうすれば一般会計は特別会計のまわしものとなり、所謂健全な財政となすことは出来ないのである。現在一般会計の帳尻には何位の残金が残っているのか、其の残金をどうするべきか其の意見を聞き度い。もう一つは明日申し上げるべきであるが、幸い集農も事業部も経済と関係がありますので述べますが、昨日の知事の挨拶にも自立経済を主張し各方面の委員をあげて各部の資料の蒐集や色々の準備を抱いて専門家等により経済政策を樹立するとの事でありましたがそうすれば強力な議会としての組織にもなり法的仕事をした経済委員会より拘束的委員会となり拘束力を持つ委員会となる。
○議長(玉城玄教君) 只今五番議員さん軍政官殿来庁致しますので休会致します。(午後一時五十三分)
○議長(玉城玄教君) 開会致します。(午後二時四十八分)
◎五番(下地敏之君) 委員会は議会の調査研究が適当であると思うから政府は緊急に条例其の他を提出して貰いたい。次に従前までは船舶の貸与、資材の販売も自由販売となって居りましたが、組織法第百六十七条の「財産の売却及貸与、工事の請負等は総て議会の同意を得る」となっている。そういうかたい規定があらはれているが、従来の官吏制度から一歩進んで不公平がない為に議会に附すようにとのかたい規定になったと思う。
 其の理由によって自由主義を充分に解し議会に附す考えはないのか伺いたい。其の時財産管理委員会を組織し条例を作って条例で決めて適当なる処置に出られ度いと思う。集農食料品のことに就いては全く五里霧中島外移出に就いて当局はどう思うか、二、三年前は島外移出は出来ない状態にあったが今は一部のブローカーにより自由にされている。八重山はすでに配給停止になっているが、若し宮古から島外に移出すればその利益は一部のブローカーによって得られ、勢い八重山の二の舞を踏むかもしれないと思う。更に沖縄民政府の書類を見ると追加更正予算は補正予算となっているから今後訂正して戴き度い。
○知事(西原雅一君) 五番議員の質問に対し集農、事業部の事に就いては其れに関係している方々に御譲りして、委員会を経済部にお願いして法による群島議会と別個のものによって何とか理想通にして見たい。委員会も皆様方がやるべきもののように考える。案を作るとか、条例をつくるとか皆様方の協力によって出来るだけ御力添えを御願いしたい。然し、船舶によるものはやらない。今後は法に基づいて総てをやる考えである。
 食糧品の輸出、其の他重要なものは軍政府の許可を受けねばならない。其の他の重要なものは知事の権限で厳重に取締をし度いと考えて居ります。
○番外第十番(大城喜助君) 五番議員(下地敏之君)さんの質問にお答え致します。農場借入金の総額は三、一八一、六三六・八五円となって居ります。其の内訳を申し上げますと、琉銀 二、一八一、六三六・八五円(償還済)、経理部 一、〇〇〇、〇〇〇・〇〇円(償還済)、計 三、一八一、六三六・八五円
 現在の借入金高、琉銀 一、四五六、二〇〇・〇〇円(一、六三六、二〇〇・〇〇の中一八〇、〇〇〇・〇〇は十一月二十日支払済)、経理部 九五〇、〇〇〇・〇〇円、計 二、四〇六、二〇〇・〇〇円、今年度も予定の償還も出来る可能性があります。砂糖十斤十円から落ちなければ償還は確実と思います。
○番外第一番(総務部長) 五番議員(下地敏之君)さんの質問にお答え致します。創立当時の借入金、経理部 一、五三〇、〇〇〇・〇〇円、琉銀 一、五〇〇、〇〇〇・〇〇円、計 三、〇三〇、〇〇〇・〇〇円
 償還を為したる分、経理部へ 九三〇、〇〇〇・〇〇円、琉銀へ 五〇〇、〇〇〇・〇〇円、計 一、四三〇、〇〇〇・〇〇円、差引残高 一、六〇〇、〇〇〇・〇〇円
 差引残高内訳、経理部 六〇〇、〇〇〇・〇〇円、琉銀 一、〇〇〇、〇〇〇・〇〇円
 償還計画は樹立してありまして何時でも総精算が出来るようになって居ります。
 次に自主経済を前にして常任委員会を運営して行く、常任委員会は議会の始めに於て法第六十一条に基づいて議会に選任されたら其れに依って条例を作る用意はしてあります。日本本土でも補正予算となって居りますので、今後は補正予算に改めて行き度いと思います。
◎議長(玉城玄教君) 予算の審議に就いては款を追って行き度いと思いますが如何でせうか。
 予算は一般会計、事業局、直営農場となって居ります。議案第七号を上程し度いと思いますが。
  (「賛成」の声あり)
◎九番(砂川玄仁君) 一九五〇年度一般会計及追加更正予算を見ると収入に於ても約三十万の追加を更正され支出に於ても新設科目が追加されて居ります。
 尚復興事業部に於ても約十五万追加更正されて居ります。直営農場も同様となって居ります。
 財政難の今日、予算編成に相当苦心の後が判然として居りますので読会を省略しまして賛成致します。
  (全員「賛成」の声あり)
◎議長(玉城玄教君) 議案第七号は之で確定議とします。今日の日程は終りましたので散会しまして明二十二日午前十時より開会致します。(午後三時十二分)
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