戦後初期会議録

組織名
沖縄群島議会
開催日
1952年03月15日 
(昭和27年)
会議名
第13回沖縄群島議会(定例会)第一部委員会 1952年3月15日
議事録
 第十三回沖縄群島議会第一部委員会議事録
  一九五二年三月十五日(第一日目) 於群島議会々議室
  午前十時開議
○委員長(石原昌淳君) 開会致します。出席七名、欠席三名であります。昨日の本会議で第一部委員会に付託になりました事件の審査を致します。
 最初に議案第一号一九五二年度沖縄群島歳入歳出追加更正予算を議題と致し、当局の説明を求めます。
○主計課長(板良敷朝基君) 最初に歳入歳出の大要の御説明を申上げ、逐次御質問に応じて御説明申上げることに致します。歳出面に於ける追加の主なる項目は、群島政府解消並に七月十二月に於ける病院、診療所閉鎖に伴う、人員整理による退職見込人員九二七名の三ケ月分の退職給与金九、〇三五、〇〇〇円と前民政府当時の増俸未払一〇、八二〇、〇〇〇円、諸手当一、八四八、四三〇円、其の他当然追加を必要とする項目で別表第四補填表の通り二七、三〇〇、一〇四円余の増になっております。
 追加の概略を申上げますと、
  知事室事務局の需要費六〇、〇〇〇円は議会々議録其の他公報印刷費の増であります。
  総務部の旅費四〇、〇〇〇円は副部長の日本出張等による増で、職員給与費一〇、八二〇、〇〇〇円は前民政府当時の増俸未払、退職給与金九、〇三五、〇〇〇円は群府解消並に七月十二月の診療所閉鎖に伴う人員整理見込人員九二七名の三ケ月分で、計一九、八九五、〇〇〇円の増であります。
  財政部の需要費三、〇〇〇円、旅費九四、六〇〇円、諸手当二七、六〇〇円、通信費九八、〇〇〇円は何れも徴税強化のための増額で、返還金五八一、二五〇円は前民政府時代の自動車賃貸料を行政費に計上致したのであります。
  工務部の建築費五一、八四五円は木材購入に際し琉銀為替組料が行政費より支払う様軍からの通知がありましたので計上してあります。
  文教部の建築費二、三三六、〇〇〇円は手持資材校舎の建築費で、俸給三九一、〇〇〇円は俸給不足見込の追加であります。
  厚生部の需要費八、三四〇円は看護婦学校教科書購入費、諸事業四四、四八九円は伯国沖縄同志会よりの指定寄附、家屋購入費の五〇、〇〇〇円は渡嘉敷診療所として民家一棟を購入、救済費一四三、四〇〇円は沖縄復興ハワイキリスト教後援会及びマウイ琉球連盟よりの指定寄附、計二四六、二二九円の増であります。
  警察部の需要費二三、四八〇円は留置人給食に要する薪炭費、諸手当一、八二〇、八三〇円は当初予算に於て過少の見積りであったのと、軍より五〇%の補助を予定してあったが予定通りの補助がないため追加、通信費二二〇、五四〇円は電話使用料の増、建築費三〇五、六〇〇円は喜舎場、粟国派出所、及び組立式倉庫設置の費用、其の他没収品諸掛費四八二、八〇〇円、食糧費四八〇、二三〇円、修繕費一八二、一八〇円、計三、五一五、六六〇円の増であります。
 申上げました追加の補填に当っては群島政府解消を考慮して十月に於て一千万円の歳出を凍結し、一月頃より各部と検討を加え節減可能な項目については極力節減をなし、尚一千万円の捻出に努力し、二〇、二〇〇、八〇〇円を獲得したのであります。尚一方徴税面の強化を図り、七、〇九九、三八四円の歳入増を見込んで充当したのでありまして、捻出及び歳入面の詳細の説明は別表第一(捻出)、第二(歳入増)にありますので省略致します。
  群島政府解消による最後の整理、結末の追加更正予算でありますので歳入、歳出面共に細心の検討を加え執行面は勿論、中央政府引継ぎに際して万遺憾ない様努力致したのであります。
 而し予算であるからには歳入歳出面に於て多少の変動は予想せられるが四月一日を以って一切の債権、債務が中央政府の責任に於て引継がれる事になっております。
 以上簡単に御説明申上げまして、詳細については、都度御説明申上げます。
○委員長(石原昌淳君) 質疑に入ります。
○仲村栄春君 予算編成の方針でありますが、部を単位としての方針か、それとも政府全体としての方針であるか伺います。
○財政部長(仲宗根秀俊君) 飽迄も政府全体としての方針であります。即ち十月頃より群島政府解消を前提として歳入増加は望まれないから既決予算の節約をする事に部長会で図り各部共節減の方針は一定していたのであります。
○石原昌淳君 歳入面の検討上現在に於ける申告所得税の徴収状況を詳知したいから其の資料を提出して貰いたい。
○財政部長(仲宗根秀俊君) 御要望の件は後程刷物にして配付致します。
○石原昌淳君 申告所得税の補正は三月中だと思うが、完了したか、四月以降もやる方針か。
○財政副部長(久場政彦君) 三月一杯で整理致しまして五月迄に確定致します。
○祖根宗春君 退職金を三ケ月分に決めた理由と其の根拠、即ち軍よりの指示か、政府財政の関係か。四八年度の所得税を財源にせば六ケ月分或は八ケ月分は支給出来ると思うが、どうか。
○財政部長(仲宗根秀俊君) 退職金の三ケ月の根拠は軍が指示したのであります。四群島の部長は日本の例により八ケ月分(退職金四ケ月分、転職金四ケ月分)を要求し、尚群島の負担でなく軍より出して貰う様折衝をしたのでありますが容れられず三ケ月分になったのであります。大島側は十ケ月分を要求し、更に知事会談に於ても要求しましたが拒否されたのであります。
 四八年度の所得税を財源にすることに対しては、四八年度の所得税は相当徴収不能があり、尚徴収するにも現在手が廻りかねる状況であります。
○委員長(石原昌淳君) 午前はこれで終えまして午后一時より再開致します。
  午后〇時十分休会

  午后一時三十分再開
○委員長(石原昌淳君) 開会致します。午前に引続き質疑を続行致します。
○祖根宗春君 第二部知事々務局費中、印刷費の増の理由、印刷費は全部を見越しての予算であるか。
○主計課長(板良敷朝基君) 印刷費の増は議事録公報登載費等の増で三月一杯を見積って、四月以降は中央政府の責任であります。
○祖根宗春君 印刷費は入札制であるか、随意契約であるか。
○主計課長(板良敷朝基君) 印刷は技術等も考慮に入れ見積を徴して随意契約であります。
○石原昌淳君 前民政府当時の職員五割増俸は布令七号には関係ないか。
○財政部長(仲宗根秀俊君) 其の当時の布令七号の範囲内であります。
○祖根宗春君 退職給与金は見込で編成してあるが、人員に相違があった場合はどうするか。七月十二月に閉鎖になった診療所の整理職員も含むのであるか。
○財政部長(仲宗根秀俊君) 過不足の人員に対しては中央政府の責任で群島政府は一切の債権、債務を引継ぐ事になっております。整理になった診療所の職員も含むのであります。当時財源を見つけて支給する予定が今日になったのであります。
○祖根宗春君 経済部事業費の縮小は農村金詰りの今日遺憾に思うが、事業施行が不必要か、又は財源捻出のための節約か。次に堆肥奨励費は約束の半分しか渡してないがその理由を伺いたい。
○経済部長(呉我春信君) 事業施行は不必要ではないが今迄財源の関係で扣えてあったのや其の他の理由もあります。簡単に御説明申上げますと、畑作廃止防止費の減は機械力の解消による減で、野鼠螟虫駆除費の減は、春秋二回実施の予定が成果が上らないので減じたのであります。農業基本調査費は四月より始める予定が七月より実施したためであります。農業協同組合促進費の減は農林省と重複しましたので全部減じたのであります。砂糖生産品調査費の減は颱風のため甘蔗の成熟が遅れて調査が三月になったためであります。
 堆肥奨励費の半額は群府解消を扣え財政方針上一般経理と歩調を合すための節約であります。
○祖根宗春君 造林費を節減した理由、次に建築費を工事中止して減じてあるが中央政府が引継いで施行するかどうか。
○経済部長(呉我春信君) 造林費の減は林野局から苗木が来ないのと、台湾から種子が予定通りこないためであります。建築の件は中央政府で是非継続してやらねばならぬ事業であります。
○祖根宗春君 経済部の俸給は相当減になっているが過大に見積ってあったのか。
○経済部長(呉我春信君) 農林省からの補助を予定してなかったのであります。
○仲村栄春君 工務部の建築費中、銀行手数料、為替組料は群島政府経費としての性質なりや。
○土木課長(伊佐真人君) 軍の補助金より賄うべきでなく行政費より賄うべきであると軍よりの通牒により計上したのであります。
○祖根宗春君 文教部費中、離島関係の教員再教育をやらないで予算を残してある理由を伺います。
○文教部長(屋良朝苗君) この問題は中央政府に引継いで文教局でやって貰う様御願いする。
○石原昌淳君 学校建築の件で中農にその割当がない理由。
○文教部長(屋良朝苗君) 手持資材のある学校で永久校舎に割当る方針を取ったのであります。
○山川宗道君 海洋高校の練習船の修繕費が計上されてないが、どこから支出するか。
○主計課長(板良敷朝基君) 訓練講習費の中から最近支出済になっております。
○祖根宗春君 法務部費中、久米島、辺土名の登記所を建築して貰う様要望してあったが本予算に計上されてない理由。
○仲村栄春君 登記所の消耗品費五一七、七五〇円の減は大きいが其の理由。
○主計課長(板良敷朝基君) 法務部の方が見えておりませんので後程御答えすることに致します。
○祖根宗春君 警察部費中、喜舎場、粟国の駐在所を造ってあるが之が前例となった場合別の駐在所はどうする考えか。
○財政部長(仲宗根秀俊君) 粟国は離島でもあるし、殊に問題もあった所で民家を借りるにも困難な島であります。喜舎場は軍民混合せる特殊地域でその必要を認めたのであります。尚其の外の駐在所は建前として政府が造るべきで将来もそうなると思います。
○平良幸市君 警察部諸手当の著しく増額した理由を伺います。
○主計課長(板良敷朝基君) 本予算で増額致しました理由は当初予算に於て過少に見積ってあったのと、軍よりの五〇%の補助を期待しておりましたが減じられたからであります。
○祖根宗春君 厚生部費中、職業学校の職員が生徒数に比較して多すぎると思うが減ずることは出来ないものか。
○厚生部長(宮城普吉君) 特殊な職員であるので減ずる事は困難であります。
○平良幸市君 動物購入飼育費が全減して項目存置になっているがどう云うわけか。
○厚生部長(宮城普吉君) 飼育小屋がないため購入を見合せたのであります。
○主計課長(板良敷朝基君) 第二二頁の家屋購入説明中、渡名喜診療所とあるは渡嘉敷診療所の誤に付き訂正を願います。
○委員長(石原昌淳君) 歳出面について尚質疑ありませんか。
  (「質疑なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(石原昌淳君) 次は歳入面の質疑に移ります。
○祖根宗春君 間接税のサービス税が上ったため収入が減ったと云うがどうか。映画館等脱税があるように聞いているがどうか。
○財政副部長(久場政彦君) サービス税は減ってはおりません。映画館は税務署員が監視に行っておりますから脱税はありません。税外収入については上るとも思われるが又一方減る事も考えられます。調節するところが予算計理であります。
○委員長(石原昌淳君) 尚外に質疑ありませんか。
○祖根宗春君 本予算と関連して要望みたような事でありますが、本員は退職金の三ケ月分支給には反対である。四十八年度の所得税を歳入前提として六ケ月分の支給方を要望する。議会としても軍に六ケ月分支給して貰う様陳情すべきである。
○財政部長(仲宗根秀俊君) 四十八年度の所得税は色々情況を異にしているし、尚現在五一、五二年度の所得税徴収に全力を注いでいるので其の余力がない。
 四十八年度は徴収条例から除外されているので徴収が困難である。
○祖根宗春君 四十八年度の所得税を徴収せないと云うことは既に納付した者もあって、納税思想に悪影響を来たす結果になる。罰則を適用して徴収すべきである。
○財政部長(仲宗根秀俊君) 徴収せない訳ではない。現在その余力がないから債権として中央政府に引継いで整理をするのである。
○石原昌淳君 四十八年度の所得税を取るために五十一、五十二年度の収入が少くなり、かえって現金を少くする結果になる。債権としてあっても、現金がなければ空手形である。事実に執行出来ないことを議会は議決して要求することは、当を得てない。出来る範囲で議決すべきである。
 群島政府解消により債権債務一切を中央政府が引継ぐからには、はっきりしたことはわからないにしても、大体の採用人員は各群島に示して退職給与金を各群島の責任に於て予算化さすべきである。沖縄群島政府は事業費を圧縮してまでも九百万余の退職金を計上してあるのに、他の群島が退職金を過少に見積った場合片手落の感がする。即ち四月以後になって中央政府に於て債務の形で支払をすることになった場合、沖縄住民の負担となる事をも考えられる。勿論退職者を過少に見積って債務として中央政府に引継ぐと云う訳ではないが、四群島共に均衡と歩調を合す意味からして概略の数字でも示して貰うべきである。
○財政副部長(久場政彦君) 吾々は予算道徳において実質に近い数字を計上したのであります。政府解消に当って、最終の美を持つと共に、退職する方についても生活の保証上すぐ現金が手に渡ると云う事をも考えておりますし、若し債務として中央政府に引継いだ場合現金の支給が遅れる事も考慮に入れております。
 退職者の数も人事銓衡委員と打合せておりますが、中央政府としてもまだはっきりした人員がわからない様であります。
○平良幸市君 要望でありますが、予算説明はもっと詳細に具体的に記載して頂きたい。そうすれば無駄の質問が省けると思います。
○委員長(石原昌淳君) 尚外に質疑ありませんか。
  (「質疑なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(石原昌淳君) 質疑がなければ討論を省略して、本案を原案通り可決したいと思いますが、御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(石原昌淳君) 御異議ないと認めます。依って本案は原案通り可決致します。
○委員長(石原昌淳君) 本日の委員会はこれで終了致しまして、十七日午前十時再開致します。
  午后四時十分散会

  一九五二年三月十七日(第二日目) 於群島議会々議室
  午前十時三十分開議
○委員長(石原昌淳君) 開会致します。出席八名、欠席二名であります。
 議案第二号一九五一年度沖縄群島歳入歳出決算についてを議題と致します。当局の説明を求めます。
○会計長(課長カ)(本村朝宜君) 御説明申上げる迄もなく決算書により御承知の事と思いますので審議の都度御説明申上げることに致します。
○委員長(石原昌淳君) 本案の審議の方法を御諮り致します。如何なる方法で進行致しますか。
  (委員長の審査方法諮問に対し、委員間に色々議論され、即ち決算認定をする前に監査委員の監査結果の説明を求めた後審議してはどうかとの説もあったが、監査委員は決算の監査をするのでないから議会としては、監査委員が監査の結果、特に指摘した個所に対して、当局はそれを実施しているかどうか、又は今後の処理方法等を批判すべきであって、監査委員の説明を求むべきではない。吾々議会としても、監査の都度其の報告を受けているので改めて監査委員に説明を要求すべきでないとの事で審議を進める事にした。)
○委員長(石原昌淳君) 本案は軍の監査を終え監査委員会の監査の結果報告も受けているし、知事も正当と認めているので、この儘認定してはどうか。
○祖根宗春君 委員長の説の通り認定してもよいが、一応は款項を追うて審議してはどうかと思います。
  (「賛成」と呼ぶ者あり)
○委員長(石原昌淳君) では一般会計の歳入面より款項を追うて質疑に入ります。
○平良幸市君 四九年度、五〇年度は軍の監査を終えているか。次に第三款軍補助金の未収入額は事業補助費の減であるから決算形式に於て未収入にはならないと思うが債権としての性質があるか、収入可能であるか。
○会計長(本村朝宜君) 軍の監査は終えております。次に御説の通り事業によって補助するので、予算と実際補助との差額で未収入でもなく債権の性質もないのであります。
○祖根宗春君 軍と民との予算の考え方は違うと思うが、第三款第四項第五目の衛生補助金の大きな減はどう云うことか。
○財政副部長(久場政彦君) 開放病院等建築中止のためであります。
○祖根宗春君 雑収入の御説明を願います。
○会計長(本村朝宜君) 大方が寄附金であります。
○委員長(石原昌淳君) 歳入面について尚質疑ありませんか。
  (「質疑なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(石原昌淳君) 質疑がなければ歳出に入ります。
○仲村栄春君 第五款刑務所費中、就業費の不用額が大きいが、これは刑務所の労務者収入に関連すると思うが、歳入面に於て欠陥は来てないか。
○会計長(本村朝宜君) 収入面の少いのは製造した煉瓦は売らないで刑務所関係の修理に当てたからであります。
○祖根宗春君 囚人労働による収入が支出より多くなる事はないか。
○財政副部長(久場政彦君) 収支の均衡は何時の時代でも出来ないと思います。
○祖根宗春君 第七款財政部費中、雑給が半分以上不用になっているが人員の減か、その理由。
○会計長(本村朝宜君) 後で説明申上げますが此の雑給は吾々の普通考える雑給でなく外の費用だと思います。
○平良幸市君 第七款第三項第四、五、六目は廃目になっているがどう云う訳か、実際は支出せると思うが何より支出せるか。
○会計長(本村朝宜君) 此れは十二月の議会で廃目し雑給より支出しております。
○仲村栄春君 第十五款厚生部の器具機械費、賄費の不用額が大きいがどう云う訳か。
○会計長(本村朝宜君) 此れは保健所の工事が遅れて従って開所が遅れたためであります。
○祖根宗春君 第十六款警察部の需要費の不用額が大きいが一括して説明して貰いたい。
○会計長(本村朝宜君) 此の費用はガリオア資金から出たためであります。
○祖根宗春君 五二(一カ)年度予算は四回も追加更正があったのに決算に於てこんな不用額が出るとはどう云う訳か。
○会計長(本村朝宜君) 軍は年度終りまで何んの連絡もなく最後に軍補助を出す等の関係でこう云う結果になっています。
○平良幸市君 五一年度補助金は財政部を通らないで関係部で処理したのがあるか。
○会計長(本村朝宜君) あります。工務部関係の補助等であります。
○祖根宗春君 決算がもっと早く出来なかった理由は。
○会計長(本村朝宜君) 内容が複雑で予算形式の統一がなく形式の変更等で遅れたのであります。
○仲村栄春君 流用もし、予備費よりも支出してあるにかかわらず不用額が増し、より多い個所があるのは適当とは考えられない。
○平良幸市君 決算認定に於て軍補助関係の内容が知りたいが財政部を通らないと云うことは遺憾である。
○委員長(石原昌淳君) 次は特別会計の歳入歳出を一括して質疑に入ります。
  (「質疑なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(石原昌淳君) 質疑がなければ討論を省略して、本案は原案通り認定する事に御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(石原昌淳君) 御異議ないと認めます。依って左様に決しました。
○委員長(石原昌淳君) 午前はこれで終えまして、午后一時半再開することに致します。
  十二時三十分休会

  午后一時三十分再開
○委員長(石原昌淳君) 再開致します。
 議案第三号を議題とし、当局の説明を求めます。
○財政副部長(久場政彦君) 議案第三号の提案の趣旨は群島政府機能の廃止に関する布令第六十九号の公布によって退職金は三ケ月分の俸給額を超えず免税とする事になっておりますので、琉球政府設立によって当然解消される沖縄群島政府及び琉球臨時中央政府の退職者並びに地区病院、診療所の廃止による退職者の受ける退職金に対しては所得税を免除したいとの事で本条例案を提案したのであります。
 よろしく御審議を願います。
○委員長(石原昌淳君) 何か質疑ありませんか。
○平良幸市君 今回群島政府解消に伴う退職者に対しては別に退職金給与規程の必要はないか。
○財政部長(仲宗根秀俊君) 必要は認めません。予算執行によってよいと思います。
○委員長(石原昌淳君) 政府の機構改革による退職でありますので、出来得れば六ケ月分程度でも支給したい程で、尚各委員の方も三ケ月分では少なすぎるとの御意見も承っておりますので本案は討論を省略して原案通り可決したいと思いますが、御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(石原昌淳君) 御異議ないと認めます。依って本案は原案通り可決致します。

○委員長(石原昌淳君) 次は議案第四号救済事業に充当のための贈与金受領についてを議題と致します。
 当局の説明を求めます。
○財政部長(仲宗根秀俊君) 御説明申上げる迄もありませんが、此の寄附金を一般予算に繰入れて事業目的に充当し寄附者の御芳志に副いたいと思って提案した次第であります。
○委員長(石原昌淳君) 本案による贈与金は追加更正予算に既に計上されておるし、更に使途目的を指定しての寄附金でありますので当然の処置だと思いますので、質疑討論を省略して原案通り可決致したいと思いますが如何ですか。
  (「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(石原昌淳君) では本案は原案通り可決致します。

○委員長(石原昌淳君) 議案第五号の群島道路の承認についてを議題と致します。当局の御説明を求めます。
○工務部長(渡嘉敷真睦君) 提案の理由を簡単に御説明申上げます。群島道路条例第九条の規定によりまして、群島道路は議会の承認を経て知事が認定する事になっております。
 群島政府も三月末日を以て解消致しますので中央政府に引継ぐためにも是非認定する事が必要であります。中央政府と致しましても、中央政府道路として認定するのに都合がよく、又その根本たる資料となると思います。中央道路として認定せしめるためには政治的工作も必要であると思います。各群島共然りと思います。
 沖縄群島道路として認定したい路線は別表の通りでありますからよろしく御審議を願います。
○石原昌淳君 ルイス准将と会見した際、道路の潰地の補償に対しては、はっきりした事はわからないとの返事でありまして、多分出さない様に考えられるが住民の負担になりはせないか。
○工務部長(渡嘉敷真睦君) 御説も御尤もだが中央政府に於て中央道路として認定する場合に資料がないと困ります。
○祖根宗春君 承認せば得になるか、せなければ損になるか。
○平良幸市君 道路条例がある以上は認定しておかないと、市町村道路の認定にも支障が来る。中央政府に就て取捨選択するならそれでよい。
○委員長(石原昌淳君) 別表の内容について検討する事に致します。
○祖根宗春君 実際見ないと表だけではわからない。離島では戦前県道であったのが、この表より除外されている。尚離島で全然入れてない処がある。離島にある斯る道路は市町村自体ではどうしても維持出来ない状態にある。こう云う道路も認定の考慮に入れて貰いたい。
○平良幸市君 本表に決められた認定案の順序を説明して貰いたい。
○土木課長(伊佐真人君) 一に元県道、二に戦争のため米軍が元の市町村道及び農道を広くして元県道路以上の路線を入れてあります。
○平良幸市君 元の県道予定線は大きな変化がない限り入れて貰いたい。
  (全員賛成)
○仲村栄春君 公園道路も観光道路として入れて貰いたい。
○知花高直君 元県道予定線は何か記録はないか。
○土木課長(伊佐真人君) 記録がないため、記憶を辿る外方法がありません。
○平良幸市君 軍道路の延長がわかりましたら知らせて貰いたい。
○土木課長(伊佐真人君) はっきりした延長は、わかりません。
○委員長(石原昌淳君) 元県道予定線は原則として、尚戦後の重要路線も入れる事にして当局にお任せしてはどうか、又委員で詮議して行くか。
  (当局に任せたらよいとの声あり)
○委員長(石原昌淳君) では今迄で論議された線を考慮に入れて政府に於て一応案を作製し、一部委員に再提出して原案と見傚す事に致したいと思いますが御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(石原昌淳君) 御異議ないと認めます。依って本案は原案通り可決致します。
○委員長(石原昌淳君) これで第一部委員会に付託になりました事件の審査を終了致しましたので、閉会致します。
  午后四時散会
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