戦後初期会議録

組織名
沖縄民政府
開催日
1946年05月29日 
(昭和21年)
会議名
軍民連絡会議 1946年5月29日 目録詳細 画像を見る
議事録
軍民連絡会議〔予算・生産品・疎開者帰還〕

  五月二十九日(水)午前九時
  出 席 知事以下十六人。
  軍政府 ローレンス少佐、ペリー少尉。
  筆記者 屋宜文書課長。
諮詢事項
 志喜屋知事
  予算の件に関し総務部長は明日午前中にムレー大佐に提出す。
  五月分の俸給は軍政府より総務部が借りて支払ひ、六月分よりは銀行から支払ふことになって居る。
 軍政府
  村の予算が未提出であるから直ぐ提出する様に。
  村の方の金は全部財務に上げる。
  午後三時迄でに離島は概算でよいから予算を提出する様に。
 護得久部長
  六月分の予算は一日迄でに財政部に提出する様に願ひます。
 軍政府
  沖縄の生産品の値段は商務部と工業部とに相違があるが如何なる理由か。
 安谷屋部長
  生産品の値段決定後労銀を上げたので引合はなくなった為め不得已引上げたので当然上ぐべきである。
 他部長
  今日は決定値で売って七月後に考慮されたい。
 軍政府
  商品の値段については至急報告をされたい。瓦六円二十五銭を二十円に変更すること如何するか。
 安谷屋部長
  是非値上げして貰いたい。責任は私にはない。
 護得久部長
  工業に関する製品の値段の責任は全部で負ふから無条件に認めて戴きたい。
 志喜屋知事
  今回は軍政府の値段で売り近く改正申請をします。
 軍政府
  五月分の製品は此の値段で支払ふか。
 護得久部長
  それでよろしい。
 軍政府
  未決定の商品値段は至急報告されたい。
 糸数部長
  承知しました。
 軍政府
  米国からの輸入品の値段は安くないか。
 糸数部長
  戦前其商売をやって居た人々に見せて決定し係将校も二世も意見を云って決定した。
 軍政府
  救済にやるのは小売値か卸値か。
 又吉部長
  卸値である。
 軍政府
  賃銀標準十三級の間、即ち四〇〇円と五〇〇円との間に四五〇円を入れて貰いたい。
 志喜屋知事
  之は良い様ですが一週間程研究させて下さい。
 軍政府
  牛、馬、豚等に値段を付けてあるか。
 比嘉部長
  値段を付けつゝあります。
 軍政府
  離島から早く付けてくれとのことである。
 志喜屋知事
  近く日本に疎開して居る者十四万人が帰郷するとのことで嬉しくもあり且つ食糧、住宅等で心配もして居るが、何時帰へるか御存じでないでせうか。
 軍政府
  今軍政府では食糧と材木の輸入計画をして居る。
  何時帰へるか決定したら知らす。
 志喜屋知事
  之で心配もとれて全部喜ぶばかりです。有難う存じます。
 軍政府(ペリー)
  今四隻の船が渡久地に居る。一は石川、一は糸満、一は久米島――にある。
  其外三隻来ることになって居る。
  銀行、裁判所、店等を久米島に設置する計画はないか。それを報告して貰いたい。
  又輸送の計画も報告して貰いたい。経済も沖縄と一緒になる様に計画をして報告して呉れ。
  仲里村・具志川(久米島)両村長が闇取引は如何するかと話して居たが。
  船は何隻要るか。
 糸数商務部長
  七離島のために三隻要す。東海岸は二隻要す。漁業部と相談して下さい。
  渡久地に在るものは漁船に代へない方がよい。
 軍政府(ペリー)
  離島への計画を一週間以内に提出して貰いたい。
 志喜屋知事
  物価未決定のものは何日迄でに出来るか。
 糸数部長
  六月七日迄でに出来る。
 志喜屋知事
  値段の改訂は如何するか。
 安谷屋部長
  午後四時から会ふことにして居る。出来得れば具体案を出す。
 決定
  安谷屋・糸数両部長に委任す。
  賃銀の件は糸数・當銘・島袋の三氏から金曜日迄でに提出すること。
  離島連絡係を商務部に置くこと。
上へ戻る