戦後初期会議録

組織名
沖縄群島議会
開催日
1951年03月20日 
(昭和26年)
会議名
第6回沖縄群島議会(定例会)文教厚生委員会 1951年3月20日
議事録
 第六回沖縄群島議会(定例会)文教厚生委員会議事録
  一九五一年三月二十日
  於 文教部
  午前十時三十五分開会
○委員長(玉城泰一君) これから文教厚生委員会を開会致します。出席五人、欠席一人であります。本日は議会から本委員会に付託されました三つの条例案について御審議を願います。
 議事の進め方についてお諮り致したいとおもいますが、付託になりました三つの条例は何れも密接な関係がありますので一応文教当局の説明を聴いた上で更に本会議(ママ)に移りたいとおもいますので説明をする間休会致したいとおもうのですが如何でせう。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(玉城泰一君) 御異議ないようでありますから一応休会致しまして文教当局の御説明をお願致します。尚質問があれば質問をしていただきたいとおもいます。
  (十時三十六分休会)

  (十一時十六分開会)
○委員長(玉城泰一君) 開会致します。沖縄群島教育基本条例案を議題と致し質疑に入ります。先ず前文について御質疑がありましたら。
○普天間俊夫君 環境から来る制約を克服しというところは後の個性豊かな文化の創造というところに包含されるような気がするのですが、文化を創造するためにはどうしても相当の制約を克服しなければならない訳です。
○文教部長(屋良朝苗君) その中に含まれてはいるが、これを特に取上げた理由は特に力を入れなければいかんと思ったからであります。
○普天間俊夫君 是非これを入れなければならんという沖縄としての具体的な例があれば伺いたい。
○文教部長(屋良朝苗君) 例えば日本にしてもアメリカにしても矢張りその国の特殊事情を謳って居りますが現在沖縄は地理的な環境からして宿命的な孤島にある訳です。歴史的にも時には独立だというし、或る者は支那に従属、或る者は日本に従属という風に気の毒な状態にあった訳でせう、次にアメリカの占領下にあって、そういうところから来る制約を受けてどっちかといえば沖縄の人間は排他的な気持がある。小さな国でありながら人を呼ぶにも「イナカー」とか「ヤンバラー」とかいう、その言葉の中に表現されているとおもう。日本にもそういうことはあるかも知れませんが沖縄には強いとおもう。本当に人を生かして行くのでなくて、人を引きずりおろそうとする気分が多分にある。そして小さな島に閉じ籠っているというと「天上天下唯我独尊」、「井の中の蛙大海を知らず」の気分に陥る。高く且つ広い視野を持たないきらいがある訳でせう、卑屈になりおおらかでなく、理想主義的傾向といったものが欠けているとおもいますのでそういうことを謳った訳です。
○野原昌彦君 個人というのは普遍的な一個人、一個人でないという御説明であったが。
○文教部長(屋良朝苗君) 民主々義の根本理念は個人の尊厳と、責任をどこまでも負う、この二つにあるとおもうが、ここの個人は個人主義の個人々々というのではありません、普遍的な個人というと了解し難いとおもいますが。
○委員長(玉城泰一君) 次ぎ第一条について質疑がありましたらどうぞ。ここに個人が出ておりますが前文の個人とどう違いますか。
○文教部副部長(仲宗根政善君)三番目の個人は一番目の個人と同じです。結局その中に宿るところの普遍性、人格性を尊ぶという意味であります。
○委員長(玉城泰一君) 民主的な平和世界の形成者、あの精神が矢張り謳われているようにおもうが更に重ねて入れる必要がありますか。
○文教部長(屋良朝苗君) 和の教育は非常に必要だと思っているのであります。結局この和の精神なくしては平和な社会を形成することは出来ない訳でありますから強く謳った訳であります。
○文教部副部長(仲宗根政善君)前の民主的な平和な社会は、これは外形的な意味がありますが次の「自主的にして和の精神」はそれらの根本をなすところの精神的なものだという意味があります。
○委員長(玉城泰一君) 第二条に移ります。
○普天間俊夫君 自他の敬愛と協力は日本のものにも入っておりますか。
○文教部長(屋良朝苗君) 入っております。
 国民を沖縄人と直した丈です。
○委員長(玉城泰一君) 第三条に移ります。
 地方公共団体の地方を取った理由は。
○文教部調査研究(研究調査カ)課長(安里彦紀君) 沖縄では特に地方という言葉を入れなくても公共団体といえば市町村ですが日本では地方公共団体というと府県になります。
○委員長(玉城泰一君) 第三(ママ)条に移ります。
○文教部調査研究課長(安里彦紀君) これは日本の教育基本法と殆んど変りありません。
○委員長(玉城泰一君) 第四条に移ります。
○知花高直君 義務教育だけは授業料を取らない、義務教育以上は取ってもいいということになるのですね。
○文教部長(屋良朝苗君) この条例は予算と必ずしも一致できんところがあります。日本でもその通りでありますが理想的な状態になった時のことでありますので、その点は私立学校などの場合授業料を取ってもいいということに後の教育条例になっております。
○委員長(玉城泰一君) 第五条に移ります。
○松本恭典君 男女共学は戦前は認めなかったのでせう、それの違いはどこから来たのですか。
○文教部長(屋良朝苗君) 戦前は男がやっていることは女はできなかったが教育の機会均等ということからはどうしても男女が平等でなければいけないとおもっています。
○松本恭典君 日本ではどうして採用していないのですか、してもいいし、しなくてもいいということはどういう訳ですか。
○文教部長(屋良朝苗君) その点はこっちが進んでいるのです、向うでは旧来のわくがある訳です。女学校、中等学校という風に段々に入れつつありますが中等学校には女が少く、女学校には男が少いという現状であります。沖縄の場合は男女平等ということに立脚している訳です。
○委員長(玉城泰一君) 第六条に移ります。
○文教部長(屋良朝苗君) 学校は公の性質を持たなければいかんということがありますが、学校は公営又は公認でなければいけないということになります。だから自分のものであっても国又は公共団体で施設が認められなければ、任意に設けた学校は学校ではない。例えば伊是名なんかは学校ではない。ああいうものは塾であって学校ではない訳です。
○野原昌彦君 法人になればよい訳ですか。
○文教部長(屋良朝苗君) 私立学校法というものを設けますが、その規格に合格しなければいけないということになります。
○松本恭典君 それでは伊是名の学校の如きは学校と認めなければ子供らの就学の資格は与えられませんか。
○文教部長(屋良朝苗君) 別の方法を講じなければいけない。
○委員長(玉城泰一君) 第七条に移ります。
○文教部長(屋良朝苗君) 家庭教育及び勤務の場所というのは職場教育を意味するのであります。その他の教育というのは青年会、婦人会、部落会、成人会そういった文化団体を指すのであります。
○委員長(玉城泰一君) 第七条、これは日本の教育法と殆んど同じですね。それでは第八条に移ります。教員には市町村議員も沢山おるがそういうものを禁止するという意味ではないでせうね。
○文教部長(屋良朝苗君) 中正な政治活動はしてもいいとおもいますが、私らの見解はすべての教育者は常に政治的中立性を固く守らなければいかんとおもう。何故かというと要するに教育も研究も学問も自由である。そういう自由を守らうという信念を皆持たなければならない訳でせう、だから学校で或る特別の政党を支持したり、又は反対したりするということは人の自由を拘束することになる、自分は自由を主張しながら人にああせい、こうせいということは人の自由を拘束する訳ですから、あくまでも政治的には中立性でなければならない。又教育活動というのは教育者という名において他で活動することがありますから学校の中だけに限定すると生徒を集めて、父兄を集めてやってもいいということになりますから学校の内外を問わず教育活動というものは考えるべきだとおもいます。
○松本恭典君 従来官吏は政治に干与してはいけないということだったでしょう、教員にしろそういう規定ではなかったですか。これは要するに政治の渦中に巻込まれないようにということだったのですが私は教員が政治に進出することは大いにいいことだと思うのですが、ある特定の人を支持するということは個々で支持する場合は別ですが、例えば学校がある選挙に臨んで特定候補のために職員が連名して貼り出すということはよくないと思う。こういう事例がかつての知事選挙戦の場合にあったが、こういうことは教育上よくないと思う。
○委員長(玉城泰一君) 第九条に移りましょう。
 第二項の「特定の宗教に反対し」ということはその次の「特定の宗教のための宗教教育」の中に含まれておりませんか。
○文教部長(屋良朝苗君) 消極的には含まれている訳ですね。
○文教部副部長(仲宗根政善君)沖縄は無宗教状態ですが、その立場からキリスト教、仏教、そういうものを否定したり、反対したりするような教員がないとも限らない、反対することも宗教々育の中に入る訳です。
○委員長(玉城泰一君) 然しそれは第一段に寛容の態度と謳われていますからね。
○与儀清秀君 ここにいう宗教とは何か解釈をお持ちですか。
○文教部調査研究課長(安里彦紀君) ユタとかの原始宗教は入っておりません。民法に規定されている宗教を指しています。
○松本恭典君 天理教なんかどうですか。
○文教部副部長(仲宗根政善君)あれは宗教になる訳です。
○委員長(玉城泰一君) 第十条に移ります。
 これは日本の教育法そのままですね。第十一条も同様ですね、ではこれで休会致します。
  (十一時五十八分休会)

  (十二時三十二分開会)
○委員長(玉城泰一君) 開会致します。基本条例の質疑が済みましたから今度は討論に移ります。一括して審議したいと思います。
○普天間俊夫君 前文の「環境から来る制約を克服する」という文句について当局の御趣旨はよく分りますが冗漫のきらいはありませんか。或る一面基本法でありますから、法というものは大づかみにしておいて附記として、こうこういうところを克服してこういう風に文化を建設していくのだという説明は必要だが法としては微に入り細に亘ったところはどんなものかという気がしますね。
○委員長(玉城泰一君) 沖縄の特殊事情を前文の中に謳うということになればこれは入れた方がよいのではないか。
○委員長(玉城泰一君) 第九条の「特定の宗教に反対し」云々は省いたらどうかと思います。特定の宗教のための宗教教育の中にはある宗教を支持しある宗教を非難するというのが含まれている、宗教教育の中には或る宗教に対する批判もある、批判の中には、いいこともあるし、悪いこともある。よって「特定の宗教に反対し」ということは削除した方がよいとおもいますが御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○普天間俊夫君 先程の御説明で学校とは学生生徒を含まないということでありますが、そうすると生徒は学校の名においてやってもいいということになるが、学生生徒が団結してある候補を推し演説をしてもよいということになるが、それが許されないとするならばこの学校には学生生徒も含まれなければいけないのぢゃないかとおもう。
○松本恭典君 先生だけに限定して生徒は他の行政処分によるべきではないか、先生という立場において学校当局が行政処分する制裁の方法がある。だからここにいう政治教育の面においては生徒は含まないとしか解釈出来ませんね。
○委員長(玉城泰一君) それでは只今申上げました通り一部を修正してこの教育基本条例は可決致したいが御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(玉城泰一君) 御異議ないと認めます。よって左様に決しました。

○委員長(玉城泰一君) 沖縄群島学校教育条例を議題と致し、これが質疑に入ります。
○文教部長(屋良朝苗君) 第一条の盲学校、聾学校、養護学校というのがございますが、養護学校というのは心身不健全な者、精神薄弱な者の学校でありますけれども今文教部直轄の学校にはない訳でありますが、教育の機会均等の建前からすれば、そういう不具者にも理念上そういう機会を与えなければならないのです。今はないのですけれども、そういう特殊学校条例を設けまして現在のところは社会事業課の方でこの四月から盲学校、聾学校、養護院というものをやることになって予算化しております。その点暫くは、それで代行させて行こうと思うのです。今文教直轄の学校がないからといって謳わないと機会均等の機会が不徹底になる恐れがありますので、そういうことにした訳であります。
○野原昌彦君 特定の旅費というのは何ですか。
○文教部長(屋良朝苗君) これは群島政府、文教部が会議を招集します場合は、その旅費を全部負担する訳で、その旅費は五十四、五万円見込まれております。
○松本恭典君 第十条の私立学校の場合任命権はどこにある訳ですか。
○文教部長(屋良朝苗君) 私立学校の場合は任命権はそこにある訳です。但し認可がいる訳です。
○松本恭典君 認可するということは監督庁が資格条件そういったものを調査する訳ですね。
○文教部長(屋良朝苗君) こういう者は発令してよろしいという認可をする訳です。それから幼稚園の費用は当然各市町村で負担するのですが、幼稚園の設立者は各市町村でありますがそれの発令は今まで部長がやっておったが俸給も出さんであ(ママ)って発令するというのはおかしいというのですが。
○委員長(玉城泰一君) これによると市町村が任命して認可を受けることになっている。
○松本恭典君 第十六条の子女を使用する者は云々という意味は。
○文教部副部長(仲宗根政善君)これは子女を雇傭する場合、子守なんか、個人が雇う場合その雇傭主は雇ったことによって義務教育を受けることを妨げてはならないという意味です。
○文教部長(屋良朝苗君) それは後で罰則がありますが、日本の場合これを妨げた者に対しては三千円からの罰金になります。
○委員長(玉城泰一君) 第十七条は章として設けた方がよいと思います。
○文教部調査研究課長(安里彦紀君) 学校教育条例というのができましたら当然この後には初等学校令、中等学校令、高等学校令、特殊学校令というのが、次々に出る訳ですから。
○委員長(玉城泰一君) これは条文の中に入れることは一寸まずいのではないかと思う、附記か備考ですね。
○文教部長(屋良朝苗君) これは削除して貰っても結構であります。これは後につづくものですから。
○委員長(玉城泰一君) それでは十七条は削除することに致します。別に質疑はありませんか。
○文教部長(屋良朝苗君) 第一章総則と訂正しなければいけませんね。
○文教部調査研究課長(安里彦紀君) それでは沖縄群島学校教育条例第一章総則としていただきます。
○委員長(玉城泰一君) 総則が次に来る二章以下の原則となる訳ですからこれを引離す訳にはいかないと思うが、かくしなければならなかった理由を十分説明すればいいと思う。
○文教部長(屋良朝苗君) これは非常に尨大なものになりますのでこれを一挙に全部上程するということは到底できんのでありまして、そうかといってゆっくり全部できるまでは待っておれなかったのであります。各市町村予算関係もありますので。
○松本恭典君 私立学校の授業料は監督庁が設定しますか。
○文教部長(屋良朝苗君) その他の費用に関する事項でありますからここでは定めない、私立学校の場合はその設立者が決める訳です。
○松本恭典君 そうなると額の統一は私立学校ではできない訳ですね。学校の財政状態によって高く取ったり安く取ったり。
○委員長(玉城泰一君) 第二項と第三項は纏められませんか。
○文教部長(屋良朝苗君) そういう感じもありますね。
○委員長(玉城泰一君) 「校舎、運動場の営繕、備品、消耗品及びその他の設備に関する費用は」と訂正できませんか。従って三項は省略できる訳です、そして四項が三項となります。
○知花高直君 皆戦前に還る訳ですね。
○文教部長(屋良朝苗君) 但し校舎は戦前は市町村が造りましたけれども、これは一通り完成するまでは群島政府でやる訳です。
○委員長(玉城泰一君) 外に御質疑がなければ討論に入ります。御意見を承ります。
○委員長(玉城泰一君) 第五条の二項と三項は先程申上げました通り一しょにして二項に纏め第十七条を削除し、その他は原案通りにして可決致したいが御異議ありませんか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(玉城泰一君) 御異議ないと認めます。よって本案一部修正可決致します。

○委員長(玉城泰一君) 次は議案第十八号沖縄群島教育委員会条例についてを議題と致します。
 これも教育法第十条の趣旨に従って出来た条例になっております。本議題の質疑に入ります。
○委員長(玉城泰一君) 第十三条ですが「地区教育委員会の事務を処理させるため教育長のもとに一人乃至五人の職員を置く」とあるが地区教育委員会の事務というものはありますか。
○文教部長(屋良朝苗君) 教育長の仕事は皆教育委員会の事務でしょう。
○委員長(玉城泰一君) 地区教育委員会は教育長の事務に参与するでしょう。だから教育委員会独自の事務というものはない筈です。
○文教部長(屋良朝苗君) 「教育長のもとに」を削除願います。第二項も「中央委員会の事務」というのは困りますね。
○野原昌彦君 第二項は全部削除してもいい訳ぢゃないですか。
○委員長(玉城泰一君) そうなると第十一条もおかしくなって来ますね、「各地区に教育長を置く」でいいでしょうね。暫時休会致します。
  (二時四分休会)

  (二時十分開会)
○委員長(玉城泰一君) 開会致します。
○松本恭典君 第六条ですが中央委員会の委員構成はここに明示されているが、地区委員の構成は明示されていないのはどういう訳ですか。
○文教部長(屋良朝苗君) これは各地区内から出るからであります。
○松本恭典君 その振分けは各村から何名という風な。
○文教部長(屋良朝苗君) それはありません。
○松本恭典君 町村長側から何名、一般から何名という区切りはつけない訳ですか。
○文教部長(屋良朝苗君) この基準は設けないつもりです。教育長という専門家がおりますから教育委員の建前はその委員は教育専門家を出すのでなくしてあらゆる角度から高い視野と広い視野を持っている教育に深い関心を持っている人、それに教育専門家をつけてそれが渾然一体となってやらすところに妙味がある。従って教育委員会があらゆる角度から見て決定する場合には教育長が指導決定を与える訳です。意思決定をする場合には現職を除いた方がいいと思います。要するに他の階層からも余計に入れようという意味でそういう風にしてあるのです。
○松本恭典君 そういう趣旨とあれば中央教育委員会も区別する必要はないと思う。
○文教部長(屋良朝苗君) 区別しないと或は南部に偏することもあるし、中部に偏する場合があるので、それを規制するためのものです。
○松本恭典君 二十条に教育長の権限でもって初等学校、中等学校の教頭以下の職員の任免配置が出来る訳ですね。その場合に教育長は文教部長に対しての職務上の責任を負うということになりますがこれは絶対権ですか。
○文教部長(屋良朝苗君) 文教部長は教育長に対しては指導助言はできますよ。
○松本恭典君 教育長が委嘱された権限がありますね、更にその場合に責任上部長の承認を得て任命する訳ですが、独自の立場で任命していい訳ですか。
○文教部長(屋良朝苗君) 独自の立場で操作していいとおもう。その場合教育委員会は参与しなければいかんとおもう。但し部長は監督権は持っておりますから指導助言は与えることができますが、実際的には権限を与えているのですよ。
○松本恭典君 ここに謳われておっても部長の権限によって支配されるということになるのですが、これから見た場合は部長が反対しても絶対できるように思うが。
○文教部長(屋良朝苗君) いや委嘱せられているのだから、ここが反対すれば工合が悪いということになる。
○松本恭典君 委嘱された事務の範囲だからいいぢゃないですか。
○文教部長(屋良朝苗君) 然し監督権はある訳ですから。
○松本恭典君 結局我儘はできない訳ですね。
○委員長(玉城泰一君) 質疑を終了致しまして討論に入ります。
 それでは第十一条「地区教育委員会」を「各地区」に訂正をする。それから十二条を「地区教育長の事務を処理させるため一人乃至五人の職員を置く」と訂正する。それから第十二条の第二項は削除する。これだけを修正の上で原案を可決したいとおもいますが御異議ありませんか。そして希望条項としては形式上あくまでも地区教育委員会設置の使命を十分発揮する様に進言して貰いたいということであります。
○委員長(玉城泰一君) 御異議ないと認めます。よって左様に決しました。付託事件三件の審査を全部終了致しました。これで閉会致します。
  (午後二時二十五分)散会
           (終)

  一九五一年三月二十七日
 沖縄群島議会
  法務警察委員長 山城興起印
沖縄群島議会議長 知花高直殿
  委員会付託事件審査結果報告について
第六回沖縄群島議会(定例会)初日の本会議において付託されました割当土地に対する所有権の制限について(諮問第六号)法務警察委員会における審査の結果を左記の通り報告致します。
         記
  法務警察委員会付託事件審査結果報告書
一、開会、休憩及び散会の年月日時刻
 一九五一年三月十七日
 於 政府会議室
 開会 午前十時十九分
 散会 午後一時
二、出席した委員並びに群島政府職員氏名
    委員長 山城 興起君
    委 員 稲嶺 盛昌君
    〃   新里 銀三君
    〃   野原 昌彦君
    〃   与儀 清秀君
    〃   松本 恭典君
    議 長 知花 高直君
   法務部長 知念 朝功君
   土地課長 岸本 利男君
三、付託事件の件名
 割当土地に対する所有権の制限について
    (知事提出諮問第六号)
四、議 事
 別紙の通り
五、結 果
 答申案調製、可決
六、表決の数
 総員をもって異議なく可決
           (終)
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