戦後初期会議録

組織名
沖縄民政府
開催日
1946年05月15日 
(昭和21年)
会議名
経済小委員会 1946年5月15日 目録詳細 画像を見る
議事録
経済小委員会 〔株・俸給・生産品〕

  五月十五日(水)午前九時
  出 席 志喜屋知事、當銘、玉城、糸数、安谷屋、護得久、比嘉、松岡諸委員。
  軍政府 ローレンス少佐。
諮詢事項
 軍政府
  銀行の百万円の資金は何時やるか。
 護得久委員
  総務部で各村に株の割当をやって居る。それが来たら回答します。
 軍政府
  地方の株は後廻はしにして資金は早く渡したい。
 護得久部長
  重役と相談して二、三日中に回答します。
 軍政府
  明日まで回答されたい。
 護得久部長
  それでよろしい。
 軍政府
  志喜屋知事に渡した銀行規定第二十二条を見たい。
  銀行規定に村の方が五十万円の株を引受けることが出来なかったら如何するか。
  百万円は財政部になるか。
 護得久部長
  然り。財政部即軍政府になる。
 軍政府
  百万円を軍政府から貸すとそれは村と銀行の運転資金になるか。
 護得久部長
  運転資金になる。
 軍政府
  百万円は何時から取扱ふか。
 護得久部長
  六月一日から。
 軍政府
  金を保管する準備は出来たか。
 護得久部長
  当分本店に置く。
 軍政府
  支店の保管も準備出来たか。
 護得久部長
  支店には入用金しか置かない。
 軍政府
  其日の処理金は何処に入れるか。
 護得久部長
  支店に置く。
 軍政府
  金庫は何個要するか。
 護得久部長
  十個程要す。
 軍政府
  金庫は商務部から知事を通して提出する様に。
  預金が百万円あって貸金が五万円あった時如何なるか。一支店から他支店に融通出来るか。
  六月一日の賃銀払は如何なるか。
  民政府の俸給、日給は六月一日から支払ふか又如何にしてやるか。
 護得久部長
  五月分の俸給は特別に六月一日一斉に支払って貰いたい。
  六月分からは知事の指定した日に渡さればよい。
 軍政府
  其総額を提出して貰いたい。
 護得久部長
  金曜日朝提出します。
  知事に提出する前一応ローレンス少佐に非公式に見て貰いたい。若し各部の予算に意見があれば各部と又交渉します。
 軍政府
  五月分は実際を調査すること。
  予算がよければ金は直ぐ護得久部長に上げる。
  個人々々の支払を記入すること。
 護得久部長
  各部で調査します。
 軍政府
  金を渡したらサインをすること。
 護得久部長
  受領簿を作製します。
  毎月の予算実行の報告は十二日迄でに報告す。
 軍政府
  五月分は三十一日分支払ふか。
 護得久部長
  支払ひます。
 軍政府
  日給者は。
 護得久部長
  一様に渡す。
 軍政府
  民政府に日給者も居るか。
 護得久部長
  居ます。
 軍政府
  月末二、三日前に支払ふ帳簿を作るが其後は如何なるか。
 護得久部長
  二十日分を六月一日に渡し、残りは延ばしてもよい。
 軍政府
  日給者は五月分は十五日分支払って残りは後廻はしする様にしたら如何。
  軍政府では軍作業者は二回に支払って居る。
 護得久部長
  常傭は日曜日も支払って居る。
 軍政府
  五月分の十五日分は六月一日に支払ひ残りは六月十五日に支払ったら如何。
 護得久部長
  六月一日に五月の十五日分を支払ひ、五月十六日から月末までの分は六月十五日、次月から毎月一日、十五日二回に支払ふ。
 軍政府
  俸給は如何なるか。
 志喜屋知事
  五月分は六月一日に支払ひ六月分からは翌月の一日に支払ひたい。
 軍政府
  市町村も斯くするか。
 志喜屋知事
  それでよい。
 軍政府
  各町村と可然連絡する様に。
 又吉部長
  連絡します。
 軍政府
  六月一日から販売制になるが、金銭がなくて困る人も居るから其為めに六月五日までは無償配給にする。
  五月三十一日迄でに六月五日までの分を配給し終ること。
  現在の配給は何日分宛やって居るか。
 護得久部長
  五日、七日分宛やって居る。
 軍政府
  六月五日迄での分を五月末までに配給しおくこと。
  又吉部長から可然通知し置くこと。物品は変るかも知れないが注意して置く。
 志喜屋知事
  感謝の意を表す。
 軍政府
  五月分の生産品は軍政府が卸値で買上げる。
  護得久部長で其生産品の価額を計算しておく。
  五月一日から同十五日迄での生産を計算されたい。
  後は又来月にやる。
 護得久部長
  五月分の生産は無償配給になり五月分の生産品を軍政府が買上げると其金は如何なるか。
 比嘉部長
  五月分の漁業者の俸給を軍政府が支払ひ又五月分の魚は無償配給になったが之を軍政府が買上げると如何なるか。
 軍政府
  軍政府が買上げた金を以て漁業者に支払へばよい。
 比嘉部長
  農産物を軍政府が買上げて不足分は軍政府が補助すると思った。
 軍政府
  農産品を買上げて不足分は軍政府が補助することになって居る。
 護得久部長
  農業組合員の俸給は如何なるか。
 軍政府
  銀行から借りて支払ふことになって居る。
 護得久部長
  五月、六月まで溯って生産品を以て農民では返済することは出来ないから銀行は貸出すことは出来ない。
 軍政府
  農業組合の俸給は。
 比嘉部長
  四十九組合あって一組合三〇〇円平均の三人程度で一ケ月約八万円になる。
 軍政府
  地方の組合は地方負担でやる。
 護得久部長
  十月以降の農業組合の費用の不足は補助金を出して貰いたい。
 軍政府
  俸給を救済することは出来ない。
 比嘉部長
  生産品の不足を補助して貰いたい。
 軍政府
  農業組合の俸給を支払ふことが出来得る様に縮小したら如何。
  全委員会を開いて研究したら如何。
 志喜屋知事
  之の問題は研究しませう。
 軍政府
  金曜日の午前までに。
 軍政府(ワッキンス少佐)watkins
  今朝十部隊の所を行って見たら海軍が機械等を持ち出して居た。持出すものは冷凍庫、書類庫であった。持出す物品は海軍最高指揮官の指令を受けて居る。知事にお詫びし申し訳ない。
  物の移動に関する指令は昨日迄で届かなかったため斯ることになって居る。斯る物品に関することは最高指揮官・副官で行はれて居る。
  軍政府としては其物品が如何にするかまでは知らなかった。
  副官では建物と調度品との二通りの取扱になって居る。建物の件は引継があったが調度品のことは引継がなかった。
 志喜屋知事
  予想外に戴きまして感謝して居る。
 軍政府(ローレンス少佐)
  瓦製造に卸値で金を出すが如何にして本人の手に渡るか。
 又吉部長
  各町村に予算編成をせよと指令を出した。
 平田部長
  離島(近海)への無電通信の許可をして貰いたい。
  許可になれば機械もお願ひしたい。
 軍政府
  先島・大島と状況を異にして居るのは、向ふは民政府も早く施かれて居て無電を許されて居るが沖縄としては如何なる理由のためか許されて居ない。
  フーバー中佐及び通信係将校も関心を持って居る。
  昨年の八、九月は勢のある情況であったが中途でゆっくりなり又四月に来て活気づいたが又それがゆるみがちになって居るのではないか。
  ホトヽギスの鳴くまで時期を待って貰いたい。
 志喜屋知事
  農園(那覇農園)は有用植物が残って居るから軍政府の経営で手入させて貰いたい。
 軍政府
  農務の係将校と相談されたい。
 志喜屋知事
  台湾方面に流行病があるから該地から来る船を一定の港に出来ないでせうか。
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