戦後初期会議録

組織名
沖縄民政府
開催日
1946年05月10日 
(昭和21年)
会議名
軍民連絡会議 1946年5月10日 目録詳細 画像を見る
議事録
軍民連絡会議〔食糧・郵便・与論〕

  五月十日(金)午後二時
  出 席 志喜屋知事、又吉、山城、當銘、玉城、平田、当山、護得久、比嘉、仲村、安谷屋、大宜見の諸部長。
  軍政府 ワッキンス少佐。
諮詢事項
 軍政府
  首里の食糧問題は如何なったか。
 護得久部長
  地区隊長から何故軍政府に話したかと叱られたとのことでもっと藷を配給するとのことであった。
 軍政府
  首里としては糸満地区に於て藷は足りると思ふ。
  但壺屋、豊見城は除くと。
  之に対しての考は如何。
 護得久部長
  米は十日間に一合一勺、藷は一日半斤である。
 軍政府
  カロリー単位で示して貰いたい。
 護得久部長
  兼城、真和志方面から藷が来ると之は又別である。
 軍政府
  研究して見なさい。
 軍政府
  知事から宮古・八重山に調査員を遣ったら向ふの米軍将校と常に連絡をして貰いたい。
 志喜屋知事
  行政を宮古・八重山同一にする件につきて今朝協議したが未だ結論には達して居ませぬ。
  大東島は便船のあり次第行く考である。沖山氏が案内役をなす。
 軍政府
  沖山氏から大東島の事情を聴いたか。
 志喜屋知事
  二千人程残って居るが沖縄人が多いだらうとのことである。
 軍政府
  食糧関係は。
 志喜屋知事
  藷食をして居るが副食物には困って居るだらうと。
 軍政府
  平田部長の郵便料は如何なったか。
 平田部長
  日本の料金で本日決定し翻訳して知事を通して提出します。いくらか訂正した点もあります。
 軍政府
  料金の訂正は沖縄圏内のみであるか。
 平田部長
  沖縄のみでなく日本にも及ぶ。
  日本新聞には訂正することがあった故に。
 軍政府
  日本もどうなるか分らないから軍政府として自分の圏内しか出来ない。国際関係は国際郵便法によるから外国には六ケ敷いだらう。
 志喜屋知事
  日本でやって居る通り沖縄の料金もやるべく軍政府で相談やられてくれないでせうか。
 軍政府
  日本は国際郵便も考慮して作ったに違いない。
 志喜屋知事
  六月一日から郵便の開通が出来るや否や。
 軍政府
  日本から取寄せた郵便料はどの範囲であったか。
 平田部長
  日本のみで国際郵便料はなかった。
 軍政府
  何時頃の料金か。
 平田部長
  日付はなかった。
 平田部長
  手紙は日本からも六月一日から沖縄に通信が出来るや否や。
 軍政府
  日本はマッカーサーの権限であるから分らない。
 ◎此所としては全国に受け付ける様にして居る。
 志喜屋知事
  手紙を検閲するや否や。
 軍政府
  検閲せずに平和時代同様に扱ふだらう。
 志喜屋知事
  為替も出来るや否や。
 軍政府
  沖縄群島は平田部長と護得久部長の相談で出来ると思ふが、海外には六ケ敷いのではないか。
 平田部長
  郵便の徽章は(〒)を如何ですか。
 軍政府
  差支へない。軍政府の指示第一号に変更すべきものは指示がある。其まゝ生してよい。
  コザのモータープールは引継したか。
 松岡部長
  引継ぎしました。
 軍政府
  移動関係の書類は(記録)又吉部長の所に軍政府から送付するから保管する様に。
  石川市は稠密であるからバートーフに命じて分散するや否やの措置を命じて居る。稠密であると火災や衛生上の見地からよくない。
  糸満の地方総務から那覇人を如何にかしたいとのことでバートフをして陸軍に地区払下げを願ひに行ったが回答はない。
 松岡部長
  北谷、読谷山は如何なるか。
 軍政府
  まだ望みはない。
 軍政府
  ローレンス少佐から予算を来週の水曜日まで提出する様にとのことでした。
 護得久部長
  如何にか出来ます。
 軍政府
  各部の予算は或程度は削減されるものとして考慮されたい。
  与論島から陳情がありましたか。
 志喜屋知事
  警察の方から調査に行きました。
 軍政府
  沖縄と一緒になりたいと云う陳情があったか。
 仲村部長
  保安課長が軍将校と共に行ったが今までも沖縄に関係があったから沖縄と一緒になりたい。
  沖縄も亦一緒にしたいのは牛馬や豚が多いから。
 軍政府
  知事から暫定的に沖縄と一緒にすることを提出すればよい。
 志喜屋知事
  与論島の意向を聴てからやります。
 軍政府
  衛生課長に対しては知事が持つ権限ではないか。
 大宜見部長
  知事から辞令が出るべきでないか。
 軍政府
  知事から出る。
 大宜見部長
  医者の配置も知事から出るのではないか。
 軍政府
  部――知事――軍政府副長官――から各部の隊長に行くから予め各部の隊長とは了解の上でやりたい。公文は知事の名を以て軍政府に提出す。
  若し知事から副長官に口頭で行く時はワッキンス少佐を通ずること。
  軍政府に提出するものは軍政府の総務を通ずる様にすると副長官に通してよきや否やを検討するから。
 ◎文書は総て知事の署名でやり代筆はいけない。各部から出る書類では部長名入れて提出する。副書には部長名は必要でない。
 安谷屋部長
  工場地帯の払下をお願ひして置きましたが如何なりましたか。
 軍政府
  覚えがないが。
 山城部長
  学校建築の方は工務部で予算を立てると思ふが。
 軍政府
  初等学校は経済部方面とも話合って見る。
 志喜屋知事
  宮古・八重山から来る人々をコザのキャンプに少くとも二週間程置きたい。伝染病の関係から。
 軍政府
  衛生隊長と相談した方がよい。
 志喜屋知事
  P・Wの宣撫員の効果はよくない。
  (當山部長其被害状況を話す)
 志喜屋知事
  石川市工務所の事件につき。
  護得久・松岡両部長事件につき詳細に報告す。
  即ち、藤中及三宅と起ったトラブルにつきて。
 軍政府
  仲村部長の方で詳細に調査すること。
 護得久部長
  中氏を調査するまで釈放したい。
 軍政府
  警察と話して出して置きなさい。
 仲村部長
  私の命令で出すことは出来るが而し三宅M・Pが入れたから私の命令で出すとトラブルが起るのではないか。
 軍政府
  仲村部長の命令で出してよいと思ふが。
 ◎又吉総務部長は若し二世が村長の行動に命令的に出た者は報告されたい。
 ◎彼等には命令権もなく只協力するために置いてある。
 ◎村に必要がないと思へば報告せよ。
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