戦後初期会議録

組織名
沖縄民政府
開催日
1946年05月10日 
(昭和21年)
会議名
部長会議 1946年5月10日 目録詳細 画像を見る
議事録
部長会議〔先島統合・郵便法案〕

  五月十日(金)午前九時
  出 席 志喜屋知事、又吉、山城、玉城、平田、当山、護得久、比嘉、前門、大宜見、當銘、松岡、仲村の諸部長。
  公用他出 糸数・安谷屋両部長。
協議事項
 志喜屋知事
  議会を本月十日頃招集してくれと来ましたから十五日以後にしてくれと返事しましたが、彼等は十日間ぐらいの日程の希望でした。
 護得久委員
  経済機構が出来上って後即ち六月一日以後にしたら如何ですか。
 當山部長
  議員の希望は知事の施政方針を聞きたいと云って居る。
 護得久部長
  此の経済も見通しがつかなければ空の施政方針になるわけになる。
 大宜見部長
  議員は如何なる権限があるか。
 志喜屋知事
  知事の諮詢のみに限ると。
  知事の方針も各部の方針も未決定としますか。
 比嘉部長
  諮詢のみに限るとしても議員の希望を聞くのも一つの方法であると思ふ。
 志喜屋知事
  議員に希望があれば書面を以て述べることにしたら。
 當山部長
  一日でもよいから議員の希望を聞いた方がよい。
 志喜屋知事
  それも一方法である。
 比嘉部長
  文書で希望を述べるよりは寧ろ会合して話した方がよいのではないか。
  必ず十日でなくてもよい。
 志喜屋知事
  知事の方針は未決定であるから議員から希望を文書でやると、知事の方針に入れられるものは入れられるがと思ふが。
  議員に方針を話すまでには至らないから一日だけは開きますが。若し議員の意向を方針に織込むことがあるなら書面でやって欲しい。
  本月二十日頃になるかも知れないが一日にしませう。
 又吉部長
  村会議員も復活することに指令を発しました。
 仲村部長
  宜野湾は顧問を設けたら如何。
 志喜屋知事
  議員から自治に対し陳情書を軍政府に提出したら却下になった。軍政府は御機嫌斜であった。
  あの陳情書は私個人の意見で考へると沖縄の復興したのは住民が偉いからで米国の援助のためではないとの意味に解せられる所があった。
 ◎宮古・八重山は行政のみ入れることは出来ないか。
  経済を別にして。
 護得久部長
  経済の流れも一つにしないで行政のみ出来ますか。
 志喜屋知事
  大島が経済と行政が別々になって居る事情も話しました。
 仲村部長
  宮古警察署からも行政を一にしてくれと希望して居る。
 前門部長
  私の所にも希望して来て居る。
 大宜見部長
  宮古は医師は多過ぎる。之を呼ばうとするが而し将来日本から帰へると、又本島も多過ぎはすまいかと思って居る。
 ○宮古から来る人々をインヌミ屋取に二週間程置きたいと思って居るが。
 志喜屋知事
  早速やりませう。
  仲村部長の方でも注意されたい。
 仲村部長
  私の方は治安のみで、之は移動部の方である。
 志喜屋知事
  又吉部長の所でやる様に。本日軍政府に取つぎます。
  先島の支庁長を呼べとのことである。
  私は先島の経済状態を聴してからと云ったが、軍政府は切離してやって早く行政方面は一にする様にとのことであった。
 當山部長
  私の方にも同一行政にありたいことを云って来て居る。経済を引離して出来るならやって貰いたい。
 護得久部長
  経済援助が伴はなければ出来ると思ふが、必ず此の件は出て来ると思ふ。
 又吉部長
  軍政府はコールドウェルと共に居る間にせめて行政のみでもやりたいとの話であった。
 志喜屋知事
  肥料関係は先島等にも出来さうではないか。
 比嘉翻訳課長
  将来は先島も同一になるべく計画しておけとのことであった。
 志喜屋知事
  如何にすれば経済・行政両方面が段々結び付くことが出来るかを研究されたい。
 護得久部長
  物価が同一になれば結び易いと思ふ。
  先島は通貨が多過ぎるから之を縮小する。
 仲村部長
  又吉部長へお願ひします。
  キャストルキャンプに久米島の者が南洋から来て居るが之等を早く帰してくれる様軍政府に取りつがれたい。
 護得久部長
  石川工務課が工務部の出張所になって居るが二世の藤中が来て中氏とトラブルが起って中氏は金網に入れられて居る。
  此の知事の権限をはっきりと軍政府に進言したい。
  二世は自分で慶良間にテントを送ったとのことである。
 平田部長
  郵便法案につきて。
  通常郵便物・種類及料金等につき、之を小委員会で決定して全委員会に諮るや否や。
  又今全委員会に諮るや否や。
 志喜屋知事
  全委員会で決定したら如何ですか。
 全委員
  異議なし。
 護得久部長
  原案通りやって見たら如何。
 全委員
  異議なし。
 當銘部長
  沖縄医料部並に衛生部の給料の件。
 志喜屋知事
  護得久部長に質するが、各部の課長級の俸給がまちまちの話だが如何なって居るか。
 護得久部長
  各部長と審議して知事の査定を願ひたい。
 大宜見部長
  軍政府宛の書類の和文の二通を一通に出来ましたら。
 屋宜文書課長
  官房には英文二通、和文一通提出してよい。
 志喜屋知事
  乗車の件は各部長に一任したいが如何。
 大宜見部長
  松岡部長のサインを得たら如何。
 仲村部長
  通信部に統一して置いたら如何。
 全委員
  異議なし。
 山城部長
  学校建築は工務でやるか又は文教部でやるか。
 志喜屋知事
  元県庁では土木課がやって居た。工務・文教相提携してやるべきである。
  大東島行は沖山氏も共に行くべく案内す。
 比嘉部長
  福山氏も同乗させたい。
 志喜屋知事
  軍政府の地方総務は国頭・中頭・島尻に各々一人宛になるが。
  移動の件は総務に移すが出来るかと云はれたから、出来ると回答したが。
 仲村部長
  刑務所の件につき地元民から耕地狭き故と陳情が来たが取つぎだけはやったら如何。
 當山部長
  屋嘉のP・Wの宣撫員が相当の害毒を流して居る様なことがあるから取締をやって貰いたい。
 護得久委員
  総務部から各地に宣撫員(P・W)が如何なることをして居るか調査して貰いたい。
 又吉部長
  調査します。
 志喜屋知事
  総務部、警察部両方から調査すること。
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