戦後初期会議録

組織名
沖縄民政府
開催日
1946年05月08日 
(昭和21年)
会議名
経済小委員会 1946年5月8日 目録詳細 画像を見る
議事録
経済小委員会〔商品輸送・予算・農業組合〕

  五月八日(水)午前九時。
  出 席 知事、松岡、又吉、玉城、當銘、護得久、比嘉、安谷屋の諸委員。
  軍政府 ローレンス少佐、ペリー少尉。
諮詢事項
 又吉委員
  昨日社会事業課長会を開いて救済方面を協議したが私も外廓が分りました。報告して置きます。
 軍政府
  沖縄住民の使用する凡ての車は宜野座、田井等、本部、コザ、前原、知念、糸満、差し当たり本部、コザ、知念、宜野座のモータープールを工務部に移す。修理機械・器具を調査し置くこと。
  東恩納のモータープールの不足分も調査して置くこと。
  ガソリンも一ケ月分調査すること。
  米軍には切符を渡してガソリンを入れさす。其切符は軍政府で発行す。
 護得久委員
  車の時間の書替をお願ひします。
 糸数委員
  商品の輸送部の費用は如何なるか。
 軍政府
  糸数は如何考へるか。
 糸数委員
  卸から小売に渡る間は卸に含まれて居ると考へる。
 軍政府
  軍政府の倉庫から出たら品物は民政府になる。
 糸数委員
  私の方には村に移す費用はないから之は村の負担になる考へである。
 軍政府
  軍政府から品物を受取ったら糸数の負担である。
 糸数委員
  結局小売商が負担しなければならない。
 軍政府
  卸には輸送費は要しない。
  輸送費は糸数の予算に入れて置く(六倉庫に輸送する予算)。
  各部の使用する車の費用は各部で予算するか一括して予算を立てるか。
 志喜屋知事
  各部で予算を立てゝ居る。
 護得久委員
  九月迄では各部で予算を立てゝ其後一括するならやりませう。
 軍政府
  軍政府としては一括してやりたい。
 護得久委員
  私の方では各部を一括することになる。
 軍政府
  農業会、水産連合会では其車の費用は如何なるか。
 玉城水産部長
  水産部では予算に一括して編成す。
 軍政府
  予算は如何なって居るか。
 護得久委員
  各部の予算を纒めてあるが之を修正しつゝある。
  各部長と知事と相談したい。故にもう一週間程待って戴きたい。
 軍政府
  経済部長は俸給及事務分掌を各人何級と明細にして出すこと。
 糸数委員
  人事課で各部の級を早く検討して纒めて貰いたい。
 軍政府
  又吉委員に聴くが、市町村の予算は如何なって居るか。
 又吉委員
  各市長村に予算の指示をやって居る。
 軍政府
  市町村の予算は誰が責任を以てやるか。
 又吉委員
  私の方でやります。
 軍政府
  住民の住宅につき知事に回答があった筈だが。
  工務部で復興費として人権費も全部予算に編成すること。
 軍政府
  昨日の社会事業課長会議の重要な件は何であったか。
 又吉委員
  農務の方から分配された土地を以て生活し若しそれで出来ない者は救済する。
  養老院・孤児院の費用を節約する。現在十一ケ所あるが之を五ケ所に縮小する。
  調査委員は村により四、五人でよい。各字は二人でよい。
  農工方面に適する人は最初は救済するが段々之等を其方面に働かす。
 軍政府
  家庭工業を奨励する様に。
  養老院・孤児院の予算は何所でやるか。
 又吉委員
  養老院・孤児院の予算は総務部で編成し軍政府負担とす。
 軍政府
 ◎救済の品物は軍政府から卸価でやらうとして居るが。
  救済につきては軍政府経済政策方針三十七条に出て居る。
 比嘉委員
  失業救済方法として農務部としては荒廃した島尻・中頭の山に造林したい。
 松岡委員
 ◎救済は売店に行って現品を渡すことになって居る。
 軍政府
  比嘉委員の問題は軍政本部に行って相談して見る。
 ◎救済部面は品物でやって悪ければ訂正す。
 志喜屋知事
  住宅復興予算は何時まで提出すればよいか。
 軍政府
  外の予算と一緒に提出してよい。
 糸数委員
  明九日村長、販売主任の会合にはローレンス少佐も御出席を願ひたい。
  1 村販売店の職員には成るべく商人を採用して貰いたいことをローレンス少佐の御挨拶に入れて貰いたい。
  2 床屋、ホテルは個人営業にしてくれと来るが将来之も考へて居るが而し村営もよい(床屋、ホテルも個人営業)。
  3 薪炭の運搬に山原船を使用したい(個人営業)。
 軍政府
  食糧につきホテルは如何なるか。皆配給を受けるが。
 糸数委員
  私の方で其件は考へる。
  金武の工作隊の跡を倉庫として使用したい。
 軍政府
  宜野座は如何なって居るか。
 糸数委員
  増築しなければならない。
 軍政府
  追加の物価表は如何なったか。
 比嘉委員
  特定品の牛、種物、農用薬品等は直接村に軍政府から配当せず農業組合に渡されたい。農業組合で措置す。
 軍政府
  それでよい。
 比嘉委員
  農務部長を経由させたい。
 軍政府
  軍政府から商務へ、それから農務に渡すか。
 比嘉委員
  物品の要求方は農業組合――農務部――商務部――知事――軍政府を通じて請求す。
 軍政府
  組合が器具・機械を貸す貸賃は誰が決定するか。
  各組合から軍政府に来る書類が返戻しないものは軍政府で採用決定なったものと考へてよい。
 軍政府
  糸数委員に質するが沖縄で生産する品物の値段を報告せしや否や。
 糸数委員
  提出して軍政府で決定して私の所に来て居る。
 軍政府
  下駄の値段は。
 糸数委員
  正業する者なく副業者の造って居る値段を以てやる考である。
  六月一日から総て軍政府が決定したものは断行し改正すべきものは又改正す。
 軍政府
  決定した物価により六月一日から決行す。
  銀行の利息につきて如何なったか。
 護得久委員
  知事に提出しました。
 軍政府
  北緯三十度を全部経済統一する計画をして居るや否や。
 志喜屋知事
  研究して居ます。
 軍政府
  製氷機が四個来たが何所に置くか。
  氷の使用は住民と軍政府との使用に充つればよい。
 志喜屋知事
  何処に置くかは食事中に決めます。
 軍政府
  農業組合が銀行から金を借りて農家に貸す場合其機構は如何なるか。
 比嘉委員
  年度始めに予算を立てることにする。
 軍政府
  農業組合の利潤はどうなって居るか。
 比嘉委員
  実費しか取らない。
 軍政府
 ◎各市町村や離島から軍政府に物を取りに直接に来るから之を統一されたい。
 志喜屋知事
  総務部から通知を発しませう。
 又吉委員
  然うします。
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