戦後初期会議録

組織名
沖縄民政府
開催日
1946年05月03日 
(昭和21年)
会議名
軍民連絡会議 1946年5月3日 目録詳細 画像を見る
議事録
軍民連絡会議〔勤務時間・先島〕

  五月三日(金)午後二時
  出 席 志喜屋知事、又吉部長。
  軍政府 ワッキンス少佐。
諮詢事項
 軍政府
  勤務時間制定の件。
 志喜屋知事
  今朝協議しました。
 軍政府
  民政府の職員は労務部長で労務カードを作ってよいだらう。當銘部長で可然取計ふ様にと。
 志喜屋知事
  常傭の人夫と職員は労務部長で、臨時人夫は石川労務部で労務カードを作ること。
 軍政府
  大東島の船の件は。
 志喜屋知事
  糸数氏が世話する。
 軍政府
  先島も沖縄の管轄に入れることにしたら如何。
 志喜屋知事
  経済状態が一様になって後にした方がよいと思ふが。
 軍政府
  軍政府の意向は確立して居ない。先島の住民が希望して居る。
  経済上其外の幾多の困難がある。
  軍政府は原則として政治経済的を元の通り置きたい。
  せめて政治的方面でもやりたいが経済的関係があるから困難な所がある。
  当分折衷案として先島の代表者を東恩納に呼んで本島及先島の情況も交換したら如何。
 志喜屋知事
  軍政府の船が宮古・八重山行く時御願ひしたい。
 軍政府
  商務部に海運課を設けて船の発着表を取る様にして知事に報告す。
  政治・行政面でも本島と同一にしたら如何。研究されたい。
  政治・行政が本島と同一になることに決定なれば早く知らして貰いたい。
  軍政府ではラヂオで先島に同島の有志が本島に行くべく通報す。
  宮古・八重山が本島と一緒になる理由があるか。
 志喜屋知事
  元は県庁があって各方面への連絡がよかった。勉学するにも都合がよい。
 當山委員
  日用必需品の有無相通ずること。
 軍政府
  仲村部長に都合のよい様に何時でも伊波から東恩納に移転してよい。
  警察用のクワンセットが要るだらうが。
 志喜屋知事
  金武のクワンセットを譲り受けることが出来ましたら。
  通信部はクワンセット二棟。場所は財務の下の方にと。
  クワンセットはワイヤーをかけて防風の準備をして置く。
 又吉委員
  松岡委員は官房と、総務部は海岸傍に移転したら如何と。
 軍政府
  知事に任す。
 志喜屋知事
  出来るだけ諸道具を下さい。
 軍政府
  警察には幾何のクワンセットが要るか。
 志喜屋知事
  小なら二つ、大なら一つでよからうと思ふ。
 軍政府
  松岡委員はハナ少佐の所で一三七(文教学校付近)工作隊の所に電話機が沢山あるからハナ少佐に願って東恩納に持って来るやうに。
 志喜屋知事
  松岡委員が云ふ様には、戦闘部隊から民政府が資材を譲り受けて、之を工務部に管理させる指示がある筈だがと。
 軍政府
  之を責任を以て管理する者がなければならない。
 志喜屋知事
  工務部担当す。
 軍政府
  工務部が管理はするがそれの使用につきては知事の命による。
  戦前斯ることにつきて知事は絶対命令権利があったか。又軍政府から指示を出すか。
 又吉委員
  知事は斯ることに対し絶対権利があったが斯る時代であるから軍政府から指令を出した方がよい。
 志喜屋知事
  部内であるから指令は出されなくてもよい。
 軍政府
  従来其権利があったらよいがなかったら軍政府から指令を出す。
 ◎知事は戦前の権利を有すが若し不足所があったら特別に軍政府から指令を出す。
  通信、税金、司法は知事は戦前に権利はなかったが今度は権限を与へた。
  斯くの如く今までなかった権限は軍政府は与へた。
  以前の県庁は上に省があったが現在は凡ての行政をやらなければならない。
 ◎若し知事の権限が足らざる時は軍政府から指令を出す。
  ハナ少佐は数日後に台湾に行くが通信等があったら部長の分だけでも頼んでよい。
 ◎私(ワッキンス少佐)の運転手をお願ひしたい。
 軍政府
  仲村委員は憲兵司令官に了解を得ること。
 志喜屋知事
  運転手の規則違反の警告及戦闘部隊との住民の面会不許可に対して今日各市町村長に通知を発した。
  ウルマ新聞にも掲載します。
  松岡委員に陸軍から諮詢に来るが直接軍政府の許可なしに会ってよきや否や。
 軍政府
  軍政府の許可がなくても直接会ってよい。
 志喜屋知事
  P・Wが沖縄に居留り度いとのことであるが一応日本に復員させた方がよいと各部長の意見であるが。
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