戦後初期会議録

組織名
八重山群島議会
開催日
1952年06月28日 
(昭和27年)
会議名
第10回八重山群島議会(臨時会)[1]
議事録
第十回八重山群島議会(臨時会)会議録

第十回八重山群島議会(臨時会)会議録
一 会期
 一九五二年六月二十八日から六月三十日まで中一日休日を除く二日間

二 出席議員
 議長(三番議員)
        潮平 寛保君
 副議長(六番議員)
        大山 眞整君
 議員(五番)
        古見 石人君

三 議事参与
 副知事    當銘 正友君
 元財政部長  崎山 信邦君
 元工務部長  宮良 英副君
 元工務次長  宮城 光雄君
 元事業所長  前新 雄三君
 元事務官   漢那 憲徳君
 同      崎山 英正君
 同      喜友名安好君
 元運輸所長  仲程 長宜君
 元配電所長  神山 長意君

四 書記長及び書記
 書記長    田盛 正雄君
 書記代理   村山 信八君
 同      仲吉 良雄君

五 会議に付したる事件の題目
 議案第十六号 地方庁設置に関する陳情書決議の件
 議案第十七号 離島航路補助金使途一部変更の件
 議案第十八号 群島財産評価額修正承認の件

 一九五二年六月二十八日
 午前十時四分開会
議事日程第一号
第一 議案第十六号 地方庁設置に関する陳情決議の件
第二 議案第十七号 離島航路補助金使途一部変更の件

 議決の顛末
◎議長(潮平寛保君) さきに佐久眞議員、石垣用中議員がお辞めになりまして現在四名残っていられるのでありますが、お辞めになった二人の議員の補欠に対しては民政官府からの一九五二年二月十六日付民政布令第六十四号によって補充はしないということになっております。
 久部良議員は欠で過半数の三名出席ですから開会いたします。
 (午前十時四分)
 まず会期をお諮りします。
○大山眞整君 残務関係諸事務の処理が済んでいるとすれば長びく必要もないし、処理が済んでいるか、いないかによって会期はきめられると思います。
○議長(潮平寛保君) では参与に御説明願います。
◎副知事(當銘正友君) 最後の議会を招集しましたところ御多用中御出席くださいまして政府当局として感謝申しあげます。今回は群会としての機能をもつ最終の議会でありまして、過去をかえりみまして誠に感無量なるものがあります。
 四月以降残務整理について重点的に力をいれたのは一般財政事務の処理であります。前議会で議決した群府財産処分の完全処理、退職者に対する給与金の支給等でありまして、一般会計におきましては各責任者によって処理されつつあり、唯今監査事務が続けられております。
 財産処分については、もし三月中にできなかった時は、当然四月以降は琉球政府の承認をうける必要があるので、上沖いたしまして口答による承認をえて参りました。
 配電所の石垣市移管については、世論もあり民政官としても慎重な態度をとっておられたのでありまして、たまたま私の上沖中時を同じくして、市の方から浦本助役、崎山議会議長も在覇中でありましたので、三名一緒になって、石垣市移管についての政府の方針、その他の事について説明申しあげましたので、当局も群府の市移管についての議会の議決を支持され最終的決定をみたのであります。爾来、移管に関して市側からいろいろ変った意見があるようでありますが、それは評価決定されたものの中に外国人財産がある点等の関係によるものであります。その他製材所、運輸、鉄工、それぞれ議会の議決によって従業員に払下げるよう準備中であります。運輸所の財産については、財政局を通じて、その財産中、運輸支局の運営上必要なる器材を残してその他のものを払下げるよう指示もありましたので、必要のないものは従業員に払下げるようにしてあります。沖縄連絡所も議会の議決通り、市町村組合に譲渡するようになっており、その他中学校長の住宅、敷地も認可になりましたから移管の手続きを完了すべく急いでおります。
 その外に製材所財産中すでに評価されている営林丸については、石垣長泰氏から異議の陳情がありますので慎重審議のうえ御決定になるようお願いいたします。
 以上財産処分の事についていろいろ申しあげましたが、詳しい事については係から説明があると思います。
 退職給与金についてはビートラー書簡にもとづいて、支給をし返納を要するものについても書簡によって処理をしておりできるだけ早く処理するようにしております。
 なお一般会計面で地方財政交付金の中に離島航路補助金六〇万円が支出されているが、これは琉球政府の予算で支出するのではなく群府歳入によって支払らわれるべきものであるので、税務署長をして歳入の獲得につとめさせ、それによって支出を促進したいと思います。今月中にこれらの支出に必要な群府歳入ができると思います。近日中に財政交付金も送金される筈であります。
 残務整理中の支出負担行為として郷土史の編纂がありますが、琉球政府ではこういったものが一群島のために予算に計上されることは、妥当でないというので見合せになっております。それで仕事は継続中ではあるし、せっかく中途で放棄するのも問題でありますので、各方面と折衝経費の支出を努力したのでありますが今もって何の通知もありませんが、文教局に十一万円程度の経費を支出してもらいたい旨相談いたしましたところ、何とか特別の方法をもって支出する旨係官の間に話合があったようであります。
 残務整理期間中における主なる事務処理の概要は以上の通りであります。
○議長(潮平寛保君) 大体残務整理のことについては唯今の副知事のお話の通りでありますので、差し当り会期を本日一杯にして更に今から開かれる会議によって、会期延長の必要があれば延長してもよいと思いますがどうでしょうか。
  (「異議なし」の声あり)
◎議長(潮平寛保君) 御異議ないようですから会期を今日一日に決定いたします。(午前十一時八分)
◎議長(潮平寛保君) 署名捺印者を大山議員、古見議員に御願いします。
  (「異議なし」の声あり)
○議長(潮平寛保君) 御引受けになり有難うございます。
○議長(潮平寛保君) 日程を御諮りいたします。まずお手元に配ってあります第十六号議案を先にして、後は休憩して懇談のうえ片づけることは如何でしょうか。
  (「異議なし」の声あり)
◎議長(潮平寛保君) 御異議ないようですから十六号議案を上程いたします。この議案は群島議会主催で去る六月二十日公聴会を開いて住民各層代表の意見を承ってまとめたものでありまして公聴会における意見は先程回覧に供した速記録による通りであります。
  (書記陳情書を朗読す。)
○議長(潮平寛保君) 休憩します。(午前十一時十五分)
  (休憩中陳情書修正及び営林丸問題について話合をなす。)
○議長(潮平寛保君) 開会いたします。(午後零時)
 懇談中の修正案を書記で朗読してください。
  (書記修正案を朗読す。)
◎議長(潮平寛保君) 唯今読上げました通り懇談中の修正案を陳情することにしては如何でしょうか。
  (「異議なし」の声あり)
◎議長(潮平寛保君) 御異議ないようですから満場一致これを可決します。これで休憩して午後一時半から開会します。(午後零時二十九分)
○議長(潮平寛保君) 開会します。(午後二時十分)
◎議長(潮平寛保君) 第十七号議案を上程いたします。
 休憩して懇談いたします。
◎議長(潮平寛保君) 開会いたします。(午後四時三十五分)
 本案に関しては別に御異議がないようですから原案可決としては如何ですか。
  (「賛成」の声あり)
◎議長(潮平寛保君) では議案第十七号は原案可決といたします。
 本日はこれで休会いたしまして、明日は日曜日で明後日三十日まで会期を延長いたし、同日午前十時から開会することにいたします。(午後四時四十分)
午後四時四十分閉議
出席者 二十八日に同じ(ママ)
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