戦後初期会議録

組織名
沖縄群島議会
開催日
1950年11月13日 
(昭和25年)
会議名
第1回沖縄群島議会(臨時会) 1950年11月13日
議事録
第一回沖縄群島議会会議録(臨時会第一号)

一九五〇年十一月十三日(月曜日)
午前十時二十五分開議

 議事日程第一号
  午前十時二十五分開議
 第一 議長の選挙
 第二 副議長の選挙
 第三 議案第一号 副知事選任に当り議会の同意を得ることについて
 第四 議案第二号 監査委員選任に当り議会の同意を得ることについて
 第五 議案第三号 公安委員選任に当り議会の同意を得ることについて

◎群島知事(平良辰雄君) 本日最初の群島議会を招集致しましたところ全員出席下さいまして有難うございました。
◎宮城久栄君 皆さんにお諮り致します。臨時議長を互選しなければなりませんが、投票を省略して氏名推薦(ママ)に致したいと思います。その指名を私におまかせ下さいませんか。
 (「賛成」と呼ぶ者あり)
◎宮城久栄君 御異議ないと認めます。臨時議長に知花高直さんを指名致します。御賛成願います。
 (「賛成」と呼ぶ者あり)

  (知花高直君 臨時議長席に着席)
◎臨時議長(知花高直君) 今度推されまして不肖私が臨時議長の席をつとめることにします。開会致します。出席議員全員であります。諸君の議席は、現在の仮議席の通り指定致します。

◎臨時議長(知花高直君) 議事録の署名人二人を定めなければなりませんが、いかがいたしますか。
○与儀清秀君 議長指名にお願いします。
○臨時議長(知花高直君) 議長指名に御異議ありませんか。
 (「賛成」と呼ぶ者あり)
◎臨時議長(知花高直君) 議事録署名人に二番与儀清秀君、十一番具志頭得助君を指名致します。御異議ありませんか。
 (「賛成」と呼ぶ者あり)
◎臨時議長(知花高直君) 御異議がありませんから、御二人にお願い致します。

◎臨時議長(知花高直君) 議長選挙を行うことに致します。選挙の方法はいかが致しますか。
◎松本恭典君 議長指名で六人位の銓衡委員を挙げ、各地区代表、政党代表等適当な委員で銓衡して頂きたいと思います。
◎臨時議長(知花高直君) 十番議員から銓衡委員を六人挙げ、その指名は臨時議長指名の動議がありますが、御異議ありませんか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎臨時議長(知花高直君) 御異議ありませんようですから、私から銓衡委員六人を指名致します。十三番議員山川宗道君、五番石原昌淳君、二番与儀清秀君、十九番崎山起松君、十六番新里銀三君、二十番仲里誠吉君、この六名を指名致しましたが、御異議はありませんか。
 (「賛成」と呼ぶ者あり)
◎臨時議長(知花高直君) 御異議ありませんから、この六人にお願いします。六名の方で慎重に銓衡して頂くため暫時休憩致します。
  午前十時四十分休憩
  (銓衡委員六人退場、別室に於て協議の後着席)
○臨時議長(知花高直君) これより会議を開きます。
◎与儀清秀君 只今銓衡委員で銓衡の結果を御報告致します。閲歴、経験、手腕、議長には知花高直氏を最適任として銓衡致します。皆様の御賛成をお願いします。
◎臨時議長(知花高直君) 只今二番議員から知花高直を議長に推薦するという銓衡委員の結果報告がありました。知花高直を当選人と定めてよいかお諮り致します。
  (「賛成」と呼ぶ者あり)
◎臨時議長(知花高直君) 御異議がないようでありますから、知花高直を議長の当選人に確定致します。

◎議長(知花高直君) 只今議長に推薦され誠に恐縮致しております。私は、長年議席をけがしておりました。かつ又、年をとっているというだけで議長に推され、この重大時期に際して、その任であるか、心ひそかに憂うるものでありますが、諸君の全会一致の御推薦でありますので、OK致して、与えられた議長としての職責を充分尽くし、住民のため力を尽くしたいと思います。ふつつかな者でありますが皆様の御鞭撻御指導をお願い致します。(拍手)

◎議長(知花高直君) これから副議長の選挙を致します。
◎宮城久栄君 すでに銓衡委員が銓衡してあるようでありますから二番議員から推薦して下さい。
◎与儀清秀君 銓衡委員に於いて稲嶺盛昌氏が副議長に適任であると銓衡してあります。御賛成を願います。
◎議長(知花高直君) 銓衡委員の与儀議員推薦の稲嶺盛昌君に御異議ありませんか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎議長(知花高直君) 異議がありませんから、稲嶺盛昌君を副議長の当選人に確定致します。

◎副議長(稲嶺盛昌君) 只今、不肖私、副議長に当選し誠に恐縮しております。群島組織法に基き、議長を助け責務を完遂したいと思います。各位に於いても御支援御協力して職責を完うせしめて頂くようお願いします。(拍手)

◎群島知事(平良辰雄君) 知事として御挨拶申し上げます。群島政府は、去る四日発足しています。議会は、本日目出度く成立したのであります。発足、日なお浅いのでごたごたしています。議案も何ら準備してありません。私らとしては群島政府の機構が完備せねばならぬというので、そういう面で、副知事、監査委員、公安委員の承認しかないのであります。議会では会議規則を制定せられると思います。群島組織法で群島政府も出来、立派な議会もできたので充分な自治を発揮できると思います。私は議会の能力を充分発揮するのがねらいで、議事堂がないので傍聴人がはいれぬのでは問題にならないのでありまして、今回は、群島政府構内という告示を出しましたので、こういう所でいるのでありますが、次からは、議事堂はできぬまでも、一般に開放できる所で開きたいと思っております。議会は議会そのものが活撥に活動し、協賛機関だけでなく、立法機関として活動して貰いたいと思います。予算関係で案も出来ていませんが、議会書記局もつくり、その任務を果して頂きたいと思います。現在民の輿論を結集するのが大切で、単に政党、政派、党派的対立に行かぬよう進めて行かれたい。輿論の集結で強い政治を行うということで、党派的対立を棄て、強力な推進力で進めるのが沖縄では大切だと思います。将来の行き方にわづらわしさを持っているかも知れませんが、大乗的立場から処理するのが大事だと思います。その意味で皆さんの御協力もお願いし、相携えて政策の実現もしたいと思っております。皆さんと共に一生懸命やりたいと思います。初議会で、自分の気持を吐露致しまして、しっかりやって行きたいと思います。
◎群島知事(平良辰雄君) 新任部長の御紹介を致します。
 工務部長 渡嘉敷真睦氏(渡嘉敷真睦君起立)、経済部長 呉我春信氏(呉我春信君起立)、財政部長 宮里勝氏(宮里勝君起立)、厚生部長 宮城普吉氏(宮城普吉君起立)、文教部長屋良朝苗氏(屋良朝苗君起立)、法務部長 知念朝功氏(知念朝功君起立)、総務部長 幸地新蔵氏(幸地新蔵君起立)、知事室事務局長 宮城寛雄氏(宮城寛雄君起立)

議案第一号
  副知事選任に当り議会の同意を得ることについて
副知事に左記の者選任したいので群島組織法第十六条第一項により議会の同意を得る。
 一九五〇年十一月十三日
  沖縄群島知事 平良 辰雄
    記
 (住所)首里市当蔵区
 (氏名)   山 城 篤 男

◎議長(知花高直君) 議案第一号副知事の選任に当り議会の同意を得ることについて、之を上程致します。当局の説明を省略致します。御質問はありませんか、御質問はございませんか。
  (質問する者なし)
◎議長(知花高直君) 御質問がないようでありますから、一読会を終了して二読会に移ります。副知事に山城篤男氏を選任することに御異議はございませんか。
 (「異議ありません」と呼ぶ者あり)
◎新里銀三君 議会の同意を得るとあるが、全体の同意でありますか、過半数の同意でありますか。字句の説明をお願いします。
○総務部行政課長(稲嶺成珍君) 行政課長の稲嶺であります。群島組織法第十六条に知事が議会の同意を得てこれを選任する、とありますが、議会は全て議決によって決めるのでありまして、議決の方法は議員の過半数が賛成であればいいので、我々の解釈は議員の過半数が同意であればいいと思っています。
◎新里銀三君 副知事の選任に於ても過半数以上の同意を得れば選任できる訳ですね。私が群島組織法を調べた所によりますと、議会の同意を得なければならないのが十四カ条あります。第十六条、第二十一条、第二十八条、第三十二条、第七十二条、第八十五条、第百三条、第百六条、第百十二条、第百二十条、第百二十二条、第百三十七条、第百六十一条、第百六十七条以上十四カ条であります。その中の九カ条は、出席議員の三分の二以上が二つ、一つが議員定数の三分の二以上出席し、その四分の三以上の者の同意、過半数以上が二つ、議員定数の四分の三以上の同意が一つ、全員同意が七十二条一つ、単に議員三分の二以上とあるのが二つ、以上九カ条にその具体的方法を示しています。第十六条、第二十一条、第百十二条、第百二十二条、第百二十条の五カ条は、同意については、何分の何以上とか過半数とかの定めがないが、私としては、これは全員の同意がなければ選任できぬと思います。十六条は副知事選任の同意、二十一条は群島の出納その他の会計事務の同意、これは何分の何とありません。二十八条は条例の制定改廃又は歳入歳出予算の議決に知事に異議があり再議に附されたときの議決については出席議員の三分の二以上の同意、三十二条は知事不信任の議決で、議員定数の三分の二以上の者が出席、その四分の三以上の同意を要するようになっています。七十二条は指名推薦の方法を用いる選挙に於いて当選人を諮る時の同意、これは全員同意と思います。八十五条、部を増設する時の同意、これは議員定数の四分の三以上、百三条、百六条は知事と議員の解職の投票で、これは過半数、百十二条と百二十条は監査委員と公安委員の選任で、これは両方とも全員と思います。百二十二条公安委員の罷免、これも全体でなければならないと思います。百三十七条は条例で定める財産、営造物の処分、使用許可、これは出席議員の三分の二以上の同意、百六十一条は予備費の支出、これは三分の二以上の同意、百六十七条は財産の売却貸与、工事の請負、資材、食糧その他物件、労力の供給を競争入札に実施する条例の同意で三分の二以上の同意がなければならないと具体的に書いてあります。何分の何とないのは、可決選任できないと思います。
○群島知事(平良辰雄君) これは私は全然反対であります。議会がある以上、過半数を原則とするが、これが或る部分について特に明示してあるので触れないのは、何ら考える必要はないと思います。
◎新里銀三君 それは銘々の解釈でよろしいが、総務部の解釈は?
○総務部行政課長(稲嶺成珍君) 知事の言われた通り仕事の重要性により何分の何なければならぬという考えでよいと思います。普通の仕方でよいと思います。
◎新里銀三君 副知事の選任は、重要事件ではありませんか。
○総務部行政課長(稲嶺成珍君) 仕事については事件により、これだけ同意があればよいと思います。正しい行政実例判例もありませんが、我々はこう思っています。
○議長(知花高直君) 別に異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎新里銀三君 同意に異議があります。同意できません。
◎議長(知花高直君) 原案に不賛成の方は挙手願います。
  (挙手者一人)
◎議長(知花高直君) 議案第一号に賛成の方、挙手願います。
  (挙手者多数)
◎議長(知花高直君) 多数と認めます。議案第一号は確定致します。

議案第二号
  監査委員選任に当り議会の同意を得ることについて
      (群島政府提出)
◎議長(知花高直君) 議案第二号上程致します。

議案第二号 監査委員選任に当り議会の同意を得ることについて
 監査委員を左記の通り選任したいので群島組織法第百十二条第二項により議会の同意を求める。
  一九五〇年十一月十三日
   沖縄群島知事 平良 辰雄
    記
 議員中から  宮城 久栄
        具志頭得助
        新城 徳助
 学識経験者の中から
        仲宗根秀俊
        仲宗根朝武

◎総務部長(幸地新蔵君) 御手許にあげた議案に氏名を掲示してありませんが、書き入れて頂きます。一般の方から仲宗根秀俊、仲宗根朝武、議会の方から宮城久栄、具志頭得助、新城徳助、以上の五名であります。
○議長(知花高直君) 一読会を致します。御質問ありませんですか、御質問ありませんですか。
◎与儀清秀君 私達が同意するには、その人柄の大体を知らねば、分らぬのに同意するのはどうかと思います。学識経験者中から選ばれた方の略歴をお願いします。
○総務部長(幸地新蔵君) 私の方から仲宗根秀俊氏、仲宗根朝武氏の略歴を申し上げます。仲宗根秀俊氏は勝連村の御出身で、大正五年国頭郡書記を拝命、沖縄県属に昇進、昭和四年地方課勤務、昭和八年知事官房文書課長となり勲八等瑞宝章を頂いています。昭和十二年総務部会計課長を命ぜられ從七位に叙せられています。同年九月沖縄県鉄道の主事、鉄道管理所庶務課長、終戦後は総務部総務課勤務、現在は、更に機構改革で行政法務部行政課長で去る十一月四日行政課長を解かれました。
 仲宗根朝武氏は具志頭村出身で大正十三年具志頭村書記拝命、昭和十二年具志頭村収入役に十四年助役に昇進、十八年具志頭村長になられ、終戦後に及び、終戦後も具志頭村長に当選、引続き村長の重責についておられたが、一九四九年十月十九日に民政議会議員拝命、今日に及んで居られます。以上大体略歴を申し述べました。
○議長(知花高直君) 御質問はありませんですか。
  (質問者なし)
◎議長(知花高直君) 御質問ないと認めまして、二読会を開きます。御異議ありませんか。御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎議長(知花高直君) 御異議ないようですから、三読会を省略して確定したいと思いますが。
  (「賛成」と呼ぶ者あり)
◎議長(知花高直君) では確定致します。

◎具志頭得助君 議事の運営についてでありますが、会議規則はまだ定められていませんが、現在は読会は廃止になっている様ですから、そのおつもりで議事をお進め下さい。
◎祖根宗春君 議会会議規則が設定されれば、こんな間違いはないと思います。終戦後は読会制度を廃止して、説明、質疑、討論、表決というようになっています。そういうふうにして行きたいと思います。まだ議事規則も設定されませんが、はやく議事規則を定めてそれによって行かれたらよいと思います。

議案第三号
  公安委員選任に当り議会の同意を得ることについて
  (群島政府提出)
◎議長(知花高直君) 議案第三号を上程致します。

議案第三号 公安委員選任に当り議会の同意を得ることについて
 公安委員を左記の通り選任したいので群島組織法第百二十条第二項により議会の同意を求める。
  一九五〇年十一月十三日
   沖縄群島知事 平良 辰雄
    記
  桃 原 亀 郎
  新 垣 義 常

○総務部長(幸地新蔵君) 議案第三号の公安委員、桃原亀郎、新垣義常であります。
◎群島知事(平良辰雄君) 公安委員の問題については、軍から法の改正をしたのであります。最初軍は数を減らし一人にしたらとのことでありましたが、三名にして貰いたいと申し上げました。任命職はできぬとのことだが沖縄ではむつかしいのでそれを削って呉れと申し上げたら、公安委員は三名になり、資格は全部撤廃されましたが、これは我々の要求以上に広くなっています。三名選任しなければなりませんが、二名はできたが、あと一人はまだできないで申訳ありません。あと一人は次に廻して頂きたいのであります。
◎宮城久栄君 公安委員の定数は、各群島別に決められていますが、他の三群島はそのままでありますか。
○群島知事(平良辰雄君) 他は三名であり、沖縄だけ五名であったのが全部三名宛になった訳です。
○宮城久栄君 これは杞憂かも知れませんが、来年六月頃琉球政府ができるそうですが、その時全琉の公安委員もできると思います。その時、みな同じでは、それに影響しませんか。
○群島知事(平良辰雄君) 実は委員の数は五名でもいいと思いましたが、軍ではなるべく少い方がいい。アメリカでも委員制度をやったが成績がよくないか(ママ)と言っておられましたが、我々の方で、委員は少くとも三名は必要と思うと申し上げたので、決して我々がぜひそうして貰いたいと言ったのではありません。
◎具志頭得助君 公安委員は、警察を指揮監督する重責でありますので、慎重を期するため、御本人の履歴を披瀝して頂きたい。
○総務部長(幸地新蔵君) 桃原亀郎氏は宜野湾村の出身、大正七年沖縄県立師範を卒業され、首里女子小学校におはいりになり九年に宜野湾、十一年古堅、十四年天願に転じ、昭和二年屋良小学校に変られ、四年に同校を退職され、昭和六年宜野湾村収入役に就任、更に四年後の昭和十年六月十二日収入役に再任、十四年には同村助役に就任され、終戦後も引きつづき同村助役から村長に進まれ、一九四八年に宜野湾村長に当選、去った九月十八日同村々長任期満了して現在に至っています。
 新垣義常氏は、三和村名城の出身で昭和三年師範専攻科卒業、第二豊見城小学校に勤められ、昭和八年大阪府貝塚北小学校、昭和九年大阪市岡第四小学校、昭和十五年喜屋武小学校教頭、昭和十七年南風原小学校教頭、昭和十九年瀬喜田の国民学校長、一九四六年三月糸満初等学校長、四八年二月民政府事務官として就任、去る七月依願退職しておられます。
○議長(知花高直君) 御異議ありませんか。
◎宮城久栄君 三名の定員に二名だけ選任の同意を求めたのは、仕事の都合で二名だけやっておいて選任しておくつもりかも知れませんが、我々としては三名揃うまで延期できぬものでせうか。
○群島知事(平良辰雄君) それは差しつかえありません。
◎仲里誠吉君 公安委員の人選には人民各階層が大きな関心を持って居ります。只今二名が挙げられていますが世論は殆んどこの顔ぶれを非難しています。平良知事は社会大衆党のその政策の中で警察民主化の一番重要なものとしてうたっています。始めて誕生した公安委員の制度の運営と実質が民主的でないといけないのと同じで、委員を選ぶ方法も民主的でなければなりません。この二人を選ぶまでどのような方法をとられたかを。
○群島知事(平良辰雄君) これは銓衡方法の法規がない。ないから自分で選んで議会の同意を求めるほかはありません。現在としては止むを得ないと思います。
◎仲里誠吉君 公安委員の人選については、民衆各階層の意見を聴くのでなければならないと思います。私は七番議員の意見に同調致します。議会の席上で今すぐ決めねばならないものではないと思います。民間では、この人選は多分に選挙における論功行賞が含まれていると見る人が多い。このような人民の観測が行われています。その点で当局の反省をうながすものであります。その意味で各階層の意見をきいて今回は、この議案は撤回して次の議会にして貰いたいと思います。
◎祖根宗春君 同一議案を会期を分けてやるのは、議事進行上面白くないので、今回は撤回して次回に延ばしたらよいと思います。二人だけ選任してもすぐ運営はできぬと思います。提案者に説明を願い、公安委員の資格及び数について軍が決められたという説明がありましたが、群島組織法が出来、運営に乗り出したのは、最近、軍がすぐ改正するとは理解できません。その改正前に軍に資格条件と数を減らして貰いたいとの新聞記事を読んだ記憶がありますが、軍自ら改正したのでありますか、民の世論で改正したのでありますか、はっきりお答え願います。
◎群島知事(平良辰雄君) 先程申し上げたが、軍から進んで交渉に参ったのであります。これは、公安委員の数を一人減らしたら、資格は全廃したらというのでせっかく法律をつくり、実施もせぬのに廃止はどうか、我々としては任命職は困るのでその分だけは削除されたいと申し上げ、消防部は警察部の中に課を設けたらよいとの意見を出したら、その結果が三名になり資格を全部撤廃してしまったのであります。皆さんの言われる通り、今回は皆さんの同意を得て撤回したいと思います。
◎宮城久栄君 これは警察の民主化で重要な警察の最高機関を決定するので、当局でも慎重を期する意味で今回は撤回して次回に提案して頂きたい。
◎祖根宗春君 公安委員については、全民衆が関心を持っています。次回に同意を求めるのは賛成ですが、提案者に希望があります。沖縄全住民が見て二人以上に公安委員として、人物、手腕、政治的色彩のない点警察の民主化をやり得る人があれば慎重に人選され、それを議会に提案前に先ず提案者の権限は知事にあるが、同意の権限は議会にあるので行政機関と議決機関との提携を期する意味で議会に出ぬうちに新聞に出るのは議会の権限を無視しているようで今少しく慎重を期されたい。若し否決されたら政府の面目は丸潰れするし同意を得られなければその人の人格を傷つけます。その人事の一例としても副知事の問題についても新聞にも機構も人物論も出て誤解をまねく恐れがあるので議会の同意を要するのは議決を経てから発表して頂きたいと思います。
○群島知事(平良辰雄君) 只今の御意見御もっともであります。実際その通りで、人事の交渉中洩れてああなるので充分注意したいと思っております。
◎議長(知花高直君) 議案第三号は、撤回致します。暫時休憩致します。
  午前十一時五十二分休憩

  午前十一時五十四分開議
◎議長(知花高直君) 開会致します。本日はこれで散会しまして、明日午前十時に本会議開会致します。
  午前十一時五十五分散会

○本日の会議に付した事件
 一、臨時議長の互選
 一、議席の指定
 一、会議録署名人の選定
 一、日程第一 議長の選挙
 一、日程第二 副議長の選挙
 一、日程第三 議案第一号 副知事の選任に当り議会の同意を得ることについて
 一、日程第四 議案第二号 監査委員の選任に当り議会の同意を得ることについて
 一、議事運営に関する件
 一、日程第五 議案第三号 公安委員の選任に当り議会の同意を得ることについて

出席者は次の通り
    議 長 知花 高直君
    副議長 稲嶺 盛昌君
議 員
 与儀 清秀君  仲村 栄春君
 石原 昌淳君  普天間俊夫君
 宮城 久栄君  平良 幸市君
 玉城 泰一君  松本 恭典君
 具志頭得助君  長浜 宗安君
 山川 宗道君  祖根 宗春君
 山城 興起君  新里 銀三君
 新城 徳助君  野原 昌彦君
 崎山 起松君  仲里 誠吉君
  群島知事   平良 辰雄君
  総務部長   幸地 新蔵君
  経済部長   呉我 春信君
  工務部長   渡嘉敷真睦君
  法務部長   知念 朝功君
  文教部長   屋良 朝苗君
  財政部長   宮里  勝君
  厚生部長   宮城 普吉君
 知事室事務局長 宮城 寛雄君
  工務部副部長 西銘 順治君
  弘報室長   崎間 敏勝君
 総務部行政課長 稲嶺 成珍君
  警察部長   仲村 兼信君

指定された議席番号は次の通り
      一 知花 高直君
      二 与儀 清秀君
      三 稲嶺 盛昌君
      四 仲村 栄春君
      五 石原 昌淳君
      六 普天間俊夫君
      七 宮城 久栄君
      八 平良 幸市君
      九 玉城 泰一君
      十 松本 恭典君
     十一 具志頭得助君
     十二 長浜 宗安君
     十三 山川 宗道君
     十四 祖根 宗春君
     十五 山城 興起君
     十六 新里 銀三君
     十七 新城 徳助君
     十八 野原 昌彦君
     十九 崎山 起松君
     二十 仲里 誠吉君
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