戦後初期会議録

組織名
八重山群島議会
開催日
1951年03月13日 
(昭和26年)
会議名
第2回八重山群島議会(定例会)[10]
議事録
一九五一年三月十三日(火曜日)
 午前十時二十三分開議

議事日程第十号
  午前十時二十三分開議
第一 議案第二十六号 一九五二年度八重山群島政府一般会計歳入歳出予算案審議について
第二 議案第二十七号 一九五二年度八重山群島政府特別会計中央診療所歳入歳出予算案審議について
第三 議案第二十八号 一九五二年度八重山群島政府特別会計中央企業免許事務所歳入歳出予算案審議について

◎議長(潮平寛保君) 開会致します。(午前十時二十三分)
○書記長(眞玉橋長要君) (出席議員の報告をなす。)全員出席であります。
◎議長(潮平寛保君) 予算は、いずれも関連がありますので議案第二十六号一九五二年度八重山群島政府一般会計歳入歳出予算案、議案第二十七号一九五二年度八重山群島政府特別会計中央診療所歳入歳出予算案、議案第二十八号一九五二年度八重山群島政府特別会計中央企業免許事務所歳入歳出予算案、以上の三件を一括上程致します。
◎財政部長(崎山信邦君) 予算案提出に関してその概略を申しあげます。
 従来の予算編成はその総額一、七〇〇万円程度にして軍布令第七号による政治の計画を樹て住民の負担を考慮するときその具現を表す事は不可能であった。
 然るに、本会計年度の予算編成に対しては、民政官府の訓令によって、民政官府に予算案を提出して、その検討及び承認を得なければならないようになり、更に予算に対しても学校の建築費、産業面、自立経済面、その他有ゆる政策を計上する予算を総合してその中全住民の能う限りの負担の上に、なほ足らない負担の上にグラントインエードの形に於て民政官府が援助して予算を作るようになり、産業面、自立経済面、各復興面の有ゆる費用を予算に計上する事のできたのは従来の予算編成の考え方と相違する点であります。
 我々は、自ら政治費用を賄ふに足らない。それは人口四万、総戸数八、九〇〇戸で全能力を挙げてもできないような状態ですが、幸にグラントインエードとして援助される民政官府の援助並にそれを送る米国納税に対して感謝しなければならないと思う。
 予算編成上注意しなければならないのは、これがいかに必要であるか、いっぱいの収入源となるかと云う点に第一義的で、いかに社会的に必要であるかと云う事は第二義的に考慮される事であります。
 その他細目に亙っては逐次説明致す事に致します。
◎星克君 質問があります。予算編成の様式は決った様式ですか。
○財政部長(崎山信邦君) 様式は民政官府によって示されたものであります。それによって提出するのが妥当でありますのでそう致しました。内容の補助としては別表があります。
◎大山眞整君 歳入から順を追って質問を致したいと思います。収入の第八款の方からお願い致します。
 地租に対する税源、要するに負担すべき調査、課税標準、税源に対する税の割合はいくらですか。
 亦、家屋は一等とか二等とか等級を区別して課税していますか。或は税制により一律にしてありますか。
○財政部長(崎山信邦君) 地租及家屋税は賃貸価格を標準としてやっています。
 家屋は、その利用状況、家屋の品位、賃貸実例、利回り、こういうものによって標準地域を四つに区分し、その標準地域の標準家屋を定めて、その賃貸料を定めて、その標準地域以外の家屋に対しては、そのものの建築費、構造経過年数等を勘案して、標準家屋より上ったものに対しては上った分に対する標準家屋との差額利回りを乗じたる賃貸価格の半分を増加評価した。
○星克君 予算案が二部ありますが、どちらが正しいですか。
○財政部長(崎山信邦君) (その説明をなす。)九日にお配り致しました予算案が正しいです。一部は内容説明書であります。
◎星克君 予算様式について、民政官府の示した様式といわれましたが法的なものであるか、口答指示あるかどちらですか。
○財政部長(崎山信邦君) 一九五二会計年度予算編成に当って示された訓令であります。
◎星克君 費目の配列もそうなっていますか。予算様式は例年続くものであり款によっては金額の無いものもあり、その他解り難いのがありますので、群島政府として予算様式を決定するのが第一であると思う。
 従来の市町村のものとも随分趣を異にしているので、それから考へてもそれは急務であると思います。
 諮って下さい。
○主計課長(浦崎永八郎君) それは民政官府の示された様式によってなすべきだと思います。
 民政官府に提出した案と一致させて置かないと向よりの質問、照会その他に於て不都合を来すので、民政官府への報告通りして置きたいと思います。
○星克君 休憩懇談致したいと思います。
○議長(潮平寛保君) 休憩致します。(午前十一時四十分)
  (休憩中に課税、その他予算内容について審議)
◎議長(潮平寛保君) 開会致します。(午後零時二十一分)午後からは、連絡会議がありますので、休会して明日午前十時から開会しては。
○星克君 議員だけで研究しては。
○潮平寛保君 予算であり当局との説明等もあり結局同じではないですか。
◎議長(潮平寛保君) 本日はこれで休会致します。(午後零時二十三分)明日十時より残った議案を上程致します。

 本日の会議に附したる事件
一 日程第二 議案第二十六号 八重山群島政府一般会計歳入歳出予算案審議について
一 日程第三 議案第二十七号 八重山群島政府特別会計中央診療所歳入歳出予算案審議について
一 日程第四 議案第二十八号 八重山群島政府特別会計中央企業免許事務所歳入歳出予算案審議について

 出席者は次の通り
   議 長  潮平 寛保君
   副議長  大山 眞整君
   議 員  石垣 用中君
        星   克君
        佐久眞長助君
        古見 石人君
        久部良正三君
  群島知事  安里積千代君
  副知事   當銘 正友君
  秘書長   仲程 長宗君
  財政部長  崎山 信邦君
  経済部長  眞榮田 登君
  工務部長  花城 永彭君
  文教部長  宮城 信勇君
  厚生部長  崎山  毅君
  警察部長  富本  勉君
  会計長   宮良 永益君
 総務部次長  眞玉橋長要君
 財政部次長  石垣 直文君
 経済部次長  石垣 英政君
 工務部次長  宮良 英副君
 文教部次長  亀谷 長行君
 厚生部次長  三島 保夫君
 法務部次長  野國 昌一君
 運輸所長   仲程 長宜君
 製材所長  上江田吉次郎君
 配電所長   神山 長意君
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