戦後初期会議録

組織名
八重山群島議会
開催日
1951年03月09日 
(昭和26年)
会議名
第2回八重山群島議会(定例会)[9]
議事録
一九五一年三月九日(金曜日)
 午前十時三十分開議

議事日程第九号
  午前十時三十分開議
第一 議案第十七号 群島政府工務部各事業所業務報告並びに貸借対照表承認について

◎議長(潮平寛保君) 開会致します。(午前十時三十分)
○書記長(眞玉橋長要君) (出席議員の報告をなす。)全員出席であります。
◎議長(潮平寛保君) 議案第十七号群島政府工務部各事業所業務報告並びに貸借対照表承認についてを上程致します。
◎工務部長(花城永彭君) 先の議会で決議になりました業務報告及貸借対照表の計算書を作ってあります。御審議の上御承認をお願い致します。
  (書記長(眞玉橋長要君)業務報告書朗読す。)(配電所、鉄工所)
○星克君 時間の都合上朗読を省略してはいかがですか。
○議長(潮平寛保君) 朗読を省略致します。
  (書記長朗読を中止する。)
○工務部長(花城永彭君) 本案の審議について、参与として前新事業課長を御願い致します。
○議長(潮平寛保君) 結構です。
○石垣用中君 業務報告には各事業所がありますが、前から順に審議してはいかがですか。
○議長(潮平寛保君) 配電所から御審議をお願い致します。
◎石垣用中君 未払金償還状況の項九一、四七五円二八銭は償還済ですか。
○事業課長(前新雄三君) そうであります。
◎石垣用中君 収支計算書{自十一月九日至一月三一日}までの備品費七、二五五円はいかなるものを購入致しましたか。
○事業課長(前新雄三君) 引継前の科目については、改正致したいのですが、従来通り改正しない方が良いと思いましてそのまま置いてあります。備品費の内容の主なるものは、自転車が四台ありましてその修理費に七、〇〇〇円位いっています。
◎石垣用中君 それでは修理費ですか。
○事業課長(前新雄三君) そうであります。前からそうなっておりますので三月迄はそのままに処理していきたいと思います。
○議長(潮平寛保君) 入浴料が前と比較して月平均二千円余りも増になっているのは何か変った事でもしているのですか。
○事業課長(前新雄三君) 今まで配電所の傭人は待遇が悪かったのですが、新しく採用した者には給料を上げましたので真面目に正確に勤めていますので増になった事と思います。
 なほ厳密に調べる為に職員から代り番に監視しています。
◎石垣用中君 発電運転費、配電運転費はどう云ふものですか。
○事業課長(前新雄三君) 発電運転費は、発電に要する費用、例えばぼろを購入したり部分品の修理をしたりその他燃料以外の全部を含んでいます。配電運転費は、配電に要する費用、発電に要する費用を全部含んでいます。
◎石垣用中君 特別事業税とは何ですか。亦その基準は何ですか。
○事業課長(前新雄三君) 税法によります。電灯料は、税金を含めた料金という見解の下にその一割に相当するのを納めています。
◎石垣用中君 その電灯料金について…。
○事業課長(前新雄三君) 特別事業税としての料金の納入がないので二月にまわったのもあります。
◎星克君 電灯料金は実際の収入ですか。
○事業課長(前新雄三君) そうであります。
◎石垣用中君 減価償却がないのは…。
○事業課長(前新雄三君) 新年度でやる事に予定しています。
◎石垣用中君 未済金とありますが借入金の事ですか。
○事業課長(前新雄三君) そうであります。
◎石垣用中君 借入金には利子はつきませんか。
○事業課長(前新雄三君) 銀行より借入の分には利子はついています。
◎石垣用中君 利子の科目も帳簿面に現す必要はないですか。
○事業課長(前新雄三君) これも新年度から現したいと思っています。
○議長(潮平寛保君) 休憩して懇談致します。(午前十時四十分)
  (休憩中に各事業所業務報告及貸借対照表収支計算書等につき審議をなす。)
○議長(潮平寛保君) 開会致します。(午後零時二分)
 各計算書を見ると七ヶ月と三ヶ月に分けられていますが配電所では{七ヶ月 二八六、一三八・四四 月平均四〇、八七五・〇〇(ママ) -- 三ヶ月 一一八、一四七・七〇 月平均三九、三八二・〇〇 一、四九三・〇〇(減)}となり製材、鉄工所では{七ヶ月 一二六、二五一・八〇 月平均一八、〇三五・〇〇-- 三ヶ月  六八、五四一・四〇 月平均二二、八四七・〇〇 三ヶ月 四、八一二・〇〇(増)}となり、運輸所では、{七ヶ月 二一六、六七七・四七--損 三ヶ月 一〇六・九〇--益}となっています。
 配電所の減は、燃料の高騰、暴風雨後の補修費の増額に依るものと思料され止むを得ないことであるが、報告書を見ると当局の引継後に於ける努力がはっきりと認められますので議員としても大変喜ぶものであります。
 民間業者と競争は避けねばなりませんが、八重山復興の為に政府財政強化の為になほ一層の努力を望みます。
◎星克君 本案は年度半ばで決算を行うことはできないし、意見を申し述べたいと思います。
 年度末になって決算書によって認定致したいと思います。希望を申しあげますと、業務報告及貸借対照表、収支決算書には、一ヶ年には純益金四〇万となります。これは公益事業として余りにも暴利であると思います。公益事業たるものが、これでは甚だ遺憾に絶えません。製材所については、何もありません。運輸所については年に一九万円の欠損を予想する事ができ、政府としては考慮を要するものと思慮されます。
 本案は年度末に於て決算書により認定するとして此の度は保留致したいと思います。
○財政部長(崎山信邦君) 本案は保留と申されましたが年度末に於て更に明確な決算書を提出するはずですから此の度は一応中間報告として承認を希望するものであります。
○企画課長(宮良英益(副カ)君) 二番議員は、配電所について暴利ではないかと申されましたが、その趣旨は私は暴利でないと思います。最初にそれだけ見込んだのは、減価償却もその当時思いもよらない経費が掛かり修理の費用も無いような状況でした。
 配電事業は公益事業であるが故にそのままは置けないと思います。現在文化生活面に於て向上を希う増灯を希望してもその余地がなく、いろいろの必要なものもでき得ない状況でそれも改善して行きたいと思います。亦街灯もっけて奉仕してゆきたいと思っています。なほ、民間の事業と比べたら特別灯とか終夜灯とかありますが、その半分でありまして絶対に暴利でないと思います。
 かへってそれあるが故に、公益事業であるが故に民間の一部業者の暴利を抑圧しているものと思います。
◎星克君 暴利が何であるかは、見解の相違であると思う。
 民間でも電気事業をやっているし、それと競争する事である。それは組織法と抵触する事になるが公益事業であるが故に賛成するものであります。
 公益事業であっても正当なる減価償却は当然であるが、完全軌道に乗らない今日でも四〇万の純益でありそれが軌道に乗れば、もっと多くなる事と思います。
 まして政府は、法人税、特別事業税も取らない故に暴利になる。
 更につけ加へますが、貸借対照表は決算期でないと、総合的なバランスがとれない。本件は臨時の処置にすぎないと思う。
 承認を得るならば、決算期に決算書を作って提出して貰いたい。故に年度末の決算期に於てやるのが建前であると思います。
○主計課長(浦崎永八郎君) 去った議会に於て今期議会で業務報告をなす様に決議したと覚えています。
 年度末まで保留と言われましたが、これは決算ではありません。中間報告として受けて戴きたいと思います。
○星克君 議会毎に報告する繁雑な要求はしてないと思う。政府はむしろ三月の決算期でやってよかったと思います。
◎議長(潮平寛保君) 本案の決算は年度末に承認するとして今回は中間報告として受けてはいかがですか。御異議はありませんか。
  (全員「異議なし」)
◎大山眞整君 業務の中間報告として承認している。
 決算は三月の決算に於てやるのが認定となるのですからその係も大いに努力して政府の趣旨に副って貰いたい。
 事務上に於ては、種目の改正がなく計上したために、解釈に困りましたが、三月の決算期に於ては決定して承認を得る様に希望致します。
○副知事(當銘正友君) 本案は前の議会で議会の要求によって提案した訳であります。
 二番議員は、そうでないと言われましたが、此れは懇談会でなしたと記憶しています。
 本案の承認はいらないとおっしゃいましたが、新年度から政府に要求する事項について明確にお知らせ下さい。記録として置きたいと思います。
◎星克君 私が先の議会で動議をして決したが、申しあげたのは、企業会計と一般会計と別々であるという事であります。決算に代えるのは、一般商法にするのが建前であると思います。
 報告は一定の期間をなしてするのが建前であり、決算に代えるに報告であると思います。
○副知事(當銘正友君) 前の議会では、本会議でなくたしか懇談会だったと思います。新年度に於て議会の要求するのを明示して貰いたい。それによって政府の参考に致したいと思います。
◎星克君 予算に代るに事業所は事業計画を、決算に代えるに貸借対照表を作って貰いたい。そして年に一回、一ヶ年を通じて明確なものをつくりあげて議会の認定を得て貰いたい。
 なほ前政府は、これこれし、現政府はこれこれしたと明かにしたいと決議した様に覚えています。
 前政府は予算によりやっていたのであるから、決算の必要があったと思います。その点を御考慮願います。
○主計課長(浦崎永八郎君) 本案は数字的にして報告してあります。仮認定として貰ってはいかがですか。
◎大山眞整君 本案は決算期でないので承認したくても、承認もできないし、三月に於て決定するとして、今回は中間報告として仮承認してもよいと思いますがいかがですか。
◎星克君 事業報告としてとどめてよいではないですか。
○事業課長(前新雄三君) 十一月八日以前はすでに済んでいますが、それも改めて決算報告をなすんですか。
◎大山眞整君 十一月八日以前を認定しようと云うのですか。
○事業課長(前新雄三君) そうでありません。二番議員の今先の言で、一ヶ年を通じて決算書を提出すべきであると言われたので、十一月八日前も認定の必要があるかと云う事です。
◎星克君 八日以前は前政府にかかわるものであります。
 議会が承認したものを更に承認するというのは疑問であり必要はないと思いますが処理上そうするのが当り前だと思います。
 引継は決算してなされたと思いますが、これを更に承認するかどうかはわからない。
 一ヶ年を通じてなすべきか、前のは除いてなすべきか、研究してやって戴きたい。
 休憩して懇談致したいと思います。
○議長(潮平寛保君) 休憩致します。(午後零時三十分)
  (休憩中に各事業所収支計算について審議)
◎議長(潮平寛保君) 開会致します。(午後零時四十分)
 議案第十七号群島政府工務部各事業所業務報告並びに貸借対照表承認については、業務報告を受けた事にして休憩致します。
  (昼 食)
◎議長(潮平寛保君) 開会致します。(午後一時三十五分)会期を来る三月十七日迄延長致します。
 研究の為三月十二日迄休会致しまして三月十三日から開会致します。
 日程は残った議案を審議致します。(午後一時三十五分散会)

 本日の会議に付した事件
一 日程第一 議案第十七号 群島政府工務部各事業所業務報告並びに貸借対照表承認について

 出席者は次の通り
   議 長  潮平 寛保君
   副議長  大山 眞整君
   議 員  石垣 用中君
        星   克君
        佐久眞長助君
        古見 石人君
        久部良正三君
  群島知事  安里積千代君
  副知事   當銘 正友君
  秘書長   仲程 長宗君
  財政部長  崎山 信邦君
  経済部長  眞榮田 登君
  工務部長  花城 永彭君
  文教部長  宮城 信勇君
  厚生部長  崎山  毅君
  警察部長  富本  勉君
  会計長   宮良 永益君
  総務部次長 眞玉橋長要君
  財政部次長 石垣 直文君
  経済部次長 石垣 英政君
  工務部次長 宮良 英副君
  文教部次長 亀谷 長行君
  厚生部次長 三島 保夫君
  法務部次長 野國 昌一君
  運輸所長  仲程 長宜君
  製材所長 上江田吉次郎君
  配電所長  神山 長意君
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