戦後初期会議録

組織名
八重山群島議会
開催日
1951年03月06日 
(昭和26年)
会議名
第2回八重山群島議会(定例会)[6]
議事録
一九五一年三月六日(火曜日)
 午前十時二十三分開議

議事日程第六号
  午前十時二十三分開議
第一 議案第十二号 度量衡器に関する規則制定について
第二 議案第十九号 政府管理道路認定について

◎議長(潮平寛保君) 開会致します。(午前十時二十三分)
○書記長(眞玉橋長要君) (出席議員の報告をなす。)一番議員未出席、六名出席です。
◎議長(潮平寛保君) 議案第十二号度量衡器に関する規則制定についてを上程します。
  (書記長(眞玉橋長要君)議案第十二号を朗読する。)
◎副知事(當銘正友君) 終戦前は度量衡器は勅令の定むる度量衡法のもと製作は行政官庁の免許を要し検査に用いる原器も白金「イリジウム」合金製の棒及分銅ときめられ、厳密なる検査官の検査の後初めて公の用に供される状態であった。勿論度量衡器の住民生活に及ぼす影響は大きく政府が法のもとに統一したのもうなづけることである。
 然し乍ら終戦後の社会の混乱に乗じ一部不良製作者による不正秤が横行し、商をいとなまんとするものは、やむなくこれらを購入し、又は製作者と結託の上、これを使用する等、一時不明朗なる社会を招来したこともあった。
 爾今、治安の整うにつれ、特定の検査規則を設け指定工場を作り、不完全ながら原器も備へ斯かる不正秤に対する態勢は整うた訳である。
 群島政府発足以来も前政府のこの諸規則を引継ぎ仕事を進めたのであるが、組織法の制定に伴い、これら規則も当然改正の已むなき状態にあり、又検査を一層厳密に行う事により、明朗なる社会が建設される事に思いを致しここに度量衡器検査規則を提案した次第であります。
 案は差当り最も必要と認めるものについて、沖縄県例規の規程に基いてなし、当分の間施行してゆきたいと思います。
◎星克君 条例なれば議会の権能で議会が責任を有するが、規則は執行機関の責任であり、規則として制定するか、条例として制定するかはっきり致したい。
○副知事(當銘正友君) 内容は条例の性質をもっていますが、規則としても差支えないと思います。条例でなければならないなれば規則を条例として審議して戴きたい。
◎星克君 度量衡器に関する条例としては賛成ですが、標題は規則になっている。規則は執行者の責任であり議会の責任はないのですが、唯今の参与の説明で解りましたので、規則を条例に訂正して貰いたい。
○副知事(當銘正友君) 提案者としては、条例その他を制定する為には、議会を経なければなりませんが、これは府令として公布するという事であります。
○星克君 休憩して下さい。
○議長(潮平寛保君) 休憩致します。(午前十時三十三分)
  (休憩中に度量衡器に関する審議をなす。)
  (午前十時四十分、石垣用中君遅参)
◎議長(潮平寛保君) 開会致します。(午前十時四十三分)(議案第十二号修正案朗読)施行は公布の日からとして修正可決致したいと思います。
  (全員「異議なし」)
◎議長(潮平寛保君) 御異議がありませんので修正通り可決致します。
  (議案第十二号度量衡器に関する条例)
○星克君 休憩致したいと思います。
○議長(潮平寛保君) 休憩致します。(午前十時四十五分)
  (休憩中に道路愛護に関する規則の審議)
◎議長(潮平寛保君) 開会致します。(午前十一時三十五分)議案第十三号は後回しにして議案第十九号政府管理道路認定についてを上程致します。
  (書記長(眞玉橋長要君)議案第十九号を朗読する。)
◎副知事(當銘正友君) 本案を提案致しましたのは、一般的に道路の愛護の念を普及し、道路に対する認識と責任を明かにする必要があると思って提案致しました。
 なほ道路起点はすべて政府前と致しました。
◎古見石人君 参与の話しでは、旧の県道を政府管理道路に認定致したいとの事ですが、それは離島にもあると思います。
 もとの県道を政府の管理道路に認定するならば離島方面も、もとの県道は全部認定して貰いたいと思います。
○工務部次長(宮良英副君) 西表の幹線道路、白浜-浦内間、与那国のヘイズ道路はこれを修理完了した上で管理道路に認定致したいと思っています。マクラム道路を管理道路に認定致したいのは、民政官府でもすでに該道路に関する予算の認可をしてありましてそういたしました。
◎久部良正三君 与那国の租納-久部良間は二十年に県道に認定されています。それを認定修復しないで、新しく設けられた道路を認定している。旧い悪い道路を後にして良い新しい道路を先にするのは、提案の趣旨に反するものと思います。そういう面からも与那国の道路も認定致したい。
◎星克君 元県道を政府管理道路として議会の議決を求めていますが県道を政府管理道路にするという明文がありますか、これを条例化し、法事(捧持カ)し、法規にする必要があるか、これに対する政府の見解をお聴き致したいと思います。
○副知事(當銘正友君) 本案によって道路の管理は、一般にどこから、どこまでの管理の主体者が政府であるかを知らしめたい。政府としても予算面を計上する必要上、政府の管理道路を認定してくれる事は従来の予算の計上に大切な事であると思います。
◎星克君 管理道路の認定は焦眉の急である事は解りますが、県の財産であったものを、群島政府一方に管理すると断定する法の根拠をお聴き致したい。
○副知事(當銘正友君) 管理道路認定に入れたいのは、石垣島で最も高度の使用線として、従来の県道として認定されたもの、戦後できたもので最も使用価の大なるものを選びました。政府管理にして良いか、悪いかは議会にお諮りするものです。
◎星克君 私は之は、外国財産管理官の責任にある事と思います。
 民政官府から群島政府管理にしてもよいという事があったのですか、或は民政府財産管理官の指示を得ないでもよいという法の根拠があるかを聴いているのです。
○副知事(當銘正友君) それは民政官府には照会してありません。
◎星克君 解りました。意見を申し述べます。
 管理責任者の意向を文書で聴いて、それに基き条例を制定した方が良いと思います。それまで議決は保留した方が良いと思います。
○副知事(當銘正友君) 組織法第二条に道路等の設置及び管理を規制し、これを使用する権利を取締るとあり、これらは群島政府の責任であると思う。
◎星克君 群島政府は法人としての布告、命令及び指令に基づく管轄権内の公務を執行する為の権能であって正当行為によってのみできるものと思う。それで財産管理官の認可を得なければならないと思う。
 故にその設備の前提として認可を得る様に意見します。
○副知事(當銘正友君) 道路の設置及び管理は知事の権限にまかせてあります。
 その他の規制等につき財産管理官の認可を要しないと思う。
○星克君 休憩致したいと思います。
○議長(潮平寛保君) 休憩致します。(午前十一時五十三分)
  (休憩中に道路問題について審議)
◎議長(潮平寛保君) 開会致します。
 先日琉球民政官府に於て開かれた一九五二年会計年度予算会議で八重山未曾有の予算の認、更にジフテリア発生に伴い再度の薬品の空輸、豚コレラ、予防薬の空輸等八重山の為に力を注いで戴き、更に医者も数名派遣して、その予防対策に万全を期して努力して下さいました。これに対して議会として感謝状を奉呈致したいと思いますがいかがですか。
  (全員「賛成」)
◎議長(潮平寛保君) 議長代表で差上げたいと思いますが。
  (感謝の意を表する為に全議員一緒に行った方が良いという事に決まる。)
◎議長(潮平寛保君) 午後からは、連絡会議で参与も出席できませんので、午後は各人で議案の研究する事に致しまして、明日は午前十時から開会致します。
 本日はこれで休会致します。(午後零時二十一分散会)

 本日の会議に付したる事件
一 日程第二 議案第十二号 度量衡器に関する規則制定について
一 日程第八 議案第十九号 政府管理道路認定について
一 チャップマン大佐、カムロイ軍医に対する感謝状奉呈について

 出席者は次の通り
一 議員全員
一 参与、昨日に同じ
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