戦後初期会議録

組織名
八重山群島議会
開催日
1951年03月03日 
(昭和26年)
会議名
第2回八重山群島議会(定例会)[4]
議事録
一九五一年三月三日(土曜日)
 午前十時二十三分開議

議事日程第四号
  午前十時二十三分開議
第一 議案第十号 八重山群島政府手数料徴収条例制定について

◎議長(潮平寛保君) 開会致します。(午前十時二十三分)
○書記長(眞玉橋長要君) (出席議員の報告をなす。)全員出席であります。
◎議長(潮平寛保君) 議案第十号八重山群島政府手数料徴収条例制定についてを上程します。
  (書記長(眞玉橋長要君)議案第十号八重山群島政府手数料徴収条例制定についてを朗読する。)
○古見石人君 本案は懇談して研究をする必要がありますので、暫時休憩して審議する必要がありますので、休憩してはいかがですか。
○議長(潮平寛保君) 唯今の御意見はいかがですか。御異議はありませんか。
◎大山眞整君 第三条の用材価格の三割とあるが、才数によってはいかがですか。
○経済部長(眞榮田登君) 用材にも良材、不良材があり才数によっては搬出者に於て、不合理があるんではないですか。
◎大山眞整君 価格は申告の通りにしていますか。
○経済部長(眞榮田登君) 申告通りにしています。
◎石垣用中君 林産物の移出検査はどんなにしていますか。
 組織法第一四〇条とどういう関係にありますか。
○経済部長(眞榮田登君) 組織法第一四〇条の関税とは抵触するものでないと思います。
◎石垣用中君 混同をさける為に価格の三割を標準とするよりも、何らかの標準でするのがよいではありませんか。
○経済部長(眞榮田登君) 納入の都合もあり業者の業態等によっても価格の標準が良いように思われますが。
◎佐久眞長助君 移出林産物検査手数料について現在復興途上にある八重山として群島外への移出は考慮すべきでありますが、その移出防止について対策、処置はありますか。
○経済部長(眞榮田登君) その処置はしています。
◎佐久眞長助君 良材、不良材がありますが、手数料は同一にしても良いではありませんか。
○経済部長(眞榮田登君) 同一にした場合は不合理がでて来るんではないですか。
◎星克君 今の林産物移出について、疑問があります。本案は県例規により検査を施行すると言われましたが、私としては政府として検査については、研究を要すると思います。
 組織法による立法精神では自由に任せるようにする事が大事である。
 移出物として林産物が出るのは、移出商品であって関税に類するものは徴収すべきでないと思います。
○経済部長(眞榮田登君) 検査手数料と組織法に示されている関税とは全然別個であると思います。土地の経済をよりよく高めるために施行する検査であり、それは関税とは性質を異にしているものであると思います。
◎星克君 島内生産の産物移出品の信用を高めるために検査は是非必要であります。そういう点から林産物のみでなく農産物全部に検査は施行すべきであります。
 なほ、それは政府で直接するよりも各産業団体でなすのが建前であると思う。更に移出に際して許可を受くるとなれば、関税ではないですか。価格によって徴収すれば、手数料は関税の性質をおびるものと思います。
○経済部長(眞榮田登君) あらゆる移出生産物に対する手数料の徴収は良い事ではありますが、現在の八重山に於てそれが妥当であるかを検討する場合、できない現状であると思います。
◎古見石人君 移出林産物は用材、木炭、薪炭材の外にないですか、その他にもまだあるんではないですか。
○経済部長(眞榮田登君) その他にどういうものがありますか。
◎古見石人君 まーに(和名くろつぐ)、樹皮等がありますが。
○経済部長(眞榮田登君) それは貿易庁でやっています。政府で二重をさける為に入れてありません。
◎潮平寛保君 大島からは杭木が出ていますが、八重山から出るとしたら用材として扱いますか。
○経済部長(眞榮田登君) 宮古からは榑板、杭木も八重山から出す様にしてくれという事があります。
◎古見石人君 用材は価格の一割五分、木炭及薪炭材は五分とは、台湾貿易が実現した場合検査料金が高いと生産者に対して支障を来すと思います。又それに伴って移出の場合の用材と杭木との明示ものぞましいものです。
○経済部長(眞榮田登君) 杭木は原木であるので価格の五分、加工したものは用材として一割五分と致したいと思います。
◎星克君 自動車免許証交付手数料は不合理ではないですか。
○警察部長(富本勉君) 従来は免許手数料一本建にしていました。
 交付手数料まで徴収したのは、沖縄では、条例として手数料を徴収していますので、財源の補充という意味で提案致しました。
◎星克君 山羊の屠殺にいちいち検査を施行し、手数料を徴収する事は、現在までに於て実際問題として有名無実であると思う。
 それを作って徴収できるか、或は徴収できないのは、徴収しないでも良いという事か、それを聴きたい。
○厚生部次長(三島保夫君) 現在屠畜業者に対して手数料を徴収しています。
 現実問題として一般農家のものは徴収していません。
◎大山眞整君 山羊の一〇円は屠殺した場合に申告した者にのみしていますか。
○厚生部次長(三島保夫君) 屠畜業者に対してのみ徴収しています。
◎大山眞整君 農村は食生活にも窮屈である。それを徴収する事は、生産上、健康上の問題としても考慮すべきであり、山羊の一〇円は削除して戴きたい。
◎石垣用中君 第六条の試験手数料一〇〇円、合格証登録手数料二〇〇円となっていますが、高くはないですか。
合格したら二〇〇円は高くはないかも知れませんが、重課は不合理であると思う。
○厚生部次長(三島保夫君) 第六条の第二項を検討して下さい。そして他と均衡のとれるように決めて戴きたいと思います。
○久部良正三君 此については、いろいろ徴収額について訂正する所があると思いますから休憩懇談してはいかがですか。
  (全員「異議なし」)
○議長(潮平寛保君) 休憩致します。(午前十時五十三分)
  (休憩中に手数料面につき審議)
○議長(潮平寛保君) 開会致します。(午後零時十分)
○群島知事(安里積千代君) 議会の中間報告に民政官府へ行って一一件審議終了可決をした事を報告致しました処、非常によろこんでいました。公有水面の件については後でその結果をお知らせ致します。
◎星克君 予算面と事業部の報告書については、いろいろ研究を要すると思います。それで常任委員会を早く作りたいと思います。明後日は常任委員会条例を作ってはいかがですか。
◎議長(潮平寛保君) 明後日は午前十時から委員会の条例を審議して残った議案を審議します。
 本日はこれで休会致します。(午後零時二十分散会)

 本日の議会に付したる事件
一 日程第二 議案第十号 八重山群島政府手数料徴収条例制定について

 出席者は次の通り
   議 長  潮平 寛保君
   副議長  大山 眞整君
   議 員  石垣 用中君
        星   克君
        佐久眞長助君
        古見 石人君
        久部良正三君
   参与
   群島知事 安里積千代君
   副知事  當銘 正友君
   外各部長及次長、各廨長
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