- 組織名
- 琉球臨時中央政府立法院
- 開催日
- 1951年12月21日
(昭和26年)
- 会議名
- 第1回立法院本会議 1951年12月21日
- 議事録
- 第一回立法院本会議会議録
第七十八日目
一九五一年十二月二十一日(金曜日)午後一時二十分開議
議事日程
一、琉球臨時中央政府総務局設置法について(主席メッセージ第三十号)
二、琉球臨時中央政府商工局設置法について(松田参議発議)
三、琉球臨時中央政府統計局設置法について(第三読会)
○議長(泉 有平君) これから本会議を開きます。
今日の日程は第一番に総務局の設置を要請されておりますので、その取扱についての御協議と二番目に商工局の設置法について松田参議から発議がありましたので、それと三番目に統計局の設置法について、以上三つを議題にしたいと思います。第一番目のメッセージ第三十号琉球臨時中央政府総務局設置法制定に関する主席からの要請を朗読致させます。
(事務局長比嘉良男君「主席メッセージ第三十号」朗読)
○議長(泉 有平君) 今までの取扱方針に従いまして本法案の研究方を行政法務委員会に当っていただきたいと思いますが、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(泉 有平君) 次に商工局設置法案の発議がありましたので、松田参議から御説明をお願い致します。
○松田賀哲君 私から経過を申上げますと共に提案の理由について御説明を申上げます。
この商工局設置法を上程致すに当りましては、去る十二月の十四日主席メッセージ第二十七号で商工局設置方について要請がありましたので、十二月十五日の本会議で財政商工委員会にその研究方を依頼されたのであります。そこで我々としましては、十八日午前十時から第一回の委員会を開催致しまして、この時には委員だけの委員会で、同日更に午後一時から第二回目の委員会を催しまして、仮商工局長の宮里氏と瀬長氏を招いて協議を重ね、その翌十五日(ママ)に第三回の委員会を開きまして再び商工局長及び瀬長氏の出席を願って全部を終了し同時に意見の交換をした訳であります。
ところで商工局の設置でありますが、これは従来は勿論、中央政府としてはなかったのですが、これに類する貿易庁というのが軍の代行機関として存在していたのでありますが、貿易庁が解消して商工局になるのは当然のことだろうと思います。と同時に又商工局(部カ)はあくまでかつて各群島政府にありました。商工部(局カ)として中央政府になりましても、いわば範囲が拡大したというだけでありまして、従来の貿易庁の性質も当然持たなければならんのでありますが、然しあくまでも名前の示す通り商工の面もなければいけないと思うのであります。
そして参考案として仮局長から提出されましたものを根拠に審議致しました結果妥当なこともあるし、又不適当なところもありましたので、意見を交換して円満なる諒解を得ましたので本日茲に提案した訳であります。その成案はお手許に差上げてある立法案第十九号であります。以上。
○議長(泉 有平君) 只今松田参議から御説明がありましたが、なおこの局の設置について外に御質問なり御意見でもございましたならば開陳していただきたいと思います。
○吉元榮光君 第七条の「輸出品の品質包装の規格標準の設定及び監督」これは、他の、例えば資源局辺りとの重複はない訳ですね。
○冨名腰尚武君 標準規格を設定するだけです。
○吉元榮光君 然し物産検査所には規格設定委員会というのがあってやるだろうと思いますが。
○松田賀哲君 向うもそういうのが出来るのは予想しているのです。その上での輸出品としての規格設定で…。
○城間盛善君 輸出入方面についてお伺いしたいのですが、この設置法には輸出入の許可とか輸入の統制管理とかいう言葉でいはれておりますが、輸入(出カ)が許可制、輸入は割当統制といったことが、今後の輸出入の政策といいますか、そういった権限を持つという風になる訳ですがその範囲とかいうものについて…。
○松田賀哲君 この輸入(出カ)の許可及び証明に関することとありますね、これはこう云うことだそうです。所謂、対外信用ということが輸出については大きな問題をなすものですから下手な奴を輸出されたら困るから、その意味で証明をくれて、そして出す。例えば砂糖の如き琉球が有利な条件である場合に、台湾から入れて、それを琉球糖として日本に売ったりされたら困るから原産地証明といったようなものを出すといった意味の許可です。結局こっちの信用を高めるという意味なんです。だから信用を傷つけんようなものであれば輸出は出来る訳です。それから輸入の統制管理に関することというのは、現在のところやっているのは輸入割当の公表ですね。そういう意味の軽い統制管理をやっている訳であります。ところが、将来に於てはドルが窮屈になって来た場合はどうしても本当の統制をやらなければならんから、将来そういうことも考えて統制管理という風に、少し強いのですが、挙げてある訳です。
○城間盛善君 輸入方面に於てはドル資金の有効なる利用、国内産業とも睨み合せて或る程度統制といわなくても、調整を加えて行こうという、こういう機能を持とうとすることですね。
○松田賀哲君 そういう意味です。
○城間盛善君 それからそれにも関連する訳だが、貿易資金、その方面の管理権は商工局が持っているのですか、矢張り軍ですか。
○松田賀哲君 それは軍です。だからこの中に所謂外資導入ですね、この項がないのです。これは大きな問題であるのですが、何故入れてないかというと、これは金融委員会なんかの世話をやるのが財政局だから当然財政局にあるべきであると思うのですが、向うの事務分掌にはそれがないのです。それで初めはここに入れてあったのですが、何処かで外資導入を入れなければならないということで財政局長の意見も聴いてみようということで、財政局の方で主管すべきものだと思うが、と言ったら、向うは逆に輸出入ということになると商工局が主にならなければならない、それで商工関係についての外資導入或は資源関係の場合は資源局にさせるという風に分散させるという話だった訳ですよ。ところがそれでは弱体化する恐れがある、そうかといって商工局の中に入れると皆商工局が一手に引受けるということになって困るから、いっそのことこっちから抜いて外資導入については知らん顔をしておいて、併も重大な問題だから、なるべく早く外資導入委員会というものを作ってそれに或る程度の行政権を与えて強力な組織にした方がよくはないかというのです。
○城間盛善君 それから輸入とか輸出とかについて相当程度の権限が附与されることが予想されるのですが、そういう問題は輸入でも輸出でも琉球内の産物と大きな関連を持つと思うのですが、例えば資源局といった方面との綜合的な企画こういうものを、例えば経済安定本部というまでには行かないとしても、国内産業との輸出入との関連、そういう方面から綜合的な企画を樹立して行くという機構なり、機能なり、そういうことまではここに入っておりませんですか。
○松田賀哲君 これは第六条の第一号に輸出輸入計画の総合調整とあります。
○城間盛善君 そういう場合には、他の局の管掌に亘るような総合調整もやって行こうというのですね。
○松田賀哲君 それは含んでおりません。所謂局内の総合調整であって、今おっしゃる意味の他局との総合調整というものは、これは簡単に商工局が指導権を握る訳にはいかんだろうと思う。局長会議でも招集して主席の下でやって行く外はないかと思います。
○城間盛善君 ガリオア資金で購入した物資のことだろうと思うが、要するにこれは今まで貿易庁で直接購入した、そういった物品、それに関する事務は今後どの位の期間を要する見込みですか。
○松田賀哲君 明年の六月には終るといっております。
○冨名腰尚武君 取扱業務は五月一杯に終了の見込で財政面は六月までかかる。然し出来るだけ財政局に移管したいといった希望を漏らしておりました。
○城間盛善君 それから附則の内容ですが、この商工局の中には当然現在群島政府の所管に属している商業、工業面が入って来るように思いますが、現在の群島組織法(布令第二十二号)の改正、そういう改正の方法とかいう方面ははっきり諒解は出来ているのですか。
○松田賀哲君 この問題は未だ話合っておりません。これは末尾に附則としてでもそういうことを謳おうかと思った訳でありますが、これは他の局にも謳ってないようですが、結局これは全体的に一括して出すべきものではないかと思います。
○議長(泉 有平君) 休憩します。
(午後一時五十三分休憩)
(午後二時零分再開)
○議長(泉 有平君) 再開致します。
外に御質問はございませんか。ございませんでしたら本案を商工委員会に附託致したいと思います。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(泉 有平君) 第三番目に統計局の設置法案でございますが、これは只今第二読会の途中にありますが、軍との調整によりまして、軍からその立法に異議ないという承認がありましたので、二読会は自然終ったことになって、第三読会に移りたいと思います。
○吉元榮光君 統計法も両方じゃないのですか。
○議長(泉 有平君) 設置法だけです。
○冨名腰尚武君 母法と一緒に三読会をやった方がいいんじゃないかと思うのですが、これは統計法に基いて設置されている訳ですから。
○議長(泉 有平君) では本案は後日に統計法の承認を俟ってから次の読会に移りたいと思います。
これで今日の日程を終了致しました。本会議を終ります。
(午後二時二分散会)
出席者
議 長 泉 有平君
参 議 松田 賀哲君
〃 與儀 達敏君
〃 城間 盛善君
〃 冨名腰尚武君
〃 吉元 榮光君
〃 田畑 守雄君
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