戦後初期会議録

組織名
琉球臨時中央政府立法院
開催日
1951年11月28日 
(昭和26年)
会議名
第1回立法院本会議 1951年11月28日
議事録
第一回立法院本会議会議録
        第六十八日目

 一九五一年十一月二十八日(水曜日)午後一時十分開議

議事日程
 一、琉球臨時中央政府運輸局設置法について(主席メッセージ第二十三号)

○議長(泉 有平君) これから本会議を開きます。議題は十一月二十四日主席メッセージ第二十三号で要請されました琉球臨時中央政府運輸局の設置法についてであります。ちょうど局長さんもお見えになっておりますので、後程伺わなければならない点があるのでありますが、私が承知している限りに於きましては、当初海事局という形で設置の構想をするということになっておりましたのが、陸運関係を含める運輸局というような構想に変ったのであります。従って、陸運を含めた運輸局の設置ということになりますと、前に海運関係の場合には琉球臨時中央政府海事局の権限というものに対しましては、七月二日附布令第四十七号で出ておりますし、従って群島組織法と抵触する面というものはなかったのでありますが、陸運関係につきましては、一括して群島知事の所管事項という風に謳われておりますので、結局布令第四十七号に相当した陸運関係の権限というものが、琉球臨時中央政府に移って来ないということも考えなければならないのであります。先ず立法院が取上げる前に立法措置の段取りとして拠るべき布令類似のものがなければならないということはお認めになることと思いますので、それらの経緯について、その段階に於て色々軍と局長との折衝事項もあろうと思います。そういったような問題を一応聴取してから、これの取扱といったものに進めて行きたいと思いますが、どんなものでございますか。
○田畑守雄君 今日のセイファン氏との話合ですが、つまり行政措置によってやるか、法を先に出すかといった問題ですね、この問題を議長を交えて一応協議会に移して話合をつけなければいかんのじゃないのですか。その方針を決定して新しく出来る設置法に対しては考えてやるべきじゃないかと思うのですが、私は途中で席を外しておりましたので十分呑み込めなかったのですが、その点一つ城間参議か冨名腰参議から一つ経過を話していただきたいと思います。
○冨名腰尚武君 その前にこの参考案に参考書類として添付されている主席宛、ルイス民政官の運輸局設置の覚書、この書翰が法的効果を持つかどうかということについて、どうお考えになりますか。これには運輸局の設置には陸運を含めろということをはっきり謳われているのですが、布令を改め得るだけの法的効果があれば兔に角ですが、そこの解釈はどうしますか。第二項のbに陸運が入っております。これが殆どすべて群島政府に与えられている、群島組織法によって付与されている権限と同じものがここに入って来ている訳ですが、この書翰が果して群島組織法を訂正し得るものと認めていいかどうか。
○議長(泉 有平君) 群島組織法は布令でせう。それに代るべきものは、当然布令で来るのが常識ではないのですか。
○冨名腰尚武君 書翰は単なる行政命令としての力しか持っていないのですから、群島組織法によって群島政府の陸運関係の権限が与えられている以上、その面の法的措置が講ぜられない限り、立法院としては、この設置法のメッセージを受理することは非常に困難になると思いますが、そこら辺の疑義を明かにする意味に於て、本会議を休憩して全員協議会でこの点を運輸局長を交えて話合ったらどうかと思います。
○議長(泉 有平君) 今の冨名腰参議の提案に御異議ございませんか。
  (「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(泉 有平君) では休憩致しまして協議会に移ります。
  (午後一時十九分休憩)
  (午後二時二十分再開)
○議長(泉 有平君) 本会議を再開致します。
メッセージ第二十三号につきましては先程述べましたように群島組織法に直ちに抵触する面があるのでありまして、その点についての取扱方というようなのを行政主席に申入れましたところ、次のような追記によって立法院の諒解を求めたいということであります。それを読み上げます。「尚本件については民政府布令第二十二号の当該事項に関する規定に抵触するが、この点については後日法的措置を講ずるつもりであり、その旨を含めて事前審議を願います」こういう風な諒解を求めて来ておりますが、これを諒承致しますか如何ですか。
○冨名腰尚武君 この問題は今後提案されるであろう他の局の設置法の場合に於ても非常に重大な関連のある問題でありますから、極めて早期にその解決が出来るように行政主席の方でも努めて貰うよう希望を附して賛成します。
○議長(泉 有平君) 今の希望条件は一応向うに申達する必要があると思いますがどんなもんですか。
  (「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(泉 有平君) そういうことで一応このメッセージを受取ることに致したいと思います。今後の取扱方でございまするが、矢張りその措置を講じられた上本会議に上程するという形を採るという風にすべきものだと思います。従ってその法的な措置の講ぜられるまでの間は、当該関係委員会の研究といったような形で運輸局との間に必要に応じて質疑応答をやっていったらと思いますが、その点はどんなもんですか。
○與儀達敏君 只今のメッセージによりますところの運輸局設置法案の審議でありますが、前審議でありますので委員会の活動に直ちに移りまして法的措置の講ぜられました場合に委員会から正式の発議をしていただきたい。その発議するまでは委員会活動としての審議の形がよくはないかと思います。法的な手続をしてから正式な発議をして第二読会に移りたい。そうすれば委員会の記録も残るし、そういう方法を希望します。
○議長(泉 有平君) 今與儀参議から本件の取扱方について次のような提案がございました。本案は運輸通信委員会に審議を委して、その審議途中に恐らく法的措置が講じられて来る。従って法的な措置が講ぜられた後、委員会、或は委員の発議案として本会議に上程したらというような提案でございますが、その取扱方について御異議ございませんですか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(泉 有平君) ではそういうような取扱方にすることに致します。
 では本案は運輸通信委員会の方で審議をお願いしたいと思います。
 これで今日の日程を終ることに致します。
  (午後二時二十四分散会)

  出席者
   議 長  泉  有平君
   参 議  松田 賀哲君
    〃   與儀 達敏君
    〃   城間 盛善君
    〃   冨名腰尚武君
    〃   大濱 國浩君
    〃   吉元 榮光君
    〃   田畑 守雄君
  仮海事局長 原國 政良君
   〃 総務課長
        具志堅興榮君
   〃 総務課企画係
        立津 龍二君

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