戦後初期会議録

組織名
琉球臨時中央政府立法院
開催日
1951年10月26日 
(昭和26年)
会議名
第1回立法院本会議 1951年10月26日[2]
議事録
第一回立法院本会議会議録
        第六十二日目

 一九五一年十月二十六日(金曜日)午後二時十六分開議

議事日程
 一、立法院規則について

○仮議長(松田賀哲君) 開会致します。第四章「会議」からであります。
  (書記長川畑秀志君「第二十条」朗読)
○城間盛善君 これは前の規則になかったものを入れた訳でありますが、会議開催の時間を午後二時、これを原則的にいいと決めてやった訳です。それで委員会がある場合は委員会は午前中にやる。なお附加えて申上げたいのですが立法院規則の英訳をセイファン博士がこちらに出す場合にも、そういった意味の示唆がありましたので、会議の時間を決めた方がいいんじゃないか、大体どこの議会でも大抵午後本会議を開くということになっているので適当な時間を明示した方がいいだろうという示唆がありましたので、こういう風にしてあります。
○仮議長(松田賀哲君) 異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 それでは次に移ります。
  (書記長川畑秀志君「第二十一条」朗読)
○城間盛善君 これは元の第三十条に当る訳ですが、改正案の第一項が元の第三十条の第一項、改正案の第二項は議事日程の内容記載方法などを規定したものであります。改正案の第三項は元の第二項になっております。第四項は又これに関連して日程変更の規定を追加した訳で基本に於ては元の第三十条と変りありません。
○仮議長(松田賀哲君) 第二十一条御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 じゃ次に行きます。
  (書記長川畑秀志君「第二十二条」朗読)
○城間盛善君 これは元の第三十一条これを敷衍しただけであります。改正案には発議のことは発議の条項にし、指令に出ている読会制度を第二十三条、第二十四条、第二十五条の三条に入れて結局元の第三十一条の発議から処理までを四つの条に分けて読会制度を加えて規定したものであります。
○仮議長(松田賀哲君) 如何ですか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 それでは次に移ります。
  (書記長川畑秀志君「第二十三条」朗読)
 暫時休憩します。
  (午後二時二十九分休憩)
  (午後二時三十一分與儀達敏君出席)
  (午後四時十五分再開)
○仮議長(松田賀哲君) 再開致します。
 第二十三条は原案通りでよろしうございますか。
○城間盛善君 第二十三条は読会制度の規定になっておりますが、読会については立法は勿論、指令の規定によって全部読会の段階を取らなければいけないのだが、決議案の場合には読会を省略して議決することも出来るのじゃないかと、こう考えております。ここに但書によって決議案の場合には読会を省略することが出来るということを謳っておいてもいいと思います。
○冨名腰尚武君 第二十二条の「立法案その他の議案」、の「その他の議案」は今のところ決議案だけが考えられる訳ですか。
○城間盛善君 決議案もありますし、それから例えば前のルイス書翰によって提出しました答申案というようなものもある訳です。主として決議案になると思いますが答申といったこともあり得ると思います。
○冨名腰尚武君 「その他の議案」が決議案とはっきりしないで他に色々決議案以外の議案が想定されるならば、この際第二十三条は但書で決議案に限って読会を省略するということをいうよりも、むしろ立法案は読会手続を経なければいけないという風に行った方がいいように思われますので「前条の」とあるのを「立法案の」という風になおした方がよくはないかと思います。
○城間盛善君 実はこれも考えて見たのですが、つまり第二十二条に規定してある「立法案その他の議案」の「その他の議案」は決議案の外に例えば答申案もある議案の性質によっては読会の形式を踏んで審議した方がいいんじゃないかと考えた訳なんです。それで但書のところでは「立法案以外の議案」とでもするか、した方がよいのではないかと思う。
○吉元榮光君 この第二十三条は但書で「決議案又はその他の議案は院議により読会を省略することが出来る」といったようにしたらどうかと思います。
○大濱國浩君 但書で弾力性を持たせた方がいいんじゃないですか。議案の性質によって軽重がある筈ですから。
○吉元榮光君 「但し立法案以外の議案については読会を省略する事が出来る」でどうですか。
  (「賛成」と呼ぶ者あり)
○仮議長(松田賀哲君) 「但し立法案以外の議案については読会を省略することが出来る」これでよろしうございますか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 それでは次に行きます。
  (書記長川畑秀志君「第二十四条」朗読)
○大濱國浩君 第二十四条は「その報告を聞いて大体について討論した後逐条審議を行う。これを第二読会とする」という風に修正をしていただきたいと思います。
  (「賛成」と呼ぶ者あり)
○仮議長(松田賀哲君) 御異議ないようですから次に移ります。
  (書記長川畑秀志君「第二十五条」朗読)
○冨名腰尚武君 第二十四条には討論と出て、こっちは討議と出ておりますが、言葉の違いはどうなりますか。若し同じことを意味するならば一定した方がいいと思いますが。
○與儀達敏君 討論は意見の交換、討議は意見を述べてその結論を出すという意味です。
○仮議長(松田賀哲君) 原案通りでよろしうございますか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
  (書記長川畑秀志君「第二十六条」朗読)
○城間盛善君 これは元の規則の第三十三条の第一項が前半で、それに但書を添えたのが第一項、つまり議案の修正動議は二人以上の賛成を要する。二は読会制度になりますから、修正動議の提出は二読会でやるということを追加したものです。
○冨名腰尚武君 修正動議について二人以上の賛成を要するという点でありますが、これは議員数が多くなった場合は議事の整理上、これも必要だと思うのですが、我々の場合に現に逐条審議の場合に一々賛成者を求めてからやるということになると議事の進行が大変阻却されると考えるのですが、この点について考慮する必要はありませんか。これは現在の立法院を対象として考えた規則ならば二人以上の賛成を要するということを略したいと思います。
○城間盛善君 これは元の規則をそのまま取ったのですが、二人以上一緒になって動議を提出するのでなくて、その動議に二人以上の賛成者があったら動議が成立するというのです。
○仮議長(松田賀哲君) 原案通りでよろしうございますか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 では次に移ります。
  (書記長川畑秀志君「第二十八条」朗読)
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○仮議長(松田賀哲君) 御異議ないようですから次に移ります。
  (書記長川畑秀志君「第二十九条」朗読)
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○仮議長(松田賀哲君) 第三十条に移ります。
  (書記長川畑秀志君「第三十条」朗読)
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○仮議長(松田賀哲君) 御異議ないようでありますから次は第五章請願に移ります。
  (書記長川畑秀志君「第三十一条、第三十二条」朗読)
○城間盛善君 第五章請願のところは元の規則を相当に修正してありますが、第一は請願事項を制限してあります。三権分立のアメリカ式の形式を採っている関係で立法院の任務なり権限なりがはっきりしていますので、従ってその受付ける請願も立法事項だけに限定するということが大きなもので、その取扱方に相当な弾力性を持たせてあるというのが改正の要点であります。若し仮に立法院請願以外の請願が出た場合には議長はそのまま立法院の限界外のもの、例えば行政に関するものならば、それは行政部に行くべきだろうという風にして、それで済むんじゃないかと思います。
○仮議長(松田賀哲君) 御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
  (書記長川畑秀志君「第三十三条」朗読)
○冨名腰尚武君 処理せしめるとなると最初から最後まで出来るような形に感ぜられますが、矢張り委員会に附託するとした方がよくはないですか。
○田畑守雄君 これは日本などでも、委員会で取上げるか、取上げないかということを決定してしまうでせう。
○冨名腰尚武君 院に報告しないで委員会きりで出来るのですか。
○田畑守雄君 院に報告しないといかんでせうね。議長が受理しているのだから。
○冨名腰尚武君 これは議長が権限を委任しているような形になりますからね。
○城間盛善君 請願のところは元の規則で詳しく規定してあったが、それに対してセイファン博士はもっとゆとりをつけてやった方がいいんじゃないかというので、つまり陳情の処分も性質によっては委員会でそのまま握り潰していいものもあるし、若し重要と認めればこれに対して委員会として何とかの手続をしなければいかん。若しくは立法しなければいかんということもあり得るが、これは委員会でやらしていいんじゃないかということでこういう風にしてあるのですが…。
○仮議長(松田賀哲君) 暫時休憩します。
  (午後四時四十一分休憩)
  (午後四時四十五分再開)
○仮議長(松田賀哲君) 再開します。
○吉元榮光君 第三十三条は冨名腰参議の動議に賛成し、その修正にも賛成します。
○仮議長(松田賀哲君) 如何ですか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
  (書記長川畑秀志君「第六章第三十四条」朗読)
○城間盛善君 第六章も前の第八章と相当変って来ておりますが、前の第八章の第四十三条参議の派遣、これは前に出ております。第四十四条には報告又は記録の提出に応じなければならない。この点は第三十四条の始めに出ている指令第五号にはっきり書いてあるので当然立法院の権限になるし、又行政部ではそういう義務を負わなければならない訳ですが、そのやり方を、証人出頭を求める方法を第三十四条に規定してあります。つまり議長の承認を得てやる訳です。
○吉元榮光君 委員長にちょっとお伺いしますが、布告にそう書いてあっても、前に参議の権限賦与の問題ですね。逮捕することが出来ないといったようなものを矢張り重複しても入れた方がいいということがあったのですが、これも入れてはっきりしておいた方がいいんじゃないかと思うのですよ。
○城間盛善君 前の第四十四条では「審査又は調査のため行政主席、官公署その他に対し必要な報告又は記録の提出を求めた時には、その求めに応じなければならない」ということをはっきりした訳ですが、こういった行政府を拘束する規定は既に指令の第五号にある。こちらから要求する場合にはここに書いてある通り何年何月附指令第何号に基いて証人の出頭を求めることが出来るので自らその権限が明かになるので、そういう意味で母法ともいうべき指令をあげてある訳です。
○冨名腰尚武君 委員長の解釈通りで支障はないと思います。
○仮議長(松田賀哲君) 御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○仮議長(松田賀哲君) 御異議ないようですから次に行きます。
  (書記長川畑秀志君「第三十五条」朗読)
○仮議長(松田賀哲君) 御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○仮議長(松田賀哲君) 御異議ないようですから次に行きます。
  (書記長川畑秀志君「第三十六条、第三十七条」朗読)
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○仮議長(松田賀哲君) 御異議ないようですから次に移ります。
  (書記長川畑秀志君「附則」朗読)
○城間盛善君 この立法院規則は決議案として提出するのでありますから、決議案は決議した時から効力を発生する。こういう風に解釈するから附則以下は削った方がいいと思います。
○仮議長(松田賀哲君) この附則のところに委員長からの御意見がありますが、どう致しますか。
○冨名腰尚武君 委員長の意見に賛成です。
○田畑守雄君 第十条の「常任委員会の数及び所管は左の通りとし、その部門に属する立法案、決議案(その下に及びというのは取って)請願などを審査する」という風に直した方がいいんじゃないかと思います。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○仮議長(松田賀哲君) 御異議ないようですからその通り致します。
○冨名腰尚武君 議事進行についてですが、一括して採決をなすったらどうですか。今日で。
○仮議長(松田賀哲君) 如何ですか。一括して…。
 御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 それではこれは全部可決したことに致します。
 これで閉会致します。
  (午後五時閉議)

  出席者
   仮議長  松田 賀哲君
   参 議  與儀 達敏君
    〃   城間 盛善君
    〃   冨名腰尚武君
    〃   大濱 國浩君
    〃   吉元 榮光君
    〃   田畑 守雄君
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