戦後初期会議録

組織名
琉球臨時中央政府立法院
開催日
1951年09月07日 
(昭和26年)
会議名
第1回立法院本会議 1951年9月7日
議事録
第一回立法院本会議会議録
        第四十五日目

 一九五一年九月七日(金曜日)
 午後二時二十分開議

議事日程
 一、文教局設置法について(第一読会)

○仮議長(松田賀哲君) ではこれから本会議をはじめたいと思う。出席参議は六名。今日の議題はお手元に差上げてあります琉球臨時中央政府文教局設置法の制定についてでありますが、この案は今日九月七日附けで大濱参議から発議が出ております。これはさる七月二十六日行政主席からメッセージ第三号で文教局の設置について立法してもらいたいとの文書が来ておりましてそれについて御研究をお願いした所の大濱参議からこの発議があったのであります。それで第一読会に移りたいと思いますがいかがですか。
○田畑守雄君 異議ありません。
○仮議長(松田賀哲君) では大濱さんに提案理由の説明をお願いします。
○大濱國浩君 発議するまでの経過を報告し次に発議の理由を説明したい。さる七月十七日の全員協議会によって文教局、文教厚生委員会、それに軍との綜合調整という形のもとに参考案を提出して逐条審議しましたが引続き十八日に結局文教局設置の根拠となる軍の指令がなければならないという全員の要請によってこれを軍に要求したのであります。その後七月二十五日に主席メッセージを出して七月二十七日に提示されたわけであります。その時の添附書類の職務権限というもののB項に疑義があってさらにこれを解明しなければならないという要求があって軍の方に行きましたがその質問事項は要するにルイス准将の書簡のB項の「教育法規の制定のための調査研究に従事する」とあるがこの調査そのものは立法手続きを含むかどうかという点と「教育行政責任の再分配」をなすという事は果して群島組織法に抵触しないかということをはっきりしなければならないという点を質問すべく軍の方に折衝したわけであります。
 その後八月三日附けの書簡で軍の方から答えられたB項の解明を八月八日の全員協議会で御披露申上げたわけです。そのB項の第一項の方が全琉的教育法規の制定のための調査研究であるということがはっきりしたわけでBの第二項ではその結果をどうするかが明示されています。「中央政府立法の基本となり、なお中央政府法案と反する群島法規の廃止についての民政官への進言の基礎となる。」このようにB項の内容がはっきりしました。そこでその日全員協議会ならびに本会議によって委員会附託となったのであります。
 その後研究して来ましたが休会に入って八月三十一日更に軍のメッセージによって九月十日までに文教局が発足出来るよう制定を急げということになりました。九月五日、六日委員会をやっています。九月六日午前の委員会は琉大の校外教育部長の安里さんならびに沖縄群島政府文教部長の屋良さんが出席されて共に意見を開陳しております。当日午後全員協議会を開き更に設置法案の内容を検討して軍との綜合調整中本日これを本会議に発議したわけであります。
 提案の理由を申上げます。琉球列島将来の大計は申すまでもなく教育が基盤であります。古今東西世界各国の歴史と現実がそれを立証しています。民族ならびに国家の興廃は一に教育によるといわれています。そこで当然琉球臨時中央政府においても現実の教育行政組織ならびに運営の実際面において更に検討して全琉にわたる民主的教育の大計を確立して教育の普及向上をはかりもって琉球の幸福と繁栄をもたらすよう教育行政を確立することはもっとも重要なことであります。そこで一九五一年七月二十五日の主席メッセージとその添附書類に示している文教局の職務範囲を根幹としてここに琉球臨時中央政府の一行政機構として文教局を設置すべく参議大濱は発議して法案を提出したわけであります。願わくば慎重御審議の上首尾よく施行出来るようお願いするわけであります。
○仮議長(松田賀哲君) それでは一応読んでもらいましょうか。
  (事務局長比嘉良男君「法案」朗読)
○仮議長(松田賀哲君) このようになっておりますがこれを委員会附託の前に全般的な質疑応答を致します。
○城間盛善君 この局の活動内容は調査研究だが現在各群島政府文教部で所轄している事項にわたることになりますが、別に異議があるというわけではありませんが、立案の途中で文教部当局の意向はどんな風ですか。
○大濱國浩君 きのうの委員会でこれを逐条審議してもらいましたがそういう意見はなかった。
○城間盛善君 現在琉大の中には放送局、印刷局、文化情報会館そういうものが含まれているがそれも琉大と一緒にこれから除外されるわけですか。
○大濱國浩君 校外教育部長の話しでは文化情報会館、放送局、印刷局の方は軍の方が直轄している。工業試験場はやはり大学のもとにある。それで印刷局、放送局、情報教育会館これは中央政府の予算以外に直接ドル予算をもって設備を完備していこうということになっている。更にこれは今すぐ接収したのがよいかどうかと質問しましたら現在の所軍に於て設備させてその後接収した方がいいということだった。又接収した後の管理は大学の方がいいか中央政府でやった方がいいかを質問しましたら放送局は中央政府がいいが印刷局は持ちたいという意向だった。又情報教育会館は軍の直営になるのでないかという意見をもらしていた。
○仮議長(松田賀哲君) 他にありませんか。
○吉元榮光君 協議会に移したら…。
○仮議長(松田賀哲君) 協議会に移します。
  (午後二時四十分協議会-三時十分再開)
○仮議長(松田賀哲君) では再開致します。もう御質問はないようですが委員会に附託してよろしゅうございますか。
  (「賛成」と呼ぶ者あり)
○仮議長(松田賀哲君) では委員会附託に致します。大濱参議一つよろしくお願いします。他にありませんか。…なければこれで閉会致します。
  (午後三時十一分閉議)

  本日の出席者
   仮議長  松田 賀哲君
   参 議  城間 盛善君
    〃   大濱 國浩君
    〃   吉元 榮光君
    〃   嘉陽 安春君
    〃   田畑 守雄君
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