戦後初期会議録

組織名
琉球臨時中央政府立法院
開催日
1951年07月10日 
(昭和26年)
会議名
第1回立法院本会議 1951年7月10日
議事録
第一回立法院本会議会議録
        第三十三日目

 一九五一年七月十日(火曜日)
 午後二時二十分開議

議事日程
 一、常任委員会について
 二、仮議長の権限について

○仮議長(松田賀哲君) これから本会議、第一回三十三日目の会議を開きます。
 今日の第一の議題は常任委員会の件についてでありますが、今常任委員会は商工、財政金融というようなのがある訳でありますが、現在ここに残っておられる委員の数は至って少いのでありまして、殊に財政金融の方は一人でやっておりますし、それに商工委員会の方は私が委員長をやっておりますが、私が仮議長になりますとこの商工委員会委員長の方も替へなければならんと思います。そうなって来ると、この両方の委員会を別々に置いたんでは人が足りんのじゃないかと思うのであります。それをそのままにして置くか、それとも商工と財政金融を一緒にした方がよいか、その方から御諮り致します。
○大濱國浩君 今、財政金融委員会はお一人でせう。特別の事情がある訳でありますが、それで特別委員会みたようにして、若し仕事があった場合には他の人が随時手伝うという風に出来んものですか…。
○仮議長(松田賀哲君) 委員会はそのまま置いてですね。
○大濱國浩君 議長の方でいいように組合せていただいたらいいじゃないですか。
○嘉陽安春君 結局は商工、財政金融は一緒にして運営した方が無難ではあると思う。特別委員会は必要が起れば考へられるが、実際問題として現在は特別委員会は考へられんですね。皆持っておりますから。
○仮議長(松田賀哲君) この問題は協議会に移します。
  (午後二時二十六分協議会)
  (午後二時四十四分再開)
○仮議長(松田賀哲君) 再開します。
 商工委員会と財政金融委員会を当分の間一つにしていいですか。議長に一任なさいますか。
  (「賛成」と呼ぶ者あり)
○仮議長(松田賀哲君) それでは当分の間一つに致します。
 それから次の問題はこの委員会の委員長を決めなければなりませんが、これはどう致しますか。
○田畑守雄君 それは委員会で決めるべきでせう。
○仮議長(松田賀哲君) それでは委員会で協議して決めることに致します。
 それから次はこの前研究をお願いして置きました仮議長の権限についてでありますが、大体成案は得られましたでせうか。
○城間盛善君 この前もお話したことですが、議長は無論表決権を持っている訳ですが、それを行使する--常に行使するか、任意に行使するか、--何れにしても行使すれば発言の機会を与へられるが、そのためには、議長席におっては出来んでせうから、一時議長の職務を誰かに代行させてやるといった方法もあろうと思いますが、私は規定はよく分りませんが、ほんの暫くの間誰かに議長の仕事をやって貰うといった風な方法はないのですか。
○仮議長(松田賀哲君) 意見を述べる時ですか。
○城間盛善君 それには限らず会議中に何か公用でも出来た場合に誰かに代ってくれといった方法はとれないか。
○田畑守雄君 それは副議長みたようなものですか、それとも時間的な仮議長ですね。
○城間盛善君 そういう形で議事を進めるということが穏当であるかどうかということになりますね。
○嘉陽安春君 むしろその点は議長に発言を許すということが決れば強いて代るか代らんとかは形式上の問題であって、私が発言したいと思うが異議ないかといって、私の意見を述べますといって差支へないじゃありませんかね。
○與儀達敏君 発言の場合はそれでもよいと思うが、討論の場合はどうなりますか。
○田畑守雄君 討論は一々席を外さなければならんでせうが、然しそれは形式の問題だから議長席に於て自分の意見を述べることは出来ませんか。それからもう一つ考へられるのは議長が投票して同数になって流れる場合が生ずるということは、流すことによって空白を作る、空白を作ることは政治じゃないのだからどうしてもそこに何か目標を見出さなければいけないと思うのですが。こういう様な道義的な意味からして議長がどうしても利害関係で発言をするのは許しておいて、その採決はその残った数によって多数を多数と決めてもいい問題じゃないかと思うのですが…。
○城間盛善君 表決には参加しない訳ですね。
○田畑守雄君 勿論意見は述べるのです。
○與儀達敏君 然し参議としての権利はあるのですからね。
○田畑守雄君 そこ迄行けばどうしてもそこにむつかしい問題が出る訳ですが、政治は空白を作ってはならんもんですから、どうしても妥協をして進んで結論も作らなくちゃならんのですからね。
○與儀達敏君 流れないように最善の努力はするのですがね。
○仮議長(松田賀哲君) 協議会に移します。
  (午後二時五十二分協議会)
  (午後三時再開)
○仮議長(松田賀哲君) 再開します。
 仮議長の権限について大体研究は尽したようでありますからはっきりしたところを決めたいと思います。
 これはどういう風に決めませうか。
○城間盛善君 仮議長も参議の一員で、当然表決権を持っているのだから表決権を行使する。これだけでは不十分ですかね。もっとつけ足す必要がありますか。
○嘉陽安春君 定足数は当然議長を入れて考へる。従って又表決権も当然入れて考へるという二つになりはしませんか。定足数に議長も入れて六名を考へる。従って過半数は議長を入れての過半数を以て議事は成立する。従って議長も表決権を行使する。
○與儀達敏君 但し議事の進行保持のためなるべく本会議に於ける発言は避けるようにする。
○田畑守雄君 それは諒解事項ですが、記録に残しますか。
○城間盛善君 現在参議の一員が議長席についているから当然参議としての表決権がある。従って会議の場合の定足数も議長を加へて計算する建前を取って、それだけの原則が決ればこれで運営上差支へないのじゃないですか…。
○仮議長(松田賀哲君) 表決権は当然という訳ですね。
○嘉陽安春君 表現の問題ですが、むしろ二本建にして、「定足数は議長を入れて定足数とする。議長は表決権がある」という風な表現がいいのじゃないですか。
○大濱國浩君 定足数は仮議長も含む、仮議長は表決権を持つ。
○仮議長(松田賀哲君) 今の問題は「仮議長も定足数に含む。仮議長は表決権を持つ」こういう風に決めますか。
  (「賛成」と呼ぶ者あり)
○仮議長(松田賀哲君) これで議事を終りますが、外に何か御意見はありませんか。
  (発言者なし)
 これで閉会致します。
  (午後三時八分散会)

  本日の出席者
   仮議長  松田 賀哲君
   参 議  與儀 達敏君
    〃   城間 盛善君
    〃   大濱 國浩君
    〃   吉元 榮光君
    〃   嘉陽 安春君
    〃   田畑 守雄君
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