- 組織名
- 琉球臨時中央政府立法院
- 開催日
- 1951年10月08日
(昭和26年)
- 会議名
- 立法院全員協議会 1951年10月8日
- 議事録
- 立法院全員協議会議事録
一九五一年十月八日(月曜日)
午後三時四十二分開議
議事日程
一、「琉球臨時中央政府行政職員任用法に関する立法」について(メッセージ第十八号)
○仮議長(松田賀哲君) これから全員協議会を開催致します。議題は行政主席メッセージ第十八号による中央政府行政職員任用法の一部改正についてであります。行政法務委員長の方からの御説明をお願いします。
○城間盛善君 このメッセージは現在の郵政局の廨庁職員特に郵便局長の任用という問題を解決するために制定するということははっきりしていますが問題は二つあります。
一つは小さい局の局長は実際乙号職か丙号職ですが職務上からいうと部下を指揮監督するという点で甲号職の責任を持つ訳です。所が甲号職の規定では給与が九級以上となっているので地方の局長などずっと下の人がいる。それでそのまま該当されないという所に問題がある。これについてこの前の協議会では別に廨庁の職員任用法を作った方がいいということになっていますが、それから行政府の事務局長と郵政局長を呼んで懇談しこれについて行政府としてもはっきりした廨庁職員の任用法というものがあればそれも結構ではあるということは一致しています。
所が現在すぐ廨庁職員任用法を出すとなると二、三の難点があるということが分かったのです。その第一は廨庁職員の場合には現在の任用法とは別個に特に廨庁だけの職制は別個なものが出てこんといかん訳だがこういう点が同様の職制が二つ出てくることは具合が悪い。こういう点が指摘されている。こういう問題はいずれ公務員法が出た場合には解消される訳だが現行のままの任用法では三段階で内部の幅も狭いという訳で廨庁職員の場合は別個な段階をおかねばいけないということになるが公務員法によってこういう職種別がもっと細分されるということが予想される。その場合には今やる場合にどうしても取らねばいけない本庁と廨庁の二種類の系統が出て来ることが避けられるということを云っています。
たって廨庁職員任用法を作って公務員法が出来た場合はそれに吸収されるという事になる。そうなると要するに廨庁職員法を作っても臨時時(的カ)ものしか出来ないということに変りはない訳です。それから次に廨庁職員の立場から見ると別扱いにされるのを喜ばない。本庁の甲号、乙号、廨庁の甲号、乙号というように差別的系統が同じ中央政府職員の中にあるということは廨庁側から見ると嬉しくないということも考えられる。大体その二つが主な理由でどっちみち臨時的だからそれよりもっと簡単に今の任用法に一部修正した方が臨時処置としてはもっといいじゃないかということに纏まって来た訳です。
つまり現在の任用法を改正すると今のように廨庁と本庁職員の別系統の職種が出て来ることは避けられる。どちらかというと差別待遇という感じを出させずにすむ。後二、三ケ月間の便法としては簡単に現在の任用法に修正を加え急場をしのぐという処置を執って欲しいというふうになった訳です。それで参考案も来ていますがこの前の協議会の場合の考え方と少し変って来たのでお諮りしなければいかんと思っている訳です。
○仮議長(松田賀哲君) 今の本法を修正する訳ですね。
○城間盛善君 臨時処置としてそういう風にやったらといっている。
○仮議長(松田賀哲君) そうなると簡単に出来ますか、条文は…。
○城間盛善君 それは参考案が来ています。そこまでやりますか。
○仮議長(松田賀哲君) やった方がいいだろう。
○城間盛善君 参考案の内容を説明致します。職員任用法の第九条乙号職の所です。ここの第一項の後に「但し行政主席の特に指定する職員は甲号職の職務を行うものとする」となる訳です。
○冨名腰尚武君 給与にも資格にも触れないで只職務を行うことが出来るという訳だね。
○城間盛善君 そうです。それから第十条にも同じように入れる訳です。
○冨名腰尚武君 丙号職もですか。
○城間盛善君 はい。地方の小さい局長などの場合です。
○仮議長(松田賀哲君) 乙号職ですね。現在の局長で乙号職にする者がある訳でしょう。その局長の条件に当てはまっている訳でしょうな。
○城間盛善君 あてはめないといかん訳だろう。
○仮議長(松田賀哲君) しかし我々としては局長がどういう経歴でどういう勤務ぶりかわからん訳だろう。乙号局長になっているもので大学を卒業した者はいないかも知れないし五年を超えてというのもあてはまらないという気がするな。すると最後の認定によるという所に入る訳だね。
○城間盛善君 その辺は知りませんがね。
○仮議長(松田賀哲君) 認定でいっている訳だろうな。それはそれとして今のものは簡単でいいようだ。
○冨名腰尚武君 これは只職務を執行するだけだから無難でいいようだ。只私は今の行き方でなく第九条、第十条でですね。乙号でも甲号の職務を執行することが出来るとしてそれに廨庁という言葉を入れたいですね。中央政府に於ては例外は認めない。「特に行政主席の指定する廨庁職員の場合は」と限定した方がいいじゃないか。
○城間盛善君 そうですね。これは入れましょうな…。
○冨名腰尚武君 廨庁の職員にして行政主席が指定するものがいい。
○城間盛善君 「但し廨庁の職員にして行政主席の指定するものは甲号職の職務を執行するものとする」となる訳だね。
○仮議長(松田賀哲君) それは何条になる訳ですか。
○城間盛善君 第九条の第一の但し書です。問題はこれだけです。もう一つRWBを加えるという問題がある。今の問題はいいですね。
○仮議長(松田賀哲君) いいでしょう。
○城間盛善君 もう一つの問題は第九条第二項を直して下さい。「RG六級より十級まで又はRWB十八級以上の給与を受けるものとする」と…。
○冨名腰尚武君 すると丙号職の給与との間にアキは出て来ませんか。
○城間盛善君 第十条も直す訳です。「RWB一級よりRWB十七級までの給与を受けるものとする」と…。
○仮議長(松田賀哲君) これは郵政局だけの話でしょう。
○城間盛善君 現在はそうですが海事局、資源局などにも技術屋はいますがね。
○冨名腰尚武君 任用法にはこのように規定して辞令には時給何円何拾銭としたら七号命令が改正されたら困るんじゃないか。それが出た時は出た時で改正するより他にないがな…。
○仮議長(松田賀哲君) 海事局との関係はどうなる。
○與儀達敏君 来た場合でもそれに全部はまるだろう。
○仮議長(松田賀哲君) 要するに差支えない訳だね。級はそれだけしかないから…。
○冨名腰尚武君 作業人夫などはどうなるのですか。
○仮議長(松田賀哲君) 日給者は職員には入らんじゃないか。だからあれは定員には謳われん訳だ。
○與儀達敏君 いや、入るよ。行政主席事務局の増員は掃除婦なども全部入っている。
○仮議長(松田賀哲君) 定員に入るのか。日給者で入らんのがあるだろう。試験場の人夫などは…。
○冨名腰尚武君 これは事業費から出る訳だから。職員には加えてない訳だ。
○仮議長(松田賀哲君) ああ、そうか。
○與儀達敏君 問題は郵政局、資源局を接収されて採用したもので丙号職になるものは試験をしなければならないが全部試験をする訳か。
○仮議長(松田賀哲君) 認定ではいかんか。
○與儀達敏君 丙号の場合は認定はない。
○冨名腰尚武君 これは新規採用の場合だけ謳っている訳だ。だから従来の職員は何とか便法を講じんといかんだろう。
○仮議長(松田賀哲君) 口頭試問でもいい訳だ。これは本当は削ってもいいな。
○與儀達敏君 これは一歩前進のつもりですよ。理想がうかがえる訳だ。
○城間盛善君 それは当然公務員法に規定されるからあれを早くすることだね。
○仮議長(松田賀哲君) ではこの件はこれでいいですか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○仮議長(松田賀哲君) ではこれで閉会致します。
(午後四時閉議)
本日の出席者
仮議長 松田 賀哲君
参 議 與儀 達敏君
〃 城間 盛善君
〃 冨名腰尚武君
〃 大濱 國浩君
〃 田畑 守雄君
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