- 組織名
- 琉球臨時中央政府立法院
- 開催日
- 1951年08月02日
(昭和26年)
- 会議名
- 立法院全員協議会 1951年8月2日
- 議事録
- 立法院全員協議会会議録
一九五一年八月二日(木曜日)
午前九時十五分開議
議 題
煙草消費税法改正に関する陳情書(奄美群島議会議長肥後吉次氏他七名)について
○仮議長(松田賀哲君) この陳情書は軍にも来ているから、向うの参考にしたいという意味でせう。非公式に立法院の意見を求められているのです。
○與儀達敏君 回答は軍に出すのですか。
○吉元榮光君 陳情書に対して返答しろということではなく意思を報してくれという意味でせうね。
○仮議長(松田賀哲君) そうです。財政局を通じて立法院の意思をきいた訳です。
(陳情書につき協議)
○仮議長(松田賀哲君) 只今御協議を願いました奄美群島議会議長肥後吉次他七名の煙草消費税法改正に関する陳情書に対する処置でありますが、これは採りあげんことに決めます。それで今迄お話合になった理由を纏めて見たいと思います。
そこで理由の第一として税率の引下の件でありますが、この税率は日本の場合は二百%乃至三百%程度の税率、税率と申しましても煙草税でなくて専売益金になる訳でありますが、その専売益金が二百%乃至三百%位になっている様でありますのでそれに比べてこっちの税率百%は高くない…。
○與儀達敏君 日本との比較は省いた方がいいと思う。それよりも煙草消費税法実施以来市場価格に変動がなかった。それによって見ても税率は高くはないといった方がいいと思う。
○仮議長(松田賀哲君) それはその次に申上げようと思っているのですが、日本との税率の比較も補助的に必要ではないかと思う。
○與儀達敏君 基準を向うに置くということは不合理だと思う。
○大濱國浩君 日本の税率を主体とせずこちらの考へを書いてそれに対する参考資料として書くことはいいと思う。
○仮議長(松田賀哲君) 真先に掲げんで…いいでせうな。それから煙草消費税法実施によって煙草の市価を引上げた事実もない。だから税率を引下げる必要もない。
課税標準の件についてですが、陳情の趣旨は、つまり引取価格を基準として課税する場合は、引取価格は嘘をつける。だからこれを課税標準としては困るというのですが、これに対してはどう答へた方がよいでせうか。
○與儀達敏君 課税標準を引取価格に置くのは課税技術上穏当であって従って従価税をかへる必要はない。
○仮議長(松田賀哲君) 引取価格に課税するのが穏当である。若し引取価格に色々工作が行われている場合には行政部を督励して合理的に改正せしめますか。
○與儀達敏君 そこまで書きますか。引取価格に不正のある場合は別の行政処置でも出来るから、法律の改正まで行かずに不正行為は防げるので従価税をかへる必要はない。
○仮議長(松田賀哲君) 三は大体この陳情が出たのは闇煙草が横行して輸入したものが売行が悪いというのが根本になっていると思いますので、この闇煙草の取締を厳重にして貰う様にする。この位で大体いいだろうと思う。
(午前十時二十五分閉会)
出席者
仮議長 松田 賀哲君
参 議 與儀 達敏君
〃 城間 盛善君
〃 大濱 國浩君
〃 嘉陽 安春君
〃 吉元 榮光君
〃 田畑 守雄君
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