- 組織名
- 琉球臨時中央政府立法院
- 開催日
- 1951年04月10日
(昭和26年)
- 会議名
- 琉球臨時中央政府立法院 1951年4月10日
- 議事録
- 琉球臨時中央政府立法院会議録
一九五一年四月十日(火曜日)
午前十時開議
議事日程
一、軍との連絡会議報告
○主席(比嘉秀平君) 昨日はルイス大佐が主席、立法院各位と連絡会議をやる予定だったのが急にビートラー副長官とルイス大佐は先島へ日曜日に立ったらしく、機会を得ず、モリソン企画部長、琉球民政官府主席アーレン大佐が見えた。
私との連絡の後、立法院とも会見して貰いたかったが連絡資料を持ち合せていなかった。
幸、企画部長もアーレン大佐も細かい所迄文書にして持って来てあった。初め連絡会議で軍の意図と私の案と九十%も一致してうれしかった。
概略メッセージの形で御報告する。
予算面と機構について話合を行った。予算面においては、農林省、郵政庁、貿易庁を含む相当厖大な中央政府本予算の編成はあと二ヵ月余かかる。その間は夫々令達される暫定予算で運営される。くだいて云うと行政、立法両院は前の諮詢会で割当てられていた予算三百万余で、この二、三ヵ月はそれでやって行く。中央政府としての本予算は色々考へている訳でありますが、私の考へは大体の案が出来たら、各局機構は立法院の議決を経る手順をとると思ひます。
財政局は能う限り速かに発足せしめる様に事務的打合せを細かくやった。
局の機構権限は、諮詢会時代の答申に基いてあれが根幹をなすと提案してある。おそらく軍からもう一度立法院に諮っても大方同し意見が出ると思います。人事については慎重に軍と話合を進めている。人選は中々むつかしいものである。難色を示しているという訳ではなく適材適所というのがむつかしいのであります。
立法、司法、行政の職員俸給旅費日当其他については立法院並に主席から夫々案を提出する様に云われています。今日中に文書で報告しなければなりません。次は機構であるが、中央政府の組織法があると仮定してその主体となる行政、立法の権限についての案が明日私の所に手渡されることになっている。これを読んで主席並びに立法院の意見を具申することになっている。立法院と主席が軍へ一緒に行って話合ひますか。今の様に一応させてコメントを貰って、その後必要なら逢おうか。現在の行政事務局は職員数を若干増やして当分行政立法両面の事務を見る。
これには軍は大いに賛成である。大いにそうして貰うと、行政立法両院が協力的に活動しているのを具体的に話したら極めて満足の意を示した。これは向うから行政立法の連繋如何との質問があったので答えた。
昨日も軍と話合ったが私としてこれを希望した。
一、専売税法の立法を考慮相成りたい。単に理念的な面のみでなく、実施についての運営統制の面も併せて考慮されたい。軍では実施案は出来ている由で近く立法院に参考資料として私を通じて上げることになっている。二、公務員法と同任用令の立案を配慮願ひます。軍と話合ったら、軍でも長いことたずさわっている専門家がいる由で考慮中とのこと。公務員の生活及身分の保障、試験及成績によって。公務員の身分保障の重大なることは行政にたずさわる人の悪弊から守ってその機能を行使させるというのが主眼である。
同時に人事の交流も考慮さるべきであると思います。私から申上げた事はこれだけである。
なお余談であるが、私が提案の形を取ったが、日本式なら、主席が提案するが、米国式は主席がメッセージを送って立法院が提案するか、正式に布令が決定するまでメッセージという暫定でやって行き度いから承知して頂き度い。行政、立法、司法の代表者が中央政府発足式に当りマ元帥からメッセージが来たので昨日桑江を通じ感謝状を送った。
○議長(泉 有平君) 三百万というのは一年分ではないですか。
○主席(比嘉秀平君) 今使っている費用は諮詢会で残った分で備品など購入している。四月からのは令達になると思う。暫定予算はそれ位との見当である。
○松田賀哲君 今日中に俸給等出せというが各局職員はどうなりますか。
○主席(比嘉秀平君) 局長に限って下さい、其の他はいいです。行政の局長と参議、判事をどう釣合すか考へて下さい。
○祷 清二君 判事の俸給は動かせるか。
○主席(比嘉秀平君) それは若干修正を加える必要はないかとも思う。
○議長(泉 有平君) 検事の俸給については。
○主席(比嘉秀平君) それについても我々で考へねばならぬと思う。諮詢会時代のは司法関係を基準にしてあったのですね。
○嵩原重夫君 上訴裁判所、巡回裁判所、治安裁判所が一つの系統の下になると思うが、それがはっきりしないので上訴裁判所長と共に研究すると云はれたが、その研究は済みましたか。
○主席(比嘉秀平君) まだです。上訴裁判所の方でプラツトと交渉してキャンプ桑江と話合を進めているが確定的な報告に接していない。中央政府に一貫した制度が打樹てられたら群島政府司法部は消えて中央政府司法部が使はられねばならなくなる。今すぐ発足させるかどうかについても軍と折衝中である。
○嵩原重夫君 裁判制度について主席はどう考へるか。
○主席(比嘉秀平君) 率直に申上げると、私は度々司法関係の人々と話した所では、やはり一貫したものがあってほしい各群島に適材適所にはめ一年か半年毎に交流し場合によっては常設しなくてもよいと考えている。然し、これはさしさわりがあり、各群島の司法関係職員の関係もあり刺戟するので大っぴらには言へない。然し軍でもそう考へている様である。布告第三十八号をうまく書直すのでなければ今の制度はうまくいかないと思う。仄聞する所によれば軍は手をつけている様である。
○議長(泉 有平君) 懇談会にうつります。
(午前十時五十分散会)
本日の会議の出席者
議 長 泉 有平君
副議長 冨名腰尚武君
参 議 松田 賀哲君
〃 嵩原 重夫君
〃 大濱 國浩君
〃 嘉陽 安春君
〃 田畑 守雄君
〃 祷 清二君
主 席 比嘉 秀平君
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